脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

令和について

痛いニュース(ノ∀`) : 新元号は「令和」 - ライブドアブログ
無理に訓読すると「和せしめよ」ですか。平和を希求する意志を示したと考えるといい元号なのかなあ。


 祝新元号決定!悠仁親王の時と一緒で、被らない予想されないに重きを置いた撰字でしたが、慣れるまで地味にかかりそうだなあ。なんにせよ、TVの特集で取り上げられまくってて果てしなく今更な気もしますが、本日は令和の元号について微力ながら考察してみたいと思います。


競馬成績・・・H31収支-20630

  • 大阪杯・・・本命ブラストワンピース-600
  • ダービー卿チャレンジT・・・本命プリモシーン+160
  • コーラルS・・・本命スマートダンディー+50
  • 伏竜S・・・本命デアフルーグ+10

SRWT進捗

  • 第23話「毒と毒と毒」ゾンダーと交戦開始。トップエース:ドモン=カッシュ@ゴッドガンダム

三十年続いた時の呼び方が変わるだけで大騒ぎは何故なんだろう

出典

万葉集
 現存最古の歌集。万葉は万世の意で、万世に伝われという祝福を込めたものか。20巻。歌数は4500余り(国歌大観の番号では4516となるが、或本の歌の数え方などで説が分かれる)。成立に関しては確かな資料がないが、大伴家持*1が編纂に関ったと認められ、家持の関与は、最終的に現在のかたちにまとめることにあったと見られる。全体を整然と一貫した方針で構成するのでなく、巻1・2など、早くから歌集として作られてきたものを組込みながら、20巻として完成された。舒明天皇*2から聖武天皇*3までの代の歌を歴史的に構成した巻1-6を機軸とし、他の巻はそれぞれの特色を持ちながら、全体として歌により天皇の伝統的世界を描き出す。例えば巻14の東歌は東国まで歌が覆うことにより天皇の統括する世界の拡がりを示すものとして位置づけられている。歌は、8世紀半ばまでの時期の長歌・短歌を中心に旋頭歌などを含む。歌人では額田王*4柿本人麻呂*5高市黒人*6大伴旅人*7山上憶良*8・笠金村*9山部赤人*10高橋虫麻呂*11大伴家持田辺福麻呂*12大伴坂上郎女*13などが著名。(『岩波日本史辞典』より引用)


 *14万葉集』第五「梅花謌卅二首并序」より「初春月、気淑風」が典拠。地味に不便な検索の利便の為にいうと歌番号815番に附せられた序です。大伴旅人作と呼ばれるこの序は、蘭亭序をオマージュした雅文で、天平二(730)年1月13日*15に開かれた梅花の宴の様子を表してします。該当箇所の書き下しは「初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ」で現代語に超訳すると「正月という縁起のいい月で、暖かな風の吹き始めたとても気持ちのいい日に」って感じでしょうか。檄文調の漢籍典拠に比べると気が抜けるというか風雅というか。
 参考までに以下、該当の序文全文を転載。
天平二年正月十三日、萃于帥老之宅、申宴会也。于時、初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾蓋、夕岫結霧、鳥封縠而迷林。庭舞新蝶、空帰故鴈。於是蓋天坐地、促膝飛觴。忘言一室之裏、開衿煙霞之外。淡然自放。快然自足。若非翰苑、何以攄情。請紀落梅之篇。古今夫何異矣。宜賦園梅聊成短詠」*16

 漢音:レイ、呉音:リョウ
一、①命ずる。いいつける。法令などを発布する。
  ②みことのり。君主の命令。
  ③のり。おきて。法令。布告書。
  ④いましめ。おしえ。教訓。
  ⑤おさ。長官。
  ⑥よい。立派な。すぐれた。
  ⑦よくする。立派にする。
  ⑧他人の親族に対する敬称。
  ⑨文体の名。皇后・太子・諸侯などの命令文。
二、助字
  ①しめる。させる。漢文訓読では「令」のすぐ下の体言に「をして」と送りがなをつけ、用言から返って「しむ」と読む。
  ②もしたとい。仮定の意を表す。「仮令」「縦令」「設令」などのように連用して、「もし」「たとい」と読むことが多い。
国、年齢の齢の当て字。
(『大漢語林』より引用)


 今回のサプライズパート。私の知る限り日本はおろか中華圏の元号で使われたことはないはず。そもそも賀字じゃないですもんねえこれ。ちなみに頭文字が「R」な元号霊亀・暦仁・暦応以来4回目。個人的にはピンインから見ても「R」じゃなくて「L」な気がしなくもありませんが。今回使われてる意味としては「命令する」とか「させる」が該当するんでしょうかねえ。原義としては「人が跪いて神意を頂戴してるさま」とのこと。天皇陛下から「平和であれ」との勅命が下ったと考えるべきでしょうか。

 漢音:カ、呉音:ワ、唐音:オ、和訓:やわらぐ・やわらげる・なごむ・なごやか
一、①やわらぐ。また、やわらげる
   ア、やわらかである。やわらかになる
   イ、なごむ。おだやか。おだやかになる。
   ウ、仲よくなる。仲よくする。
  ②やわらぎ
  ③仲なおり。
  ④かなう。ととのう。また、かなえる。ととのえる。
  ⑤こたえる。応じる。
  ⑥あわす。まぜあわせる。あえる。
  ⑦二つ以上の数を合わせて得た数字
  ⑧と。…とともに。
  ⑨現、賭博用語。勝つ。上がりになること。
二、①こたえる。応じる。声や調子をあわせる。
  ②ととのう。また、ととのえる。調和する。
  ③あわす。まぜあわせる。あえる。
国、①やまと。日本。
  ②なぎ。会場の風波のおだやかな形容。
  ③にぎ。接頭語。くわしい・やわらかい・整ったの意味。
(『大漢語林』より引用)


