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扁桃腺炎をこじらせて、絶食絶水の地獄の週末を過ごした後に駆け込んだ病院で食ったお粥の味は忘れられません。
SEや飲食業の歴戦の古兵の皆様方から見れば散歩のレベルでしょうが、私も今日から年末進行のデスマーチに突入します。さあ皆ヴァルハラで逢おう。
SRWZ進捗
- 2周目第49話「幻想のメトロポリス」グローマ轟沈、やり直し。トップエース:セツコ=オハラ@バルゴラ・グローリー。
ここは仮縫い私を縛る永遠
マリア様がみてる+ギガンティス
マリア様がみてる
今野緒雪*1による少女小説。イラストはひびき玲音*2。
東京都武蔵野の丘の上にあるという私立「リリアン女学園」高等部を主な舞台とした青春学園小説。同高等部の特徴である「スール」制度と、生徒会である「山百合会」を軸に物語が展開される。
1997初の短編「マリア様がみてる」が『Cobalt』に掲載され、'98に文庫第1巻である『マリア様がみてる』がコバルト文庫に書き下ろされた。以降、主要登場人物を中心とした「本編」とも言うべき物語はコバルト文庫に書き下ろし、「外伝」的な物語は『Cobalt』に不定期掲載の後まとめて文庫化、という形で作品発表が続いている。シリーズの継続や各種のメディア展開により、コバルト文庫が本来ターゲットとする読者層である女性ばかりか、男性にも支持層が広がり、読者の8割以上は男性であると言われている。(wikipediaより引用)
ロサ・ギガンティア Rosa gigantea
ヒマラヤ山脈山麓・標高1000-1500m地帯のインド北東部、ミャンマー北部、中華人民共和国南西部(雲南省)を原産地とするバラ科・バラ属の種。
その名が示す通り*3、バラの中でも最も大きな種である。つる性の薔薇で、頑丈な鉤状のとげで高さ20m以上の他の樹木の樹冠まで登る。葉は半常緑で長さ15-25cmの複葉(通常7枚の長さ4-8cmの小葉を持つ)。花は白かクリーム色か黄色で、直径10-14cmとあらゆる野バラの中でも最大である。実は黄色またはオレンジで直径2.5-3.5cm、堅牢でしばしば翌年の春まで越冬し、次の花が咲くまで残っている。(wikipediaより引用)
マリ見てでギガンティス、巨人の名を戴くのは大輪のロサ・ギガンティアこと白薔薇さま。その系譜に連なるのは先代:佐藤聖・現:藤堂志摩子・次期:二条乃梨子の三名。明晰な頭脳*4と人形に喩えられる怜悧な美貌*5を共通点とするこの三名は、初代人気No1、同人人気No1、読切時代の主人公とその名に相応しい巨大な存在感を持っています。しかし、同時に、ガチレズ、寺の娘なのに敬虔なクリスチャン、仏像マニア、とかなりの変人揃いでもあります。その特異な存在が災いして話のメインテーマに絡みづらくなり、逆説的に影が薄くなってしまっているのは皮肉と言うべきでしょう。恐竜的進化は慎まなければいけませんね。
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/04/27
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海老責め+拷問
海老責め
足は座禅を組ませ、そのまま正面から頭を足に近づけ固定する縛り方。体を海老のように曲げるためこう呼ばれる。元は江戸時代の拷問。(wikipediaより引用)
拷問
肉体的苦痛を与えて罪を自白させること。古代には獄令・断獄律に規定があり、中世にも行われた。江戸幕府では、笞打(縛敲)・石抱(算盤責)・海老責・釣責の4種があった。明治以降も暫く存在し、1879太政官布告で制度上は廃止された。(『岩波日本史辞典』より引用)
拷問と一括りにされがちですが、江戸時代において、笞打・石抱は厳密に言えば、ある程度現場の役人の裁量で行える「牢問」であり、この海老責めからが狭義の「拷問」と成ります。
その手間のかからなさと致死性の低さから、江戸時代多用されていたこの拷問ですが、効果にかなりの個人差があり、体の柔らかい人間には殆ど効かないという致命的な欠陥があります。一度縛ってしまえば、暫く放置してたまに様子を見に来るだけでOKという手の抜きやすさと、苦しむふりのしやすさは役人のサボりの横行が簡単に想像できます。今も昔も公務員に碌なのはいません。
