脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

君がいた物語とフルメタルパニック?ふもっふと北条早雲の出自について

悠仁親王殿下のお茶の水附属幼稚園入園と学習院の堕落 - 日本が好きなだけなんだよ
小和田家VS秋篠宮家のバトルが本格化。皇族の本分たる醜聞の提供に余念がないようでなにより。


 通勤時間自転車で小一時間の日々が復活。ああ仕事場まで5分のあの日々が懐かしい。

君がいるから明日があるから

君がいた物語+.hack

君がいた物語 - 脱積読宣言

君がいた物語
唄:See-Saw、作詞曲・編曲:梶浦由記*1
オリジナルビデオアニメーション.hack//Liminality』第3話オープニング主題歌。
初出:『君がいた物語 / Emerald Green』(2003.1.22)
歌詞はこちら

.hack//Liminality
オリジナルビデオアニメーション。全4巻。
原作:Project .hack、アニメーション制作:ビィートレイン、製作:バンダイ
監督:真下耕一*2、シリーズ構成・キャラクターデザイン:鷲田敏弥*3、音楽:梶浦由記
メインキャスト
水無瀬舞:小林沙苗*4、香住智成:櫻井孝宏*5、牧野雅弥:保志総一朗*6、徳岡純一郎:江原正士*7佐藤一郎関俊彦*8

 後期See-Sawの佳作。バラードっぽいタイトルに似合わぬアップテンポの曲調に、梶浦女史お得意の妙な合いの手も健在。全体的にFictionJunctionっぽさの漂う一曲です。代表作の「あんなに一緒だったのに」とか「君は僕に似ている」ほどのインパクトはありませんが、かなりの名曲。主題歌として使われた.hack//Liminality本体は最早入手困難ですが、MADをYou Tube先生が沢山所蔵されておられるので、是非一度ご覧になってください。

.hack// - 君がいた物語 / Emerald Green

.hack// - 君がいた物語 / Emerald Green

ふもっふ

乾杯 - 脱積読宣言

フルメタルパニック?ふもっふ
フジテレビ系アニメ。2003.8.26〜11.28放映。全11話。
原作:賀東招二*9、原作イラスト:四季童子*10、アニメーション制作:京都アニメーション、製作:フジテレビ・陣代高校生徒会。
監督:武本靖弘*11、シリーズ構成:賀東招二志茂文彦*12、キャラクターデザイン:堀内修*13、音楽:佐橋俊彦*14
メインキャスト
相良宗介関智一*15千鳥かなめ雪野五月*16、常盤恭子:木村郁絵*17、林水敦信:森川智之*18、風間信二:能登麻美子*19


 ハルヒ2期の大ごけで汚名を蒙ったものの未だ衰えぬ京都アニメーションの初元請作品。当時ラノベ界でもトップクラスのドル箱作品のアニメ化を、無印でGONZOが見事に大振り三振かましたやがったので、その汚名挽回の期待に見事に応えた名作。べたべたと鈍重でセンスのない演出だった無印の短編篇とは打って変わった丁寧で小洒落た演出は後世の京アニの躍進を感じさせます。特に「女神の来日〜温泉編〜」は原作者自ら非常な感銘を受けたと語る出来でまさに必見。中の人たちの怪演も光ります。そして、怪演といったらこの人金田朋子。タイトルにもなっているボン太くんを見事に演じきっており、「ふもっふ」だけで感情表現の全てを表す妙技には頭が下がります。「♪ふ〜も〜ふもふも、ふもっふも〜」の歌詞が頭から離れない「running cadence」の替え歌なんかは必聴。
 まあ、飛び道具のテッサとボン太くん登場回を除いては、所詮原作のアニメへのベタ移植。確かに丁寧な作りで好感は持てますが、原作小説の魅力を超える程の出来ではなし。2000年代のアニメ史を語る上では外せない作品ではありますが、神がかった出来と絶賛するほどではありませんし、普通の良作と言っていいんでないでしょうか。原作ファンの方は見て損はないですよ。

