脱積読宣言

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『新選組遺聞』

痛いニュース(ノ∀`) : 【話題】チコちゃんの「なんで?」は最悪の愚問である…「5歳児の罵倒芸」に文化人類学者が本気で怒りを抱いたワケ - ライブドアブログ
おっしゃることはごもっともなんですが、TV見る層はそもそも力強く断言されないと知的興奮に繋がらないみたいなんですよね。だからこそ池上彰なんかのなんちゃって専門家たちが人気しちゃってるわけですし。


 大手コンサルが持ち込んだ実現性皆無の机上の空論の増収案を崩すための立論と資料作りで1週間が終わった。マジでコンサルは日本経済の発展阻害要因だと思う。
 

今より誰より輝いて射止めてやる

新選組始末記
 子母澤寛*1の小説。新選組を題材にした作品で、関係者への取材などを取りまとめられていることから、新選組に関する代表的な資料とも捉えられており、その後の幕末を題材にした創作作品に影響を与えた。
 彰義隊隊士で箱館戦争にも従軍した祖父*2を持つ子母澤は、読売新聞記者時代に社会面の続き物の記事で近藤勇*3を取り上げることになり、いろいろ調べているうちに、実像の近藤勇に興味を持ち、研究を始めたという。1923頃から幕末史の権威・尾佐竹猛*4、井野辺茂雄*5、藤井甚太郎*6らを訪ねて、新選組について根掘り葉掘り訊き出すようになり、昭和に入ってからはしきりに京都通いして取材した。'26東京日日新聞(現毎日新聞)社に移り、'28『新選組始末記』を万里閣書房から処女出版した。その後、'29『新選組遺聞』、'31『新選組物語』をそれぞれ発表、それらを含めて'69角川文庫から『新選組始末記』が出版された。つまり、角川文庫版『新選組始末記』にはオリジナルの『新選組始末記』の他に『新選組遺聞』『新選組物語』が含まれ、著者自身によって幾分改訂されている。これらは、中公文庫では「新選組三部作」として3冊別に出版されている。
 本作は、娯楽的な時代小説というよりも、随筆・記録・史談ともつかないものであり、また子母澤自ら取材して集めた幕末の一級資料と捉えられている。ただし、子母澤が自ら後書きで「生き残りの老人のはなしは、疑わしいものもあったが、私は『歴史』というのではなく現実的な話そのもののおもしろさをなるべく聞きもらすまいと心がけた」と述べているように、学術的な意味での史実とは言い難い。また、司馬遼太郎*7は'67最晩年の子母澤と対談し、その対談「幕末よもやま」によれば、司馬は20歳くらいの時に『新選組始末記』を読んで、どうしてもこれは超えられないと思い、子母澤に会いに行って教えを請うたという。子母澤が独自に取材した話としては、新選組の屯所として使われた八木家の息子・為三郎*8から話を聞いた「八木為三郎老人壬生ばなし」、新選組隊士の最後の生き残りだった「稗田利八翁思出話」、などがある。(wikipediaより修整引用)


 子母澤寛新撰組三部作を・・・って意気込んでたら『新選組始末記』は昔blogにも挙げてたのに読み終わってから気付いたので、『新選組遺聞』から。どおりでなんか既視感ある訳だ。
 遺聞では原田左之助とか高台寺党とかの傍流の人達が取り上げられてて結構新鮮なんですが、中でも白眉は壬生屯所の所有者の息子の八木為三郎や近藤勇の婿養子の近藤勇五郎などの遺老達からの聞き書き。当事者でしか知りえないエピソード群は実に魅力的。超然とした化物の印象のあった壬生狼たちの実に人間臭い面を堪能できます。なんにせよ新選組の物語の一次創作といっても過言ではない一冊ですので、新選組を愛でる方や創作の種にしようと思っている方は是非ご一読を。

パチパチッと火花飛ばしてみるか

 あれだけ地味だ地味だと言われていた鎌倉初期が『鎌倉殿の13人』で一気に盛り上がり様々なエピソードが発掘されたり創作されたりして活況を呈しつつある昨今。やはり歴史を学ぶには絶対に「物語」が必要なんだなと改めて。我々もそろそろ人生の後半戦に入り、「語り継ぐ」準備をしなければいけない年齢になってまいりました。後世の人に面白おかしく楽しんでもらえる素材にこのblogがなれればいいなあ。


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*1:梅谷松太郎。代表作:『父子鷹』・『勝海舟』・『座頭市物語』(小説)他。

*2:梅谷十次郎。角鉄主宰。御家人だったが彰義隊に参加し箱館戦争で捕虜となり、釈放後土着。石狩で網元となり村の顔役として活躍した。

*3:昌宜。新撰組局長。父宮川久次郎、母みよ、養父近藤周斎。変名:大久保大和。天然理心流四代目宗家として武名を挙げ、浪士組に参加し上京。勤皇路線への転向に反発し、芹沢鴨らと共に独立し新撰組を創設。芹沢鴨一派粛清後は、池田屋事件禁門の変で活躍し、幕臣として累進。鳥羽伏見の戦い敗戦後、甲陽鎮撫隊に改組するも甲州勝沼の戦いに敗れ隊は崩壊。流山で再起を図っているところを逮捕処刑。

*4:大審院判事。明治法律学校卒業後第1回判事試験に合格し、要職を歴任。大審院判事まで累進した。憲政史や刑罰史など法制史の研究にも熱心で明治文化研究会の設立にも参画した。

*5:国史大辞典』・『大日本史料』(編集)、『維新前史の研究』(著作)他。

*6:日本近代史学会初代会長。代表作:『明治維新史講話』、『日本憲法制定史』他。

*7:福田定一。父是定、母直枝。代表作:『竜馬がゆく』・『坂の上の雲』・『翔ぶが如く』(小説)他。

*8:父八木源之丞。