脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『恐竜絶滅~ほ乳類の戦い』

痛いニュース(ノ∀`) : 画材費1100万円を貰い真っ白なキャンバスを納品 タイトルは「金の持ち逃げ」 - ライブドアブログ
これぞ実に前衛芸術。個人的に「4分33秒」とかの人を食ったような作品は大好きです。


 最近やたら人気の観光スポットになりつつある浅草ロック座の「まつろわぬもの」を観劇。基本的にエロ方面の感想記事は自粛してたんですが、今回は構成に語りどころが多かったので感想以下箇条書き。なお流石に下方面の感想は自粛しますのであしからず。

  • 全体の構成として、「まつろわぬもの」のテーマ直撃の題材*1をエース級に、能の演目*2を実力派に、色物*3を若手にってバランスよく配置してあって気付いた時にはたと膝を打ちました
  • 第1景「土蜘蛛」:これは一目でモチーフ分かった。個人的に浅草ロック座の神髄は群舞にありと思っているので最高でした
  • 第2景「浅茅が宿」:これは中休みで解題されるまで全くモチーフ分かんなかった
  • 第3景「虫めづる姫君」:虫が出て来た時点でモチーフに察しはついたんですが、「どこがまつろわぬもの???」と首をひねってしまいました。解題で冒頭の構成の意図が分かってからはなるほどなあと。BGMに「姫君Shake!」使って「姫君」連呼するセンスも好き
  • 第4景「平将門」:これも解題されるまで分かんなかった。とりあえず、衣装チェンジで平安期の和装から大正期の軍服にチェンジするのは悪ふざけが過ぎる気が・・・。いいぞもっとやれ。
  • 第5景「好色五人女」:ここからは解題された後で見ているので、モチーフ探しに頭使わなくて済みました。とりあえず好色五人女モチーフで「学園アイドル五人組」って思いつくセンスに脱帽
  • 第6景「鉄輪」:能への造詣はほとんど皆無なので省略
  • 第7景「蝦夷」:主役の真白希実の衣装が完全にアシㇼパさん。そのバンダナと「反逆者」ってイメージからの連想でしょうがバックダンサーさんたちが完全にカリブの海賊カットラスを振り上げるなwwwと。
  • フィナーレ「火の鳥」:「まつろわぬもの」テーマのフィナーレに「火の鳥」を持ってくるセンスたるや!
  • 以上、以上構成作家さんとじっくり語り合いたくなる最高の構成でした。これだけの才能が参加してるならストリップの未来は明るい!はず。

そっとかぜがはこんでくるドキドキのそのいきさき

哺乳類
 脊椎動物亜門の一綱。
 体表は毛で覆われ、皮膚には独特の毛、皮脂腺、汗腺がある。乳腺は汗腺の変形とされ、多くの場合乳頭がある。下顎骨は歯骨だけからなり、頭蓋の鱗状骨と直接関節する。二次口蓋が発達し、後頭骨は1対、胸帯の烏口骨は著しく小型化し、多くは肩甲骨と融合して烏口突起となる。歯は二生歯性で、その外形は四つの歯種に分化し、さらに各歯種は、食性に応じて、特徴的に分化している(異歯性)。爬虫類段階の方形骨と関節骨は第二・第三の耳小骨となり、角骨は中耳を覆う耳胞の一部になる。外耳には一般に外耳道と耳介が、内耳には蝸牛が発達。心臓は2心房2心室で、心室の隔壁は完全であり、赤血球は円盤状*4で胎児期を除き核がなく、大動脈弓は体の左側だけに存在、体腔は横隔膜により胸腔と腹腔に分かれる。肺呼吸を行う。恒温性。喉頭に発達した声帯を振動させて音声を発する。成体の排出器は後腎で、卵生のものでは胚期には尿酸を、その他は尿素を排出する。膀胱は一般に尿管と直接連なり、したがって、現生種では卵生であるカモノハシ類(単孔類)を除き、泌尿生殖孔は肛門とは独立して存在し総排泄孔はない。雄には陰茎があり、精巣は多くは陰嚢内に下降する。一部の卵生種では、多黄卵で盤割するが、胎生種では、少黄卵で等全割する。幼体は雌の乳腺から分泌される母乳によって哺育される。陸上を中心に一部は空中・地中・水中に分布を拡げ、多様な生態的地位を占めている。子を哺育することに基づいて家族関係が発達し、これが各種社会の重要な基盤となっている。三畳紀後期の化石種が最古のものとされ、新生代に入って爆発的に適応放散し、現在もなお繁栄を続けている。単弓類(爬虫類)中のいわゆる哺乳類様爬虫類から進化したもので、これらと哺乳類とは分割が困難であるため、両者を合わせて獣型類を立てる意見もある。しかし、最近では哺乳綱を原獣類*5、異獣類*6、および獣類の3亜綱に分けるか、もしくは4亜綱(アウストラロトリボスフェニック亜綱、異獣亜綱、枝獣亜綱、ボレオトリボスフェニック亜綱)に分けることもある。獣亜綱には三丘歯類*7、後獣類*8、正獣類(真獣類)*9の3下綱が含まれる。現生約4300種。(『岩波生物学辞典』より引用)


 政治さえ絡まなければ基本良質な映像作品を提供してくれることで有名なNHK。今回のテーマは哺乳類の歴史という訳で政治の入り込む余地はないので良作確定です。内容はポスト恐竜のニッチ争いを我らが哺乳類はいかにして勝ち抜いてきたのか。胎盤の獲得による繁殖革命と、後発ゆえに環境に対する特殊化がなされてなかったの2点をその勝利の鍵として描いておりなかなか膝を叩かせてもらえるだけの出来栄えでした。ただ、タイトルに表紙に構成までキャッチーな恐竜の魅力におんぶにだっこで、何というかパッケージ詐欺の臭いがぷんぷんと。文中でディレクターさんが嘆いてましたが哺乳類じゃあ「画」を作りづらいんでしょうね。結構硬派な学術的な内容をテレビ屋さんが無理矢理「製品」に組み上げる苦闘を感じるというトンデモ本的な楽しみ方もできますので、お好きな方は是非どうぞ。あ、勿論古生物学の入門にも使えると思います。

まだまだしりたいまるいセカイのはしっこまで

 学者も「食い扶持くらい自分で稼げ」の世知辛い世の中になってきましたが、エンタメや実用と学問とは本来両立するのは至難の業だよなあと。このままでは、学問は貴族の道楽だった中世以前に退行しそうで不安でなりません。金にならない基礎研究に従事する学徒を国費で支えられるような体制に早くなってもらいたいものです。その為にも、学術会議とかいう学術団体の皮をかぶった政治団体は早く駆逐しないといけないのではないでしょうか。


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*1:土蜘蛛・平将門蝦夷。西から東へ、古代から現代へと綺麗に並んでるのも見事

*2:浅茅が宿・鉄輪

*3:虫めづる姫君好色五人女

*4:ラクダのみ楕円状

*5:三畳紀~。現生では単孔類

*6:ジュラ紀~漸新世。多咬頭歯を持つ

*7:ジュラ紀白亜紀。3個の主咬頭をもつ歯をそなえるもの

*8:白亜紀以後。カンガルーなどの有袋類南北アメリカとオーストラリアに現存

*9:前期白亜紀末期以後、胎盤をもち、大脳の発達が著しい