フルメタル・パニック?ふもっふ DVD-BOX

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北条早雲+出自

嵐の中で輝いて - 脱積読宣言

北条早雲
 永享四(1432)〜永正十六(1519)年。室町・戦国時代の武将。小田原北条氏(後北条氏)の初代。
 早雲は庵号で、北条を称したことはなく、一般に言うこの呼称は俗称。正しくは伊勢を氏、新九郎を通称とし、入道ののちは自ら早雲庵宗瑞と記している。実名は長氏とされ、氏茂などの名も伝えるが確証はない。出自については諸説があり①伊勢の関氏一族出身説②京都の伊勢氏出身説③備中の伊勢氏出身説の3説がその主たるもの。近年、実名を盛時として②③の折衷説も提唱されているが確証はない。従って父母の確定までには至っていない。
 初見としては1476駿河守護今川義忠*20家督相続を巡ってその子氏親*21を支持し、相手方の小鹿範満*22を支持する太田道灌*23と共に事態の収拾に当たったというのが確かなところである。'87道灌の没したのち早雲は範満を討って氏親を名実共に今川家の家督とし、この功により駿河の富士下方12郷を与えられ興国寺城主となった。
 '91伊豆に攻め入ってこれを平定し、韮山城に拠る。'95.9大森藤頼*24小田原城を攻略し、関東進出の第一歩を印した。山内上杉・扇谷上杉両氏の抗争を巧みに利用して領域を拡大し、1506小田原付近で検地を実施。新基準による貫高の採用が確認され、新しい領国支配体制の基礎が固められている。'10頃より相模の征服を開始。'12.8三浦義同*25岡崎城を陥れ住吉城に敗走させ、初めて鎌倉の土を踏む。'12義同の反撃を退けて更に新井城まで追い詰め、'15.7遂にその子義意*26共々打ち滅ぼして相模を征服した。'17家督を氏綱*27に譲ったと見られる。'18韮山城で死去。
 家訓に『早雲寺殿廿一箇条』がある。平生『太平記』を座右の書としていたのは有名。道灌の器量を見抜いて一目置いており、戦国大名北条氏発展の基礎を築いた。(『朝日歴史人名事典』より引用)

出自
1、生まれた家柄・血統・土地など。また、物事のでどころ。出所。
2、そこから血を引いていること。
(『日本国語大辞典 第二版』より引用)

 上記辞書の説明では出自は謎となっていますが、分厚い研究の進展した現在では足利義尚の申次衆や奉公衆を勤めた備中荏原庄の領主伊勢新九郎盛時で確定しております。この伊勢氏は政所執事を務めた家の支流で幕府中央でそこそこの地位を持った一族なので、一昔前に巷間流布した裸一貫で下克上を果たした戦国大名の元祖という物語は完全に崩れてしまいます。
 実際には、今川氏と付き合いの深かった父盛定が家督争いの際に調停役を買って出て、十数年後その調停案が履行されなかったのを再度調停する際、父が既に鬼籍に入っていた為、息子の義時が駿河に下向。そこできっちり調停というか、対立勢力の駆逐を果たす大功をあげた為、現地で領地を与えられそこに居ついた模様。その領地が伊豆との境にあった為、伊豆への勢力拡大に伴い今川氏から独立。戦国大名1号として一本立ちした。というのが、現実の様です。卑俗に現代風に喩えれば、中央官庁の中堅役人が地方の大企業の経営建て直しに派遣され、そのまま半外部役員として雇用され、そこで徐々に地元に人脈を作って独立ってとこでしょうか。と言う訳で、無頼の7人の仲間たちで「この中で誰か一人が立身出世に成功したら、残りの6人を召抱え、その6人は部下として忠節を尽くすべし」と誓い合ったという故事も嘘っぱちな様です。なお、早雲と言えば、駿河下向時*28に既に50を超えた超遅咲きの花というのもイメージですが、ここも現在では、生年は永享四(1432)年ではなく康正二(1456)年というのが定説となっており、そこのイメージも崩れてしまっています。
 最後に余談ですが、江戸時代初期にはきちんと後北条氏の祖は政所執事の伊勢氏という「正しい」説が一般的だったのが、元領主のイメージダウンを図りたい徳川幕府豊臣秀吉の立身出世譚に慣れその類の物語を希求した一般庶民の利害が一致し、北条早雲の出自は名も知れぬ素浪人という根も葉もない説がまかり通るようになってしまったとのこと。「正しい」歴史を後世に伝えるのって難しいですね。

北条早雲とその一族

北条早雲とその一族

優しさは時々残酷だから求める程こたえを見失う

 「ふもっふ!」と鳴く謎の怪生物ボン太くんの如くお前は誰だと問いたくなる北条早雲でしたが、謎のベールを剥がしてみれば、結構中々の出自の御曹司。あまり絵や物語にはならない結論が出てしまいました。事実を事実のままに面白く描くことの出来ない三文作家や利権漁りに熱心な活動屋さんたちは、「君がいた物語」を捏造してしまいがちですが、せめて我々は第二次大戦の歴史を政治と感情で捻じ曲げて後世に伝えたと言われないようにしたいですね。

それが、愛でしょう/君に吹く風(CCCD)

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帰ってきた今日の一行知識

ボン太くんの声優金田朋子の声は超音波が含まれている
収録音源に謎のノイズが混じるので調べてみたらこうだったとのこと。見た目も思考も何から何まで規格外のお方だ。

*1:代表作:『舞-HiME』・『.hack//SIGN』・『NOIR』(音楽)他。

*2:ビィートレイン代表取締役。代表作:『NOIR』、『ツバサ・クロニクル』、『爆れつハンター』他。

*3:代表作:『のだめカンタービレ』・『創聖のアクエリオン』・『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』(作監)他。

*4:ぷろだくしょんバオバブ所属。代表作:塔矢アキラ(『ヒカルの碁』)、北島マヤ(『ガラスの仮面』(2005年版))、アレン=ウォーカー(『D.Gray-man』)他。

