脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『観応の擾乱〜室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』

【森友学園問題】佐川「安倍総理や官邸の関与はありません」野党「・・・」:ハムスター速報
きちんと下準備しとかないからだ。例えば、ちょっと過激なSMごっこたっぷりしてから何訊いても「安倍がー」としか言わないように躾とくとか。


 定期受診で血圧下がったと褒められた。しかし、この調子だと離脱できるのいつになるんだろ・・・。


今日の仮想通貨

DQⅧ進捗

  • 追憶のトラップ撃破。主人公のスキル称号:「英雄の心」

俺の目をみろ何んにもゆうな男同志の腹のうち

観応の擾乱
 観応元(1350)〜文和元('52)年に起った室町幕府の内紛。
 初期の幕府の権力構造は足利尊氏*1と直義*2の兄弟が権限を分割して統治する二頭政治であった。このような権力の分割は、尊氏の執権高師直*3と直義の対立から、尊氏と直義の争いとなって破綻していった。機内の中小武士に支持された師直は直義党に殺害されたが、有力豪族中心の直義方も形勢が悪く、南朝と結び関東へ落ちのびた。尊氏も関東に下り、直義軍を破った後、直義を殺害した。(『岩波日本史辞典』より引用)


 大学のゼミ時代に大層可愛がってもらったにもかかわらず、何の挨拶もないまま後ろ足で砂をかけるような感じでフェードアウトしてしまってもうなんて言っていいやら・・・の大恩ある大先輩の著作なので正直冷静にレビューできる気が全くしないんですが、無理を承知で頑張ってみようと思います。
 
 内容はタイトル通りに観応の擾乱について。個人的には応仁の乱以上に面白いけど複雑怪奇でわけわかめなイベントなんですが、こんなにスッキリと分かりやすく権力闘争構造や集合離散を解説してくれている本は初めてです。尊氏も直義も師直も直冬も見事なキャラ立ちでイキイキと動乱絵巻を躍り狂っているよう。それでいて、しっかりと学問してるんだから神業の域。知り合いの身贔屓を差し引いても、歴史エンターテインメントの到達点の一つと言ってしまっても過言ではないでしょう。先輩がよく言ってた、「南北朝の動乱なんて観応の擾乱の前の地方予選に過ぎない」って言葉の意味がようやく腑に落ちました。個人的にはものすごく有能なのにちょっとしたことで唐突にやる気0モードに突入する足利兄弟にものすごく親近感を覚えてみたりみなかったり。なんにせよ、ベストセラー『応仁の乱』の二匹目の泥鰌とは思えない超大ヒットの名作ですので、「観応の擾乱?なにそれ美味しいの?」な人も是非ご一読ください。絶対に後悔はさせませんよ。

ひとりぐらいはこういう馬鹿が居なきゃ世間の目はさめぬ

 ああ、自分が全く手に職のつかない歴史学科に行ってまでやりたかったのはこれだったんだとようやく気付かされた気がします。骨太な学問的議論をキャラの立ったエンターテインメントとしてみんなに楽しんでもらう。男子一生の仕事としてもなんと誇れる大仕事でしょうか。気づくのが十数年遅すぎましたが。自身の無能を味わわされた悔しさに、努力が全く足りなかった後悔、そして最高の知性たちと同じ時間を過ごせた歓喜と。あのゼミでの数年は一生忘れられない宝物です。願わくはいつの日か胸を張ってあの素晴らしき仲間たちに再会できる日が来ることを。

北島三郎 全曲集~人道・兄弟仁義~

北島三郎 全曲集~人道・兄弟仁義~

帰ってきた今日の一行知識

有名なざんばら髪の足利尊氏像は実は別人 
今じゃあ高師直に比定されてますね。たまに未だに「これは誰」クイズで見ますが、この場合どっちを答えるのが正解なんだろう

*1:室町初代将軍。権大納言。父貞氏、母上杉清子。元弘の変に呼応し丹波篠村で挙兵。六波羅探題を陥落させ倒幕の勲功第一とされ、後醍醐天皇偏諱を賜るなど建武政権で寵遇されるも、建武の親政の失政に憤る武士団に擁立され叛乱。光明天皇を擁立し、室町幕府を開き南北朝時代の幕を上げた。

*2:左兵衛督。父足利貞氏、母上杉清子。兄尊氏に協力し室町幕府を開幕。反隠居状態の尊氏に替わり幕政を主導し建武式目の制定などを実現。執事の高師直との対立から観応の擾乱を引き起こし、最後は兄尊氏に暗殺された

*3:室町幕府初代執事。武蔵守。父師重。尊氏の側近として歴戦に供奉し、室町幕府でも初代執事として強権を揮う。四条畷の戦いでの活躍によりその名声は頂点に達し、両御所と称された足利直義との対立は観応の擾乱を招いた。一度は直義を失脚させるものの、南朝との提携により復権した直義により打出浜の戦いで敗死。