脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『フランス革命史』

日本のメダル37個に 最多のアテネ五輪に並ぶ : ネトウヨにゅーす。
「2位ではダメなんですか?」の蓮舫女史の悲願が遂に結実。という無意味な当てこすりはさておき、柔道・野球・ソフトの「国技」が壊滅した状態でこれは見事。日本のスポーツ文化の底上げは着実になされているようでなにより。


 腰っていうか、左の股関節が無性に痛い。整形行っても、「痩せろ」と「色々自重するように」のアドバイスだけで何の解決にもならず。一番怖かったヘルニアの疑いだけは排除できたようなのでそこは安心なんですが、本当は取り敢えずの対症療法が欲しかったんだけどなー。医者と警察は相談行っても当面の問題解決の役に立たないことの方が多いんで嫌いだ。


SRWZⅡ再世篇進捗

フランス革命史 (1968年) (教養選書)

フランス革命史 (1968年) (教養選書)

どんな剣よりするどいパリ中の歌が明るい太陽を呼びさます

フランス革命 Revolution francaise
 18世紀末にフランスで勃発し、王政廃止、封建的特権の撤廃から近代所有権の確立に至る政治的・経済的変革の総称。ブルジョワ革命の典型と見做されるが、ブルジョワジーの成長は遅く貴族の支配は強固であった。それ故、ブルジョワジーは単独では貴族を打倒することができず、都市民衆や農民の要求を容れて同盟しなければならなかった。フランス革命は民衆革命や農民革命の性格も併せ持つ複合的革命である。
 絶対王政の統合力の弱まり、啓蒙思想の影響などが背景にあるが、革命の直接原因は甚大な財政赤字であった。1789.5三部会で第三身分が国民議会を宣言。'89.7バスティーユ牢獄襲撃が起こり、議会は封建的特権の廃止宣言・人権宣言を決議した。1792八月十日事件で、テュイルリー宮殿が襲撃され、王政は廃止。'92.9国民公会は共和政を宣言し、'93.1国王*1を処刑。'93.6ジロンド派が追放されてモンターニュ派独裁が開始されたが、'94.7テルミドール9日で崩壊した。総裁政府はブルジョワ自由主義への復帰を目指すが、王党派と共和派の左右から攻撃に曝され、ナポレオン*2軍事独裁を容認する。統領政府は国外に軍事侵略を開始し、戦勝によって産業ブルジョワジーの為の市場を拡大。ナポレオンは、革命独裁とは異なる方法で農民とブルジョワジーの利益を調停した。しかし、帝政樹立により革命は終結した。(『角川世界史辞典』より引用)

 初版1968年で論文初出に至っては更にそこから20年前という超絶の骨董品。奥付見ずにフランス革命の概説書でも読もうと軽い気持ちで手にとったらなかなかの代物でした。「フランス革命はアンシャンレジームたる貴族・聖職者、新興のブルジョワジー、そして、本来主役たるべきであったプロレタリアートの三極構造を為す」という当時にしてはとても斬新であったであろう、今となっては手垢の付きまくった論理を主題に展開します。時代が時代だけに敗戦とそれに伴う新憲法発布という当時の日本国内情勢になぞらえて、「ブルジョアジーの勝利というフランス革命の二の轍を辿るな」という警句が頻出いたします。半世紀超前の論文なので表記や用語の扱いが現代とかなり相違しているので、結構詳しい人でも苦戦するんではないでしょうか。まあ、骨董品を賞玩するっていう態度で臨むのであれば、実に味わい深い一冊となっていますので、そっち方面の需要と興味のある方は是非どうぞ。ただ、ゆめ実用書として使おうなんてのだけはいたしませんように。

夜の暗さを切り裂くために銀の剣をふるうのだ

 「フランス革命明治維新も所詮ブルジョアジーの為の革命に過ぎない。今こそ労働者の労働者による労働者の為の真の革命を!」ってのは耳にタコのできるくらい聞かされたお題目ですが、資本家がその実力に物を言わせて革命の勝利を勝ち取ったのではなく、革命に勝利したからこそ今「貴族」たり得ているというのが本当のところではないでしょうか。「労働者」がまかり間違って革命の覇者になってしまったら、その瞬間から「労働者」こそが、次代排除されるべき「貴族」になってしまうというのは、北朝鮮カンボジアで証明されていると思うのですが。フィリップ=マーロウの金言「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」の通り、革命を謳う人はロベスピエールの如くアルラウネの養分になるまでが革命家のお仕事なのだということをきちんと胸に刻んでおきましょう。

帰って来た今日の一行知識

バスティーユ襲撃の際バスティーユ監獄に収監されていたのは僅か7人
しかも軽犯罪者と浮浪人ばかり。ついでにいうと、あのサド伯爵も数日前までは収監中だったとのこと。勢い込んで解放した市民の皆さん方は「鉄仮面」がいなかったことにさぞ落胆したことでしょう。現実は非情です。

*1:Louis XVI。ブルボン朝フランス第6代国王。父ルイ・フェルディナン・ド・フランス、母マリー・ジョゼフ・ド・サクス。テュルゴーやネッケルらの登用によりアンシャンレジームの矛盾解決を志向するも、アメリカ独立戦争や英仏通商条約、そして農業危機により財政破綻フランス革命を招いた。ヴァレンヌ事件により失脚退位し、八月十日事件により処刑。

*2:Napoleon Bonaparte。フランス第一帝政初代皇帝。父シャルル=マリ=ボナパルト、母マリア=レティツィア=ボナパルトブリュメール18日のクーデターにより政権を掌握。ハイチ革命などによる革命の動揺を掣肘する為皇帝即位。新憲法制定や行政司法改革により内政を充実させ、周辺諸国よりの介入を打破するためナポレオン戦争を開始、中部ヨーロッパを制覇するもモスクワ攻略失敗により形成は逆転、ライプチヒの戦いの敗北により失脚退位。ウィーン会議の停滞に乗じて復権するもワーテルローの戦いに敗れ配流客死。