脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『超新星紀元』

ジャニーズ事務所、相次ぐ企業の裏切りに 「1年間、広告・番組出演ギャラは事務所側は1円も受け取らない。だから企業は安心して起用継続して!!!!」 | やらおん!
今までずっとクソみたいな殿様商売やってきた報いです。盛者必衰の理に殉じましょう。


 女子プロにも色々あるのね。という訳で、仕事帰りに新木場でやってたマーベラスの興行を観戦。以下感想箇条書き。

  • 初めて行った新木場1stリングはこじんまりとした会場で選手の汗や匂いも感じれるほど。かぶりつき席の魅力に取りつかれそうです。
  • 噂には聞いてましたが、凄まじい貫禄の女傑になってた長与千種の姿に感動。一線をひいて後進に現場を任せて裏方稼業に専念しながらも、その華やかさでファンを呼び込むってのは、女性アスリートや水商売のセカンドキャリアとしては理想形だよなぁ
  • 客層がクラッシュギャルズの頃からの年季の入ったお姉さま方多めで華やか
  • ベイビーフェイスとヒールが分かりやすく序盤は一方的にヒール優位な展開が多い辺りに長与代表の思想を感じ取れて一人納得
  • 女子プロ全体に言える事なんですが、コミカルムーブや茶番劇がかなり多くて個人的趣味としてはちょっとなんだかなあ
  • 彩羽匠選手のラストのマイクアピールで、挑戦してきた桃野美桜選手に「このベルトは外国で防衛したばかりだから英語で緒戦宣言しろ」→しどろもどろの美桜選手を押しのけてサンドラ=ムーン選手がネイティブの英語でまくし立てる→勢いに押されて匠選手が挑戦受諾→美桜選手に「なんか、ごめん・・・」の流れは実に美しかった。

現実を逃避する間もなくて日々は最大の価値を失くした

 未来は子供たちのもの!超新星爆発による放射線障害で、近い将来13歳以上の大人が死に絶えることが決定してしまった地球。大人たちのいなくなった子供たちだけの世界はどんな未来を選び取るのか。


 我らが劉慈欣の新作、といいつつ日本初訳なだけで『三体』以前に書かれた著者初の長編作品。その前情報を知って読むと、流石に若書き感は拭えず、後の大作の馬鹿みたいな完成度に比べると大分粗め。特に、「放射線障害はそんな便利に時限的に発症するか」とか「13歳未満って限定された時点で精神知能体力どれをとっても明らかに女児の方が優れてるんだから、能力で選抜すると絶対に女性優位になるはず」とか、「大人の残り人口を示す世界時計とかパニック起こさせる気満々にしか見えない」とか、「量子コンピューターが実現して、自律的な問題解決能力を獲得してるなら社会運営はAIに任せる以外の選択肢しかないだろ」とか、細かい設定の粗に一々引っかかって中々物語に没入できませんでした。ただ中盤以降展開が現実から遊離していい意味で地に足が付かなくなってくると、そこからはいつもの大劉節で一気にのめり込めます。中盤の凄惨極まりない南極大陸での大戦争とか、クライマックスの大オチとかはもう膝を叩くことしかできません。順序が逆になっちゃったのだけがちょっと残念ではありますが、その面白さは保証済み。是非是非この素晴らしい物語をご堪能下さい。

どうやって生きてきたってどうやっても変えれぬ現実があって

 「選抜されたごく一部のエリートに無条件で全権渡して国家運営させる」「私有財産に対する興味が薄弱」「中央の指導がないとまともに各地方の自治が機能しない」など、実に中国らしい設定の数々。「その国民性を理解したければその国の小説を読むべき」ってのは今の世でも変わらず通用しそうですね。これは今後ビジネスツールとして中華SFが珍重される時代が来る!といいなあ。


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