脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『太平記 二』

呪 い 殺 し て や る ! !:ぁゃιぃ(*゚ー゚)NEWS 2nd
犯人に同情


 近くに大っきな本屋がない・・・。丸山書店カンバッーク。

日本古典文学大系〈第35〉太平記 2

日本古典文学大系〈第35〉太平記 2

負けない誓い孤独と踊るFighting Spirits

太平記
 南北朝時代の戦記物語。全40巻(巻23欠)。作者は「宮方深重の者」(『難太平記』)といわれ、『洞院公定日記』によれば、小島法師*1がその作者というが、彼の伝記は未詳で、例え作者であっても、現存『太平記』全部の作者ではなく、数人が書継・修正をし、1370-‘71頃に成立したと推測される。『太平記』は、後醍醐天皇*2の即位から細川頼之*3の執事上洛に至る('18-'67)ほぼ50年間の目まぐるしい南北朝動乱の姿態を、変化に富む筆致を持って描き、『平家物語』と並んで戦記物語の双璧とされる。日本の封建的社会の進展に画期的意義を持つ時期は、保元以後源頼朝*4開幕までと、古代的な社会の残滓を更に払拭した南北朝動乱期であるが、これを一は『平家物語』が、一は『太平記』が生彩な描写を以って代表的叙事文学を形成し、しかもこれらが長く庶民に語物として普及したことは大きな意義がある。『太平記』は後醍醐天皇崩御までの前半と足利政権の確立する後半とはその筆致と作者の観点も異なっている。江戸時代に喧伝されたのは前半の中興成立と瓦壊、南朝諸士の活躍する部面や合戦・兵法にあった。しかし、『太平記』には一貫して批判的精神が流れている。文章は『平家物語』を承けつつその個性的描写や流麗さには及ばないが、諸国の名主・武士等の活躍と動態、社会相がよく表現されている点に時代の進展を見る。『太平記』はかかる点に史料としての価値を持つ。現存する古写本では神田本・西源院本が最も古く、水戸『大日本史』編纂の為の『参考太平記』は流布本を底本とし諸本を参照するもので便宜が良い。(『改訂増補 日本史辞典』より引用)

 所要期間約1年弱!!実に優雅な読み方でようやく読了した太平記第二巻。本巻の内容は鎌倉滅亡直後から観応の擾乱直前まで。一般に南北朝の動乱と言われて真っ先に思い浮かべる辺りのお話です。新田義貞の壮絶な最期、正成正行涙の別れetcetcと南北朝期を代表する名シーン目白押しの内容の詰まった一冊です。ただ本筋の内容が濃い分、太平記の魅力の一つの閑話休題トリビアルな挿話が割りを喰っているのがちと残念。酷いときには数ページにもわたる武将名公家名の羅列に耐えれる燃えれる人には大変お勧めできます。とはいえ、この本はやっぱり昔の人に倣っていいとこ取りのつまみ食いこそが正しい読み方な気もしないでありません。意地を張らず大人しく抄本読んだ方が絶対理解しやすいです。大人になりませう。

流した血の涙を拭いてたった一つ譲れない真実

 古典の華はやっぱり戦記もの!中高で教えるべき教材は太平記か百歩譲って平家物語保元物語平治物語も渋くていいよね。というのがここ数年の私の持論です。明らかに色々間違ったひねた日本語使ってる源氏物語が古典の代表面してるのは絶対間違っています。読みやすく直感的に理解しやすい軍記物の復権を!


RISING FORCE

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*1:熊野修験道の山伏か。児島高徳と同一人物説あり。

*2:第96代天皇。諱は尊治。父後宇多天皇、母談天門院。建武の親政。代表作:『建武年中行事』他。

*3:管領。右馬頭。父頼春。康暦の政変で失脚。明徳の乱平定に活躍。

*4:鎌倉初代将軍。権大納言。父義朝、母由良御前。弟に義経