*5:81プロデュース所属。代表作:枢木スザク(『コードギアス 反逆のルルーシュ』)、島村ジョー(『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』)、渋谷有利(『今日からマ王!』)他。

*6:アーツビジョン所属。代表作:キラ=ヤマト(『機動戦士ガンダムSEED』)、前原圭一(『ひぐらしのなく頃に』)、孫悟空(『幻想魔伝 最遊記』)他。

*7:81プロデュース所属。代表作:ボルト=クランク(『EAT-MAN』)、キャプテン・ブラボー(『武装錬金』)、マイト=ガイ(『NARUTO -ナルト-』)他。

*8:81プロデュース所属。代表作:ラウ=ル=クルーゼ(『機動戦士ガンダムSEED』)、日高秋亜人(『天空戦記シュラト』)、モモタロス(『仮面ライダー電王』)他。

*9:代表作:「蓬莱学園シリーズ」・『ドラグネット・ミラージュ』(小説)、『ドルアーガの塔 〜the Aegis of URUK〜』(シリーズ構成)他。

*10:代表作:『モンスターコレクション・ノベル』、『セブン=フォートレス』、『カレイドスコープの少女』(挿絵)他。

*11:京都アニメーション取締役。代表作:『らき☆すた』・『涼宮ハルヒの憂鬱』(2009年追加分)・『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』他。

*12:代表作:『AIR』(2005年アニメ版)・『超重神グラヴィオン』・『地球防衛企業ダイ・ガード』他。

*13:代表作:『ハヤテのごとく!』、『喰霊 -零-』、『爆裂天使』他。

*14:フェイス音楽出版所属。代表作:『機動戦士ガンダムSEED』、『救命病棟24時』、『仮面ライダークウガ』他。

*15:アトミックモンキー所属。代表作:骨川スネ夫(2代目)(『ドラえもん』(テレ朝版))、ドモン=カッシュ(『機動武闘伝Gガンダム』)、鈴原トウジ(『新世紀エヴァンゲリオン』)他。

*16:旧名:雪乃五月賢プロダクション所属。代表作:日暮かごめ(『犬夜叉』)、志村妙(『銀魂』)、園崎魅音(『ひぐらしのなく頃に』)

*17:フリー。代表作:御剣涼子(『SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール』)、リキッド=コール(『キディ・グレイド』)、トッタルニャン(『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』)他。

*18:アーツビジョン所属。代表作:Dボゥイ(『宇宙の騎士テッカマンブレード』)、シャギア=フロスト(『機動新世紀ガンダムX』)、キョウスケ=ナンブ(『スーパーロボット大戦OG』)他。

*19:大沢事務所々属。代表作:閻魔あい(『地獄少女』)、藤堂志摩子(『マリア様がみてる』)、乃木坂春香(『乃木坂春香の秘密』)他。

*20:駿河守護。治部大輔。父範忠、母上杉氏定女。嘉吉・享徳の各乱鎮定に従軍し功あり。応仁の乱のどさくさで隣国遠江に侵攻するも、遠江国一揆との戦いで戦死。

*21:駿河守護。修理大夫。父義忠、母北川殿。父義忠の急死で家督を奪われかけるも、伊勢義時の介入により、家督継承に成功。悲願の遠江平定に成功後は『今川仮名目録』の制定や甲駿同盟などで領国経営の安定に尽力。

*22:今川家家督代行。父範頼、母上杉政憲女。先代義忠の急死後、外戚の扇谷上杉氏の後楯を得て、家督継承を画策。伊勢義時の調停により、龍王丸成人までの家督代行を命じられるも、元服後も家督を譲らなかった為、再度伊勢義時の介入を招き敗死。

*23:資長。武蔵守護代。左衛門大夫。父資清、母長尾景仲女。上杉家々宰として享徳の乱を戦い抜き、都鄙合体により乱を終息に導き、主家の繁栄に貢献するも、家中に留まらぬその絶大な声望を憎まれ「当方滅亡」の予言を残しつつ暗殺。

*24:小田原城主。式部大輔。父氏頼。扇谷上杉氏家臣として小田原城に拠る。兄の早逝により家督を継いだが内紛が絶えず、早雲の関東進出の足がかりとされる。

*25:相模守護代陸奥守。父上杉高救、母大森氏頼女、養父三浦高時。養子に入った名門三浦家の内紛に乗じて家督を奪取、東相模に勢力を確立する。早雲の関東進出最大の障害として幾度も干戈を交えるも時流には抗えず敗死。

*26:新井城々主。弾正少弼。父義同。名門三浦氏最後の当主。勇猛を以って知られるも、早雲の関東進出の圧力に次第に領域は後退し、最後は新井城にて華々しく戦死。

*27:南関東戦国大名左京大夫。父早雲、母小笠原政清女。家督継承後居城を小田原に遷し、名門北条氏を名乗る。上杉氏や里見氏を破り、武蔵・下総を制圧し、南関東の覇権を握る。以降は西の今川氏との抗争や息を吹き返した扇谷上杉氏の叛乱に悩まされながら病死。

*28:長享元(1487)年