脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

牛鍋と新選組血風録と濱口首相暗殺について

痛いニュース(ノ∀`) : 中国、第3次世界大戦の計画をしていた 6年前からコロナウイルスなど生物兵器を準備―米国調査機関 - ライブドアブログ
うん、知ってた。しかし本気できな臭くなってきましたね。そらバイデンも親中路線放棄するわ。


 カット野菜って足が速いのね。夏日とは言え未開封が1日で腐るとは知らなんだ。


ウマ娘進捗

歌は世につれ世は歌につれ時は幕末京の町

福沢諭吉+好物

福沢諭吉
 天保五(1834)~明治三十四(1901)年。幕末・明治期の啓蒙思想家、教育者、ジャーナリスト。大坂の豊前中津藩蔵屋敷に生まれる。百助*1の子。
 1836父の死により一家は中津に帰る。同地の白石照山*2の家塾で漢学を、次いで'54長崎に行き蘭学を学ぶ。'55大坂の緒方洪庵*3適塾に入門して蘭学の勉強を続け、のち塾長になる。'58藩命で江戸中屋敷蘭学塾を開く。'59横浜で蘭語の役立たないことを痛感して英学に転ずる。'60咸臨丸により渡米。帰国後幕府の外国方に雇われ外交文書の翻訳に従事する。'62幕府の外交使節随行して渡欧。仏・英・蘭・普・露・葡の諸国を回る。のち幕府の外国奉行翻訳方に出仕。'66『西洋事情』初編を刊行。'67幕府の軍艦受取りの一行に加わり渡米。'68塾を芝新銭座に移し慶応義塾と名づける。以後、義塾を本拠地に、教育と著作を中心とした多彩な啓蒙活動を展開。'71塾を三田に移す。'72『学問のすゝめ』初編を刊行。偽版も含めて二〇万部以上という驚異的な売行きを見た。'73明六社に参加。'75バックル*4やギゾー*5らに学ぶ『文明論之概略』を刊行。'79東京学士会院初代会長に就任。'80交詢社を設立。'82『時事新報』を創刊。以後同紙に「脱亜論」等重要な論説を発表する。晩年の著に『福翁百話』('97)、『福翁自伝』('99)など。(『新潮日本人名辞典』より引用)

好物
 すきな飲食物・また(趣味などで)すきな物や事柄。(『広辞苑 第五版』より引用)

 味の素の「偉人の食卓」で「『福翁自伝』にあるように、牛肉、とりわけ牛鍋が大の好物で」とあったので横着せずに原本にあたってみんべと呼んでみたところ、『福翁自伝』で牛鍋が出てきたのは1か所p63*6「緒方の塾風」の「まず度々行くのは鶏肉屋、それよりモット便利なのは牛肉屋だ、そのとき大阪中で牛鍋を食わせるところはただ二軒ある。(中略)どこから取り寄せた肉だか、殺した牛やら病死した牛やらそんなことには頓着なし、(中略)牛は随分硬くて臭かった」。どこを読解すればここから福沢諭吉の好物は牛鍋という結論が出るのでしょうか。読解力の低下は今の子供の専売特許ではなかったようで。

福翁自伝 (講談社学術文庫)

福翁自伝 (講談社学術文庫)

新選組血風録

新選組血風録 新装版 角川文庫 し 3-1 Y819
平成十五(2003)年十一月二十五日初版発行
著:司馬遼太郎*7、発行者:田口惠司*8、発行所:株式会社角川書店、印刷所:暁印刷、製本所:コオトブックライン、装幀者:杉浦康平*9
目次


 みんな大好き司馬遼太郎の『燃えよ剣』の外伝的短篇集。基本キャラそのままで本筋から離れた小エピソード集となっています。個人的には本編よりこっちの方が好きかも。特に最初は計算ずくの怜悧な冷血漢として登場した土方が、ウザがられながらも「兄」近藤のしりぬぐいと「弟」沖田へのおせっかいに奔走する苦労人に変貌していく姿は実に見ていてほほえましいものが。個人的に好きなの短篇は「四斤山砲」です。外部の高学歴にあっさり仕事を奪われ、転職せざるを得なくなった叩きあげの現場職人の復仇譚として完璧な寓話になってるのではないでしょうか。

新選組血風録 新装版 (角川文庫)

新選組血風録 新装版 (角川文庫)

濱口首相狙撃

浜口雄幸
 明治三(1870)~昭和六(1931)年。大正・昭和期の政治家。土佐生れ。旧姓:水口。帝大卒。
 大蔵省に入り、逓信次官を経て、1914大蔵次官。'15衆議院議員(当選六回)。憲政会に所属。第一次・第二次加藤高明内閣蔵相、第一次若槻内閣蔵相・内相を歴し、'27立憲民政党結成と共に初代総裁。'29.7田中義一*15の後をうけて首相に就任する。'29.10アメリカのウォール街に発する世界経済恐慌の波及と、'30-'31恐慌のなかで金解禁を断行('30.1.11)。その直後の総選挙の民政党の大勝を導いた。外相幣原喜重郎*16と共にいわゆる幣原外交を推進、'30.4ロンドン海軍軍縮条約に調印。この条約を統帥権干犯として反対する陸海軍人の攻撃を受ける。'30.11.14東京駅で佐郷屋留雄*17に狙撃され、'31内閣総辞職。(『新潮日本人名辞典』より引用)

