脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『虎よ!虎よ!』

http://alfalfalfa.com/archives/6144460.html
左巻きな方々みたいなことはいいたかありませんが、この人は老耄してから完全に国家社会主義者になっちゃいましたね。衆愚政治を憎むのはわかりますが、庶民を舐めたらあきまへん。


 半休を利用して期日前投票へ行ってきました。誰に入れたか全部あてれた人には豪華賞品プレゼント。ってな与太はさておき、ド平日の昼間に結構な人出で興味関心の高さがうかがえました。願わくは明後日が日本新生の記念日となりますことを。


SRWOGⅡ進捗

闘志溌剌起つや今熱血既に敵を衝く

 時は25世紀。ジョウント効果の発見により、人類すべてがテレポーターに進化したこの時代。不幸な宇宙船事故により独り漂流していたガリヴァー=フォイルは近くを通りがかった宇宙船ヴォーガ号に見捨てられた。絶望の中ヴォーガとそれを所有するプレスタイン財閥への報復を誓ったフォイル。この物語はそんな彼の無謀な復讐譚である。


 様々な評論家や好事家からオールタイムベスト候補に挙げられているアルフレッド=ベスターの古典的名作の復刻版。瞬間移動が当たり前のものとなっている世界とか、次々出てくる魅力的な登場人物たちに、圧倒的強者に対する元弱者の復讐譚っていう王道をいく分かりやすいストーリーと、色んなアイディアを出し惜しみせずに一冊に詰め込んでみましたって猥雑感が出色。正直、世界観のコアのジョウントが中盤の復讐活劇では殆ど意味をなしてなかったり、クライマックスの大団円は逆に「復讐」はどこ行ったんだの投げっぱなしジャーマンだったりと、旧エヴァ並みに構成は破綻してるんですが、多分それが麻薬的な魅力の源泉となっているんでしょう。メリケンSFの宿痾「SFとして最高の世界観構築しといて、何でそこで三文ラブコメやB級アクションやり始めるんだ」を逆手にとって見事にブンガクに昇華した奇跡の名作と言えるでしょう。ただ、ラストシーンの奇抜な演出を思いついたはいいけど、そこに持ってくまでの構成思いつかないで、とりあえず編集および読者ウケのよさそうな復讐譚でページ嵩まししました。ってだけな疑惑も捨てきれませんが。

蒼天翔ける日輪の青春の覇気美しく

 SFに限らず古典的名作を読むたび思うのは、「あ、あの元ネタはこれか」って発見。この作品でも、「奥歯に仕込まれたスイッチによる加速装置」とか「空間移動能力者の究極の姿は全ての時間と空間への遍在」とか王道設定の嚆矢がここかしこに見受けられます。しかし、それが全く古びず、新たな驚きと感動を持って読めるってのは元祖の底力を感じさせてくれます。我らも、次代に馬鹿一と嗤われるような王道設定を一つでも多く残したいですね。

六甲おろし

六甲おろし

帰ってきた今日の一行知識

前田真宏監督の『岩窟王』は当初本作を原作にする予定だった
著作権の関係で流れたとのことですが、見たかったなあ。名作古典SFをハリウッドの専有物にさせるのは勿体すぎます。色々著作権交渉は大変でしょうが、日本アニメ界の奮起に期待します。ラノベ原作も嫌いじゃないけどクラシックな名作のリファインものがもっと見たいなあ