脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『御伽草子(上)』

http://exawarosu.net/archives/8199142.html
遂に馬脚を顕したか。まだまだ朝日ウォッチャーはやめられません。


 あけましておめでとうございます。本年もよろしく。
 てなわけで、ぐでぐでなところも含めてこれを見なけりゃ一年が終わらない紅白の感想。

  • 綾瀬はるかポンコツぶりが想定の斜め上。目立とうと思ってわざとやってんじゃねーだろなってレベル。
  • 老害はもうでてくんな・・・浜崎あゆみ郷ひろみDREAMS COME TRUESMAP
  • 若手でもライブでまともに歌えない奴は同上・・・E-girls・AAA
  • 売りのない演歌はアイドルでテコ入れはもう定番演出か。中でもももクロのダンスのキレには驚かさせました。
  • 終了半年たってもあまちゃんは鉄板の飛び道具。
  • Linked Horizon・・・だだすべり。個人的にはグループ魂以来の悪夢。完全アウェイであの演出やってもどうもならんわ。Gacktの爪の垢を煎じて飲みましょう。
  • ももいろクローバーZ・・・安定安心のダンスと演出。しかし、相変わらずの歌唱力も健在。彼女たちだけ口パクゆるしてあげてくださいな。
  • ゴールデンボンバー・・・前回を超える神がかりのパフォーマンス。オチもきちんとつけて◎。一瞬樽美酒ならあり得るかもと思ってしまった自分がいやだ。ももクロと金爆はもう当分レギュラー出演でいいと思う。
  • 氷川きよしはいつみても華があっていいなあ。
  • 潮騒のメモリー能年玲奈小泉今日子薬師丸ひろ子のリレーメドレーは直撃世代でない自分でも感涙。元ファンの方々には永久保存版ではないでしょうか。
  • 水森かおり・・・小林幸子完全承継完了。まだはっちゃけぶりが足りない気がしますが来年以降のインフレに期待しましょう。
  • 美輪明宏・・・泥鰌は二匹いなかった。去年で終わってれば伝説になれたものを。
  • AKB48・・・数の暴力もここまでくればご立派・・・とか言ってたら紅白私物化しやがった。
  • 泉谷しげる・・・去年の矢沢永吉といいロック気取りのおっさんは見てて痛々しい。
  • 北島三郎・・・文句なしの大団円。半世紀お疲れ様でした。

御伽草子 上 (岩波文庫 黄 126-1)

御伽草子 上 (岩波文庫 黄 126-1)

旅人よかの山の草子を聞かせてくれ

御伽草子
 室町時代に作られた短編物語。狭義には、近世に大坂の書肆渋川清右衛門によって出版された23編を指し、広義には、室町から江戸初期に絵巻・絵草子として流布した物語群の総称。内容は、公家物・僧侶物・武家物・庶民物・異国物・異類物など多岐に亘るが、今日の童話やおとぎ話の元になっている話が少なくない。(『岩波日本史辞典』より引用)

文正さうし

人の子に姫君こそ、末繁昌してめでたき御事にて候へ」by女房

 
 上述の台詞の通り、「成金の立身出世の王道は美人の娘生んで玉の輿に載せる事」という中世の価値観を過不足なく物語化した作品。今の目から見ると噂で聞いただけの美女に一目逢わんと辺境まで旅する中将の行動力にびっくり。

鉢かづき

たとへ化け物にてもあれ、手足のはづれの美しさよ」byある人


 月光条例で一躍有名になった鉢かづき姫の原作。「不細工な眼鏡っ子が眼鏡を外すと実は絶世の美女」の王道パターンの元祖になるのかなぁ。因みに西洋だと怪物化するのは大概王子様*1なのと比べると面白い文化比較ができるかもしれませんね。

小町草紙

昔を、しのび給ふなよ」by在原業平

 
 歌物語の典型になるのかな。今となっては読解に超絶な知識教養が必要なので研究者以外には正直おすすめできません。ただ外郎売といい少佐の演説といい日本人の小気味のいい羅列文の大好きさが感じられて微笑ましくはあります。

御曹子島渡

日本国は神国にてましませば、もののふのてがらばかりにては成りがたし」by藤原秀衡

 前半の日本版ガリバー物語パートがなかなか面白い。苦難をしのぐのが全部笛の音に感動の一本やりなのはどうかと思いますが。

唐糸さうし

何とて汝は、木曾が重代に、ちやくいと申す脇指をば、さしたるらん」by源頼朝


 孝行娘の囚われの母奪還物語。教養のある美女だったらなんでも許されるって当時の価値観がなかなか面白いかも。

木幡狐

うき世に長らえば、いかならん殿上人か、関白殿下などの北の方ともいはれなん。なみなみならん住居は思ひも寄らず。それさなき物ならば、電光朝露夢幻の世の中に、心をとめて何かせん」byきしゆ御前


 出世欲に塗れた狐が上手く北の方におさまるも犬の所為で逃げ帰らざるを得なくなるお話。徹頭徹尾旦那の中将が嫁さんのことを欠片も疑ってなくて最終的にいい話で終わるあたりに時代を感じます。

七草草紙

わが親の御姿、ふたたび若くなしてたび給へ。これかなはぬものならば、わが姿に転じかへてたび給へ。わが身は老となりて朽ちはつるとも、二人の親を若くなし給へ」by大しう

 
 七草粥の縁起譚。昨今の不孝な若人は爪の垢を煎じて飲みましょう。

猿源氏草紙

伊勢国に阿漕が浦の猿源氏が、鰯かふゑい」by猿源氏


 鰯売りが大名に化けて高級遊女を籠絡するも寝言で正体がばれそうになるお話。落語っぽい筋立てが◎。ただオチつけて終わるんじゃなく教養を武器に何とか乗り切ってしまうあたりに時代を感じます。

物くさ太郎

なう申し候はん、それに餅の候。取りてたび候へ」by物くさ太郎


 物くさ太郎ってこんな話だったっけ?ストーカーまがいの行為をしたりと最序盤以外は全く怠惰でない物くさ太郎にちょっと違和感。

さざれ石

君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまでby薬師如来御詠歌


 薬師如来のありがたい霊験譚なんでしょうが、不信心ものの当方にはさっぱりありがたみが・・・。とりあえずは「君が代天皇讃美の歌」なんて言ってる進歩的文化人の方々はこの一編読んでから口ききましょう。

死ぬほど生きてやれまだ見ぬ未来へさすらえ旅人

 古い小説読むと感じるのは小説技法の進化と根本的なストーリー構成の不変ぶり。今回紹介した御伽草子の各篇も現代小説に翻案すれば結構面白そうな作品がちらほら。小説のネタに困ったときはこういう風に古典からパクってもとい本歌取りするのもいいかもしれませんね。上手くやればあなたも現代の芥川や太宰になれるかもしれませんよ。

漸-ZEN

漸-ZEN

帰って来た今日の一行知識

御伽噺で一番多く出てくるお寺は清水寺
伝統と人気の程が偲ばれます。金閣銀閣の色物除けば、やっぱり京都のお寺と言ったら清水さんですよね。