脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『中国現代史[新版]~壮大なる歴史のドラマ』

かつお節職人「10代の子へ。大学なんか行くより職人になった方がいいぞ」:キニ速
手に職をつけておくと食うに困らないのは確かなんですが、歴史を知ってる身からするとその技術を必要とする業界ごと逝く事例が頻発してるんで、あんまり過信しすぎないようにねとしか。


 その分野に関しては明らかに自分より優れている方々の議論をその傍で、ぽかんと口開けて「はぇ~すごい」と感心して眺めることの愉悦たるや。問題は実働部隊としてそのスキームに従って自分が動かなきゃいけないことなんですが。くそ、アイツ等の言ってたことって具体的にはどういうことなんだ、人間の言葉で話せよ馬鹿野郎。

天地の始まり沢山の武人が

 アヘン戦争日清戦争義和団事件辛亥革命国共合作日中戦争国共内戦中華人民共和国成立・大躍進政策文化大革命・改革開放路線・天安門事件。激動の歴史の果てに中国はどこへと行くのか。


 アヘン戦争以降の清末の激動を前史に第二次天安門事件までを描く中国近現代史。前世紀末香港返還直前位に書かれた本なので、「改革開放路線でタガの緩んだ中共の支配体制は香港返還を期に世紀の変わり目辺りで崩壊する」って未来予測が今となってはなんとも新鮮。作者の方が世界帝国となった今の中国を見たらどんな感想を抱くのかなあ。
 そんな後知恵の当てこすりを置いといて内容はというと、中国現代史といいつつ実質中国共産党史。なので各会議毎に人事の変遷や発表された論文に関しては細大漏らさすずらずらと羅列されてる割には、清や各軍閥や国民党の暗闘や奮戦はほぼスルー。正直一番面白いところをなんでと歯噛みしました。途中までは毛沢東礼賛気味なのが、最終章で急展開してゴリゴリに批判してる辺り、[新版]となった理由が感じられてほっこり。という訳で、未来のご主人様にゴマする為の知識として読んでおいて損はないんではないかと思います。

長江のほとり一羽籠の鳩

 こうやって昔の本読むと、今の中国の躍進は専門家ですら予測出来てなかったんだなあと感慨しきり。所詮人間は後付けで分析するしか能のない生き物なんでしょうね。とすると現在誰も予想してない大日本帝国復権も十分ありうる!のか?


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