脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『ジャンヌ・ダルク~超異端の聖女』

【朗報】松本人志のM-1の点数、完全に順位と一致 :哲学ニュースnwk
腐っても鯛、と。


 ベリー・メリー・クリスマス。とりあえず近所のスーパーで見かけた「20%OFF」シールの張られたチキンやパーティーオードブルの山に景気後退を実感しました。


DQⅪS進捗

ジャンヌ・ダルク (講談社現代新書)

ジャンヌ・ダルク (講談社現代新書)

咲き乱れる汚れた治安略奪にただ犯された

ジャンヌ・ダルク St. Jeanne d'Arc
 西暦1412頃~31年。フランスの伝説的愛国者、殉教者。通称:オルレアンの乙女(la Pucelle d'Orléans)。ドンレミ生まれ。祝祭日は5月30日。百年戦争のおりに、フランスにおけるイングランドの優勢を終わらせたといわれている。
 農民の家に生まれ、13歳のとき、大天使ミカエル*1、聖カタリナ*2、聖マルガレータ*3がフランスをイングランドの支配から救うよう自分に命じるのを聞く。王太子*4のもとへ連れて行かれ、ついにはオルレアン解放のための軍隊を任される。白い甲冑に身をつつみ、自らの旗を翻し、オルレアンに入った(1429)。イングランド軍を退却させ、王太子をランスで戴冠させてシャルル7世とする。次いでコンピエーニュを解放するするために出発するが、ジャン・ド・リュクサンブール*5に捕らえられ、イングランド軍に引き渡された。異端および魔術を用いた疑いで裁判にかけられ('31)、イングランド人からなる法廷で有罪を宣告され、火刑に処せられる。1920列聖された。しかし近年の史料研究はこうした伝説に異議を唱え、ジャンヌ・ダルクは、フランス王妃イザボー*6と国王*7の弟オルレアン公爵ルイ*8との間の庶子ジャンヌ(Jehanne)と混同されてきたとする。(『岩波-ケンブリッジ世界人名辞典』より引用)


 みんな大好きジャンヌ・ダルクがテーマの講談社現代新書。時代背景や先行者を紹介する前半パートは果てしなく退屈で正直「ハズレ」の印象で途中で投げ出しかけましたが、主人公のジャンヌが登場してからは尻上がりに面白くなっていき、久々に頑張って読了した甲斐があったと思わせてくれる一冊でした。「正統」の境界権力に対置される、民間信仰などの「超異端」から誕生した異形の聖女が時代をかき回しリードしていくも先を走りすぎたせいでついていけなくなった世俗権力に見放され魔女として最期を迎えるってストーリーは実に魅力的。個人的に印象に残ったのはジャンヌ・ダルクというアイコンにおける男装の重要性。性を超越することにより天使に擬されるような神聖性を獲得することができたってのは目から鱗でした。今後はうっかりジャンヌたんはぁはぁってできませんね。聞こえてるかFGO、お前のことだ。
 以上今回の教訓、3話切りは良くない。

血に染まるこの国は神に見放された?

 個人的見解ですが、LGBTの方々は異形たるが故に賤にして聖の究極の道化の地位を確保できるのだと思っています。だからこそ今般のLGBTを悪い意味でノンケと同じステージに置こうという動きにはどうも賛成できません。異形っていう唯一無二の武器を捨てるのは弱肉強食の生存競争上では自殺行為だと思うけどなあ。

Z-HARD

Z-HARD


救世主 メシア

帰ってきた今日の一行知識

ジャンヌ・ダルクは現代カトリックで一番人気のある聖人

まあそらそうなるか。その崇拝者獲得に日本のサブカルチャー群はどれだけ貢献してるんでしょうか。とりあえずガチ目で怒られる前にもうちょっとだけ自重した方がいいと思うの

*1:מִיכָאֵל。四大天使の一人として天使の軍団を率い、ユダヤ人およびカトリック教徒を守護する。

*2:ἡ Ἁγία Αἰκατερίνη ἡ Μεγαλομάρτυς。父コンストゥス。ローマ皇帝マクセンティウスにキリスト教迫害をやめさせようと訪問し、皇后らをを改宗させるのに成功するも、皇帝の求婚を断ったため処刑。後世列聖され、車輪職人の守護聖人となった。

*3:Sancta Margarita Antiochena。父アエデシウス。キリスト教信仰の放棄を条件に求婚されたのを断った為拷問を受けるも様々な奇跡に助けられ生還。後世列聖され、妊婦・出産の守護聖人となった。

*4:Charles VII。ヴァロワ朝フランス5代国王。父シャルル6世、母イザボー・ド・バヴィエール。百年戦争の只中父シャルル6世の急死によりアルマニャック派により擁立され即位するも、イングランドおよびブルゴーニュ派の攻勢に押され滅亡寸前まで追い込まれるも、ジャンヌダルクの活躍などによりイングランドを大陸から駆逐、勝利王の二つ名を得るに至った。

*5:Jean II de Luxembourg。リニー伯。父ブリエンヌ伯ジャン、母マルグリット・ダンギャン。ブルゴーニュ派の有力貴族としてコンピエーニュ包囲戦でジャンヌダルクを捕縛するなどの功を挙げるなど百年戦争で活躍。

*6:Isabeau de Bavière。シャルル6世妃。父シュテファン3世、母タデア=ヴィスコンティ。子にシャルル・ジャンヌ・イザベル・ブルターニュ公妃ジャンヌ・シャルル・マリー・ミシェル・ ルイ・ ジャン・カトリーヌ・シャルル7世・フィリップ。

*7:Charles VI。ヴァロワ長フランス第4代国王。父シャルル5世、母ジャンヌ・ド・ブルボン。父の死によりフランス国王となるも叔父らの摂政により実権はなかった。父の側近マルムゼの復権により親政を開始し親愛王の二つ名を得るも、間もなく精神病となり狂気王と呼ばれるようになり百年戦争の戦況を致命的に悪化させた。

*8:Louis Ire d'Orléans。父シャルル5世、母ジャンヌ・ド・ブルボン。兄の側近として政治に容喙する叔父らと角逐するも、義姉イザボーとの不倫により失脚。アルマニャック派の巨魁としてブルゴーニュ公フィリップ2世およびその子のジャン1世と対立するも、暗殺されブルゴーニュ派の台頭を招いた。