脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『かくして彼女は宴で語る』

【イスラエル情勢】TBSが日本赤軍テロリストの娘・重信メイ氏をテレビ番組に出演させハマス擁護開始→イスラエル大使がガチギレして国際問題となり炎上中:ハムスター速報
身内ノリで一切悪気はなかったんでしょうが、また洒落にならんことを。TBSは真面目にそろそろ潰したほうが国益に適う気が・・・。


 読書の秋!ということで、ぼちぼち読書量が増えてきてはいるんですが、自分の場合、読書量と仕事や対人関係へのやる気が見事に反比例しちゃうんですよね。悩ましいもんです。

この道はいつか来た道

菊人形遺聞

日本最初の耽美派運動に」by木下杢太郎


 明治末年に浅草で開かれた文化人たちの懇談会「パンの会」を舞台にした安楽椅子探偵系ミステリー。明治年間の文化風俗や木下杢太郎北原白秋etcの文化人たちの濃いキャラの描写は実に秀逸。ただ逆に、肝心のミステリ部分は、自分がミステリ嫌いなの差っ引いても正直かなり興醒め。正直パンの会での雑談とか美学論争を永遠に聞いてたかったなあと。

浅草十二階の眺め

我らが、美のための美の運動に」by木下杢太郎

 
 浅草十二階こと凌雲閣の描写が実に見事。その分、無理のありすぎるミステリ部分とか、神学論争じみた美学論は流石にちょっと・・・。

さる華族のお屋敷にて

では乾杯と行こうか。まだ見ぬ、未来の新たなる美に」by木下杢太郎


 なんとなく横溝正史チック。因習に縛られた旧家の空気感が出色。ミステリのオチも個人的には結構好きです。

観覧車とイルミネーション

だから、美術は教育されるものではなく悟得すべきなんだ!」by山本鼎


 上野公園の情景が鮮やかに浮かんでくるような精緻かつ情緒的な文章が最高。物語全体の仕掛けにもバッチリ合ってて流石だなあと

ニコライ堂の鐘

ぼくらのささやかな抵抗、芸術のための芸術に」by木下杢太郎


 日露戦争直後のロシア正教会の運営っていう考えるだに地獄絵図な困難を実に淡々と。一度ニコライ堂に行ってみたくなりました。

未来からの鳥

結局、ぼくには何もできなかった」by北原白秋


 ザ・迷走。一体何がやりたかったのやら。とは言え、ベタですがあやのの正体バラシには燃えた。

あの雲もいつか見た雲

 明治末期の風俗小説としては最高峰。ミステリとしては正直弁護のしようが・・・というなんとも難儀な作品。ミステリって仕掛けつけなきゃ売れないって判断なんでしょうが、豊富な下調べと文才で紡がれる最高の舞台で演じられるのが三文芝居ってのはなんとも興醒めです。思い切ってミステリ部分全削除したリメイク版の発刊を強く希望します。


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