脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『テスカトリポカ』

痛いニュース(ノ∀`) : 東京の感染拡大「制御不能な状況」 東京都のモニタリング会議 - ライブドアブログ
3月の無定見な宣言延長がホント致命傷でしたね。あそこで小池とかマスコミとかのノイジイマイノリティの戯言無視できてたらきっともうちょっとみんな宣言に従おうかって気にもなったんでしょうけどね。


 盆の長雨。これがコロナ感染拡大抑止への恵みの雨になってくれるのでしょうか。

白くきらめく稲妻みたいな情熱だけ

 メキシカンマフィアの幹部として君臨しつつも抗争に敗れ逃亡した「われらは彼の奴隷」の信奉者バルミロ=カサソラ、そしてコカインで身を持ち崩した元天才心臓血管外科医末永充嗣。二人の野心と才能が合わさったとき川崎に悪夢が現出する。彼らの作り出した新たな秩序は何を生み出すのか。


 ちょっと前からSFマガジンでも絶賛されてた作品を直木賞受賞を期に読んでみました。感想はもうただ一語、圧倒的で暴力的な至高のエンターテインメント。特に中盤の川崎で新たな組織とシステムが着々と築き上げられていく様は一種のベンチャー小説としても一級品。ゆっくりとしかし順調に物事が形を成していく様ってのはどうしてこうも人を感動させるのでしょうか。もちろんこの作品の売りである凄惨な暴力描写は他の追随を許さない完成度で麻薬的な快楽を感じさせられます。それと合わせて、主要登場人物がほぼ全員超絶有能な人間のクズっていう配役は確かに少し読む人を選ぶかも。具体的に言うと『闇金ウシジマくん』が楽しめるかどうかが判断材料になるんではないでしょうか。あとそこが文学性のキモなんでしょうが、アステカ神話パートが難解かつ冗長で正直蛇足気味。本を読み慣れてない人は問答無用で読み飛ばし推奨です。最後のオチも暴力賛美犯罪賛美の誹謗を避けるために無理矢理バッドエンドに持ち込んだ感が強くて個人的にはちょっとそこが残念。そこはクライムノベルとして突き抜けてもらいたかったなあと。以上正直合わない人には生理的に無理でしょうが、好きな人なら普段本を読まない人でもはまれそうなポテンシャルを感じました。今度得意先にも進めてみよっと。

目を見ろ何が見えた炎が見えたか君を愛する炎が見えたか

  「こんな描写を文学として許してよいのか」「文学とは人に希望と喜びを与えるものではないのか」直木賞選考委員の林真理子氏の講評の一部ですが、正直な感想としては、「こんな程度の考えしか持てない人間に文学作品の選考をやらすな」としか。昨今猛威を振るうポリティカリィコレクトネスの美名による文学作品の検閲はこういう人が嬉々としてやってるんだろうなあと。


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帰ってきた今日の一行知識

コルテスは当初アステカ文明からケツアルカトルの化身だと思われていた

「ケツアルカトルが白い顔の人間として復活する」と予言されてた年に偶然来訪しちゃったせいで勘違いされたみたいですね。運命のいたずらってのは本当に残酷です