狙撃
ねらいうつこと。(『広辞苑 第五版』より引用)


 海外において要人の暗殺といえば長距離からの狙撃が一般的ですが、我らが日本においては出合い頭の襲撃が主。正直どんだけ警備体制ザルなんだと。という訳で浜口首相遭難事件も東京駅のホーム上の群衆に紛れた犯人による至近距離からの銃撃を腹部に受けたのが致命傷になっています。とは言えこのテロで胸糞悪いのは後日談。まず、犯人の佐郷屋留雄は「統帥権干犯許すまじ」が犯行の理由とのことでしたが、統帥権とは何ぞやの問答に一切答えられない有様。ここら辺は現代のマスコミによる煽動と状況あんまり変わりませんね。ついでに、国家元首暗殺という国家転覆罪扱いされてもおかしくないのを、一度は状態が回復したのを理由に殺人未遂罪扱いにされかけた挙句、恩赦で無期懲役減刑。陸軍が政権を握った1940年には仮釈放とやりたい放題。とどめに、前述の通り一度は回復した浜口首相も野党の執拗な答弁要求に無理を押して登院して、それが元で体調再増悪により死去ともう何たるちあ。マスコミ陸軍野党の奇跡のトリニティが生み出す悪夢としか言いようがない事件です。

男子の本懐(新潮文庫)

男子の本懐(新潮文庫)

数多の血煙くぐり抜け都を守る少女たち

 福沢諭吉の事績や濱口首相狙撃の真相など知られるべきことが知られず、新選組血風録などで正直かなり些末な出来事ばかりが人口に膾炙する。なかなかなんとも歴史を語り継ぐのは難しいものがありますね。まあ自分も新選組とか大好物なんで他人の事は一切言えませんけど。


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帰ってきた今日の一行知識

浜口首相を殺したのは鳩山一郎

上述の無体な追及の陣頭指揮を執ったのがこの人。滝川事件とかこれとか戦前は悪行三昧で流石ルーピーの祖父というべき貫禄です。

*1:中津藩士。藩の借財を管理する職にあり、儒教にも通じた学者だったが、門閥制度の壁厚く、下級藩士のまま終わった。

*2:牧。進脩館教授。父久保田武右衛門。亀井昭陽・古賀侗庵に師事し、中津藩の督学として活躍するも御固番事件で追放。臼杵藩儒者として厚遇され、のち中津藩に戻り、福沢諭吉らの後進を育てた。

*3:足守藩士。父佐伯瀬左衛門。江戸長崎にて蘭学医学を学び、大坂にて適塾を開き、後身を育てた。主な弟子に福沢諭吉大村益次郎橋本左内ら。

*4:Henry Thomas Buckle。父トマス・ヘンリー・バックル。代表作:『History of Civilization』他。

*5:François Pierre Guillaume Guizot。フランス共和国第22代首相。穏健派自由主義者として復古王政の護持に尽力し累進。首相に就任するも1848年革命で失脚亡命。代表作:『チャールズ1世からチャールズ2世にかけてのイギリス革命史』、『フランス文明史』、『ヨーロッパ文明史』他。

*6:岩波文庫

*7:定一。父福田是栄、母直枝。代表作:『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』、『翔ぶが如く』他。

*8:角川マガジンズ初代代表取締役

*9:神戸芸術工科大学アジアンデザイン研究所所長。代表作:『日本産魚類脳図譜』、『伝真言両界曼荼羅』、『日夏耿之介全集』他。

*10:光幹。新撰組頭取。本名:木村継次。水戸藩で尊攘過激派として活躍。清川八郎の募集に応じて浪士組に参加。清川と袂を分かってからは近藤勇とともに京都に残留し新撰組を結成するも、その粗暴さを松平容保らに憎まれ、近藤一派の手により暗殺。

*11:加納。新選組小頭格。島原通いにはまり辻強盗を図るなどしたため粛清。

*12:房良。新選組一番隊組長。父勝次郎。旧名:春政。試衛館の内弟子としてその剣才を発揮し、近藤勇らと共に浪士組の結成に参画。新選組発足後は一番隊組長として池田屋事件などで活躍するも労咳により夭折。

*13:富山豊国。新選組伍長。新選組隊士として活躍したのち御陵衛士に参加。油小路事件後は薩摩藩に属し活動するも、会津藩への諜報活動中に捕らわれ刑死。

*14:勲三等瑞宝章。父小波。代表作:『波の跫音 巖谷小波伝』、『懐かしき文士たち』、『東京文壇事始』(評伝)他。

*15:第26代内閣総理大臣。男爵。父信祐、母みよ。日露戦争前の諜報活動で頭角を顕し、陸軍内で累進し、2個師団増設問題やシベリヤ出兵などを主導した。引退後は軍部との接近を図る立憲政友会に総裁として招かれ首相就任。山東出兵など大陸積極政策を推進するも張作霖爆殺事件で天皇の不興を買い失脚憤死。

*16:第44代内閣総理大臣。男爵。従一位勲一等。父新治郎。親英米派外交官として頭角を顕し、「幣原外交」を展開するも満州事変の事態収集に失敗し引退。戦後人材不足から首相に担ぎ出されるも、憲法制定に当ってGHQと対立し辞任。

*17:嘉昭。全日本愛国者団体会議初代議長。統帥権干犯問題に義憤を滾らせ、浜口首相を狙撃し逮捕。出獄後は右翼団体の巨頭として活躍。