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コメントもらうのは相手を良く見て選びましょう。
齊藤悠葵二連勝の記事が載るはずが、林・河内・倉の三馬鹿の所為で、今日も今日とて埋めネタの三題噺で更新です。今日のお題は「バブル期+ソバージュ」「衆道+小説」「世界の中心でアイを叫んだけもの」。それはそうとこの新企画を始めて以来がくっとアクセスが減った気がするのは多分気のせいでしょう。
人は愛をつむぎながら 歴史をつくる
バブル期+ソバージュ
ソバージュ-ヘア
(sauvageはフランス語で「野生の」の意)
毛先の方から細かくパーマをかけてウェーブをつけた髪型。1983年頃より流行。(『広辞苑 第五版』より引用)
私にファッションを語れとな。無理ですごめんなさい。
流石にこれだけでは気が引けるので、いわでもがなの捕捉。日本ではバブル後期の90年代初頭にワンレンボディコンの発展系として流行ったようです。その頃のドラマ、特にAVVシネマなんかを見ると、美人の設定の女性は大概この髪形をしてて、ノスタルジーに浸れます。
衆道+小説
若き健児の血は沸きて - 脱積読宣言
輝く未来へと COUNT DOWN - 脱積読宣言
「ホモが嫌いな女子はいません!!」(AA略)の真実を証明するかの如くやたらと検索ワードに頻出な「衆道」ですが、小説を探すとなると意外と骨が折れます。JUNEや薔薇族やSAMSONやルビー文庫やラピス文庫を漁れば死ぬほど出てくるんですが、流石に腕をなまらんようにする為だけの埋めネタの為に童貞*1を捨てる元気と勇気は無かったので、豪快にスルーします。
話を戻すと近代小説家で有名なのは『仮面の告白』の三島由紀夫や稚児の耽美な世界をホームグラウンドに据えた今東光でしょうか。キリスト教道徳に縛られてか、日本では余りこの分野で有名な作家の活躍を聞きません。
しかしその不作ぶりも御一新以前に目を向けると風景が一変します。役者の華麗な世界を描いた江戸期の黄表紙や、坊主の淫欲なる生活を描いた室町期の謡曲などで大量に男色が描かれています。『本朝男色考 男色文献書志』*2に現存する男色を扱った文献が千冊強紹介されていますので、興味のある方はご自分で探してみてください。正直もうおなかいっぱいです。
世界の中心でアイを叫んだけもの
『新世紀エヴァンゲリオン』第弐拾六話「世界の中心でアイを叫んだけもの」(副題:Take care of yourself)
平成八年三月二七日テレビ東京系で放送。脚本:庵野秀明、絵コンテ:摩砂雪・鶴巻和哉・庵野秀明、演出:摩砂雪・鶴巻和哉
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去年流行に流行った『世界の中心で愛を叫ぶ』のタイトルのオマージュ元で有名なこのサブタイトルですが更に元ネタがあります。シリーズ最終回は有名なSF作品からとったタイトルというGAINAXの伝統*3に基づき、ハーラン=エリスンの『世界の中心で愛を叫んだけもの』*4から取られたタイトルです。元ネタとは何が言いたいのかさっぱり分からん混沌ぶりが共通点でしょうか。蛇足な解説をしとくと、「アイ」は「愛」と「I」のダブルミーニングで、補完された世界の中心で愛を知りアイデンティティを取り戻す碇シンジを表しています。
内容に関しての感想。予算と時間の切れたGAINAXが完結させる努力を一切放棄した投げっぱなしもここに極まれりの酷い手抜きの回ですが、その「難解さ」が物知りぶったサブカルかぶれや喰うに困ったポストモダンな哲学者もどきに持て囃され、今に続くEVAブームの発端になるのだから皮肉なもんです。中盤までの意味ありげなうざい演出は正直時間潰し以外の意図は読み取れませんが、終盤のパラレルワールド以降はGAINAXの底力を感じさせる出来で、少年からの脱皮、そして主人公の覚醒のシークエンスとしては日本アニメ史上最高の出来と言っても過言ではないでしょう。ラストの物語の締めたるべきカタルシスなシーンをすっ飛ばしているから不満も出るし、物語全体としても最低のラストシーンになっているだけで。
個人的にエヴァは日本最高のスパロボアニメ(途中打ち切り)であると思っています。ブンガクやテツガクなどというゴミとは一緒にしないで欲しいものです。
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少年よ 神話になれ
日本アニメの精髄とたたえられるEVAですが、誤解を恐れず断言すれば、間違いなく失敗作、それも話に最低限のつじつますらつけることの出来なかった最悪の失敗作です。それを象徴するのがこのTV版最終回の「世界の中心でアイを叫んだけもの」でしょう。
しかし、もしEVAが当初の予定通り量産型EVAとの一大血戦に勝利し、物語としては文句のつけようの無い円満な終わり方をしていたら、これほどの人気を博すことが出来たでしょうか。間違いなく否です。破綻しているからこそ、この作品は空前絶後のカルト的魅力を持ちえていると断言できます。
昨今のBLや百合モノの隆盛も、それと同じ理屈が援用できるのでは無いでしょうか。バブル期にソバージュヘアを振り乱し男に媚を売った女性たちは、円満な男女の恋愛の退屈さに気付いてしまったのです。陰陽の揃ったアンドロギュヌスは最早恋愛の理想形たりえないとなれば、陽と陽の禁断の異形の愛に魅せられたとて何が責められるでしょうか。成熟し自我を手に入れた彼女らは狂気の美しさを理解するに至ったのです。男性の占有物だった衆道が小説などとして女性の愛でるものとなったことを喜ぶべきでしょう。
バブル期に完成した恋愛至上主義の敗北は既に明らかです。次の時代を支配するのはBLやS文学となるのでしょうか。日本の少子化問題の解決の日はまだまだ遠そうです。
今日の一行知識
ショタコンの語源は『太陽の使者 鉄人28号』に登場する正太郎少年
よく間違えられてますが、横山光輝描くあの団子鼻の正太郎君ではありません。1980年に放送されたこちら*5が時期的にも適切なようです。
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*1:処女?
*2:
*3:『トップをねらえ!』「果てしなき、流れの果てに」
*4: 世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)