 「令」の字があまりに元号っぽくないんで接尾字は一目で元号ってわかる奴にしたんですかね。和銅・承和・仁和・応和・安和・長和・康和・養和・貞和・文和・弘和・元和・天和・明和・享和・昭和に次ぐ18度目の登板で延べ134年間。使われた回数自体は永、天、元、治、応に次ぐ6番手ですが、使われた年数で見ると主に昭和のせいでトップとなっております。なお、今回の意味は明らかに「平和」ですが、個人的には聖徳太子の「和を以て貴しとなす」の理念の方を上げたいです。因みに原義は「口(=人)と口が出会う」。令和の時代にはどんな出会いが待ってるんでしょうか。

飛び込め歴史の渦へ

 ああ疲れた。やっつけとは言え、即日アップはちと無理があった。なんにせよ次の時代「令和」が幸福と希望に満ちた時代になりますように。

令和(アーティストフォト付)

令和(アーティストフォト付)


ゴールデンボンバー/令和 Full size

帰ってきた今日の一行知識

元号法はこの国で法文が一番短い法律

曰く、「第一条:元号は、政令で定める。第二条:元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める」のみ。シンプルイズベストとはこのことですかね

*1:中納言従三位。父旅人、母丹比郎女。安積皇子に供奉し、三十六歌仙の一人に数えられる程の歌才を以て累進。藤原仲麻呂暗殺計画・氷上川継の乱藤原種継暗殺事件に連座するなど反主流派の立場を貫いた。

*2:第34代天皇。諱は田村。父押坂彦人大兄皇子、母糠手姫皇女。蘇我蝦夷の傀儡として即位。在位中は遣唐使派遣や朝鮮諸国からの諸使来訪など活発な外交が行われた。

*3:第45代天皇。諱は首。父文武天皇、母藤原宮子。長屋王の変天然痘の大流行などにより、紫香楽・恭仁への遷都を断行するも頓挫。晩年は仏教に深く帰依し、東大寺の大仏を建立するなど保護に努めた。

*4:天武天皇妃。父鏡王。子に十市皇女。美貌を謳われ天智・天武との三角関係を結んだとも。

*5:父大庭。赤人とともに歌聖として称えられるもその事績は不詳。

*6:藤原京時代に活躍した宮廷歌人

*7:大納言。従二位。父安麻呂、母巨勢郎女。隼人の反乱鎮圧などに功あり累進。大宰帥時代に憶良と共に筑紫歌壇を形成した。

*8:筑前守。従五位下。父憶仁。遣唐使に同行し仏教・儒教の愛民思想に傾倒。帰国後地方官を歴任しながら多くの社会派の歌を詠んだ。代表作:「貧窮問答歌」。

*9:越前守。父笠垂。万葉集に数多くの秀句を残す。

*10:上総少目。外従六位下。父足島。人麻呂と共に歌聖と称されるも、官職は下級に留まり事跡は不詳。

*11:藤原宇合配下として活躍。地方歌などで著名。

*12:万葉歌人。事跡は不明。

*13:穂積皇子妃。父安麻呂、母石川内命婦。子に坂上大嬢・坂上二嬢。穂積皇子に嫁ぐも死別。大伴宿奈麻呂とは二児をなすもこれまた死別。その後は兄旅人に同行し、甥の家持らを養育した。

*14:当項底本は『岩波古典文学大系5 万葉集二』です。旧字体新字体に変換。旧仮名遣いも現代仮名遣いに変換。

*15:太陽暦に直すと3/5

*16:書き下し「天平二年正月十三日に、帥の老の宅に萃まりて、宴会を申くなり。時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭珮後の香を薫ず。しかのみにあらず、曙の嶺に雲移り、松は羅を掛けて蓋を傾け、夕の岫に霧結び、鳥は縠に封められて林に迷う。庭には新蝶舞い、空には故鴈帰る。是に天を蓋とし地を坐とし、膝を促け觴を飛ばす。言を一室の裏に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然に自ら放にし。快然に自ら足る。若し翰苑非ざれば、何を以ちて情を攄べん。請うらくは落梅の篇を紀さんと。古と今とそれ何ぞ異ならん。宜しく園の梅を賦して聊かに短詠を成すべし」。現代語訳:「西暦730年3月5日に大宰帥大伴旅人の家に集まって宴会を開いた。時は、正月という縁起のいい月で快く風は和らいで、梅は鏡の前の白粉のように白く咲いていて、蘭は腰に付けた袋の中のお香のように薫っている。それだけでなく、朝の嶺には雲が移って、松は羅紗のような霧がかかって蓋をされているようで、夕方の嶺には霧がかかって、鳥は薄絹のような霧に閉じ込められて林に迷っている。庭には生まれたばかりの蝶が舞い、空には去年も来た雁が帰ってきている。そんな中で大空を屋根にして大地を敷物にして、膝を突き合わせて杯を交わしている。部屋の中では楽しくて言葉もなく、襟を緩めて外気に当たる。淡々と好きなことをして、それでいて愉快なまま度を越えない。もし書くものがなかったなら、どうやってこの気持ちを表現すればいいんだろう。願わくは散り行く梅の詩を作って欲しい。昔と今と何が違うのでしょう。この庭の梅を題材に即興で短歌を詠んでください」