と、けなしましたが、個人的には大きな外傷や後遺症を伴わない、「血を忌む」という特徴がよく表れているこの海老責めこそが、日本の拷問の清華というべき存在であると思ってます。血や臓物を撒き散らす大陸の野蛮な拷問とは一線を画す日本の拷問術。南京大虐殺や従軍慰安婦肯定論者の皆さんは、一度証言者の語る惨劇の情景がどれほど大陸的であるかに思いを馳せてください。良くも悪くも日本文化における拷問はそこまで豪快ではありませんよ。
- 作者: おしおき娘製作委員会,アットプレス
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能登守教経
平教経
永暦元(1160)〜文治元(1185)年。平安期後期の武将。平教盛*6の子。旧名:国盛。
民部大輔、能登守、従五位下となる。1183備中国水島の合戦で、源義仲*7の武将足利義清*8を破る。'85壇ノ浦の合戦で、源義経*9を追い詰めるが、討ち洩らし、源氏の武士2人*10と組み合って海に落ちた。(『コンサイス日本人名事典 改訂新版』より引用)
文弱な半貴族揃いの平家にあって、源氏の東夷に一歩も引かぬ豪勇無双を誇る王城一の強弓精兵能登守平教経。水島の合戦で義仲軍を蹴散らし、屋島で義経四天王の佐藤継信を射殺すなどの活躍は他の追随を許しません。盛者必衰の流れに身を任せ美しく散っていく運命論者の多い平氏にあっての彼の奮戦振りは日本史無双の平家代表の貫禄十分。
そんな彼が光り輝くのはやはり壇ノ浦の合戦。既に大勢は決し、落日の秋迫る中で、独り乱麻を断つが如きの無双劇。しかし、その無駄な足掻きを従兄の知盛に諌められてからは、狙いを総大将源義経ただ一人に思い定めて決死の吶喊。すんでのところまで義経を追い詰めるも伝説の八艘飛びで虎口を逃れられて万事窮す。功名目当てで群がる源氏を両脇に抱え、「死出の山の共をせよ」と一声叫んで入水。後世まで語り継がれる見事な最期を遂げました。
と平家物語での存在感は抜群の平教経。しかし、史実に目を移せば、水島の合戦での活躍が目立つ程度で、壇ノ浦はおろか屋島も待たず、一ノ谷で早くも戦死してしまってたりします。相変らず現実は無情です。
- 作者: 梶原正昭,山下宏明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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行きも帰りも過ぎてゆくは夢
王長嶋石原猪木などの、文句なくギガンティスと形容できるようなスケールの大きな偉人のいなくなった現代日本。マリア様がみてるような均一の価値観を共有する閉鎖社会が崩れ、多様な価値観が横行する今では最早色々な制約で海老責めの拷問のように縮こまった小粒な人気者か、能登守教経のような虚像の巨像しか存在できないのではないのでしょうか。しかし、個人的には王や長嶋のようなきちんとお膳立てされたヒーローよりも、新庄やイチローのように道なき道を切り拓く孤高の変人の方が好感が持てます。マスコミの皆さんにも早く英雄を捏造することの空しさに気付いて欲しいものです。
*1:代表作:『夢の宮』、『スリピッシュ!』、『サカナの天〜異邦のかけら〜』他。
*2:代表作:『カレン坂高校 可憐放送部』(原作・イラスト)、『神語りの玉座』・「ボディーガード・シリーズ」(イラスト)他。
*3:"giganteus"はラテン語で「巨大な」を意味する
*4:聖:就職志望からの方針転換から僅か数ヶ月の勉強で第一志望合格、志摩子:文句の付け所のない超優等生、乃梨子:新入生総代!
*6:中納言。従二位。父忠盛、母藤原家隆女。通称:「門脇殿」。保元・平治の乱に功あり累進。治承・寿永の内乱でも衰運の平家を支え奮戦するも、時勢には抗えず、壇ノ浦にて入水。
*7:木曾。伊予守。従四位下。父義賢、母小枝御前、養父中原兼遠。通称:「旭将軍」。以仁王の令旨に呼応し平家を逐って入京するも、人心を掴めず、後白河法皇の策謀により、鎌倉から攻められ、粟津にて戦死。
*8:民部丞。父義康。通称:「矢田判官代」。最初源頼政、次いで木曾義仲と行動を共にする。丹波の平家を撃滅するなどの活躍を見せるも、水島の合戦で敗死。
*9:伊予守。従五位下。父義朝、母常盤御前、養父一条長成。幼名:牛若丸、通称:九郎。辺境育ちの常識に縛られぬ戦術で、平家追討に絶大な活躍をみせるも、兄頼朝の「武家政権」の理想を理解できず訣別。奥州藤原氏の下に拠るも、鎌倉幕府との軋轢を嫌う泰衡に攻められ、衣川で戦死。