脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『長英逃亡』

【分かりやすい】ドラえもんの作画年表:ハムスター速報
80年代後半から90年代初頭にかけて死ぬほどはまってました。大晦日は紅白よりドラえもんの方が楽しみだったなあ。


 GW終了。そろそろ五月病にでも罹ってみようかしらん。


SRWZⅢ時獄篇

艦これ進捗

  • 「索敵機、発艦始め!」強襲!ポートワイン破壊作戦クリア。第一艦隊旗艦:赤城改。

長英逃亡(上) (新潮文庫)

長英逃亡(上) (新潮文庫)

長英逃亡(下) (新潮文庫)

長英逃亡(下) (新潮文庫)

深い闇を俺は抜け出した。疾風みたいに逃げ出した

 俊英高野長英。天下第一の蘭学者と勇名を馳せながらも、『夢物語』が幕閣鳥居耀三の勘気に触れ、蛮社の獄連座し、永牢の刑を得た不遇の天才。己が才を再び世に問わんが為、彼の逃亡生活が始まる。


 安心安定の吉村クオリティで読ませる、天保期の天才蘭学者高野長英の伝記小説。後半生の逃亡生活が主題なので、蛮社の獄の陰の政治暗闘史や天保期の蘭学事情などの面白いネタに最小限にしか触れてないのがちと残念ですが、逃亡者の心境が実によく書けていて、小説としては花丸な出来の佳作。鳥居耀三の失脚や庇護者の伊達宗城の変心、そして逃亡資金に尽きての命より大事だったはずの蘭和辞典の質入れなど失意の描写に引きます。歴史小説の宿命として、知れ切った破滅がラストに待っているので、カタルシスは感じようがないですが、人生に迷子な方は、不安と焦燥にさいなまれる主人公高野長英に感情移入できるんではないでしょうか。リア充な人はウシジマくん的なファンタジーとしての楽しみ方でもしといてください。

時が止まったみたいだ。さあ、目を覚ませ

 逃亡者として生きるのに何より必要なのは人の縁。人が生きていくには誰かの力を借りなければいけないというのを一番感じられるのが何かから逃げている時ではないでしょうか。こんな自分でも匿ってくれる人がいる。その安心感だけで人は生きていけるものです。自分は一人でも生きているって思いあがっているあなた。自分が逃亡者になった時無条件で助けてくれそうな人はきちんといますか?

great escape

great escape

帰って来た今日の一行知識

江戸時代の牢名主は事実上囚人の処罰権を握っていた
日本人の自治組織好きはこんなところにも。