脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『言志四録(二)〜言志後録』

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不謹慎ですが、大災害の後は都市計画の大チャンス。ここで下手打つと広島みたいに数十年の禍根を残しますよ。


 東電の醜態ばかりがクローズアップされがちな今日この頃ですが、ここ数ヶ月の引越しラッシュの経験によるとNTT(東西共に)の糞さも大概のもの。インフラ寡占なんて殿様商売やってると人間腐っちまうんでしょうね。


第二次SRWZ破界篇進捗

  • 2周目第42話「明日への凱歌」ブラックダイ・ガード出現。トップエース:クロウ=ブルースト@ブラスタ。

言志四録(2) 言志後録 (講談社学術文庫)

言志四録(2) 言志後録 (講談社学術文庫)

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心の奥深く何も響かなかったサンクチュアリ

言志四録
 佐藤一斎*1が後半生の四十余年にわたって書いた語録。『言志禄』・『言志後禄』・『言志晩禄』・『言志耋禄』の4書の総称。総1133条。
 指導者のためのバイブルと呼ばれ、現代まで長く読み継がれている。2001.5総理大臣の小泉純一郎*2衆議院での教育関連法案の審議中に触れ、知名度が上がった。(wikipediaより修整引用)

 前巻『言志録』の好評に気を良くしたか、二匹目の泥鰌を狙って出版されたと思しき『言志後録』が本巻。作者の佐藤一斎くんも慣れてきたのか、前巻のだらだら長くなりがちだった文章が短く纏まって、大分箴言集らしくなってきています。その一方で訳者の川上正光大先生も調子が出てきたか、訳文の意訳っぷりが加速しています。佐藤一斎に仮託した・・・って言ってしまってもいいような主張っぷりです。「現代語訳はいらん解釈いれずに可能な限り原文のニュアンスを残した直訳を」って学校で習わなかったのでしょうか。

以下抜粋紹介

  • 時に不当の見有りと雖も、而れども亦宜しく之を容れて、徐々に諭説すべし。決して之を抑遏すべからず。抑遏せば則ち意阻み気撓みて、後来遂に其の心を尽くさじ*3・・・怒鳴っちゃやーよ。って奴ですね。下品な人は嫌いです。
  • 人は多く己の好む所を話し、己の悪む所を話さず。君子は善を好む。故に毎に人の善を称す。悪を悪む。故に肯えて人の悪を称せず。小人は之に反す*4・・・悪口や愚痴は自分の品性を下げると分かってても楽しいんですよね。要反省。
  • 必ず子弟をして他邦に師に就き其の橐籥に資せしむ。然る後成る有り。膝下に碌々とし、郷曲に区々とせば、豈に暢茂条達の望有らんや*5・・・生まれて一度も一人暮らしも引越しもしたことがありませんって奴がどんだけ小人物かは、京都で嫌って程見てきました。人間の一生は田舎で生まれて小都会で育ち大都会で生計を立て田舎で死ぬのが一番なんでしょうね。
  • 此れ学意趣を見ざれば、風月を詠題するも亦俗事なり。苟くも意趣を見れば、銭穀を料理するも亦典雅なり*6・・・深刻なことは半笑いで、バカなことこそ大真面目に語ろうというのが私の信条です。
  • 学びて優なれば則ち仕う。做し易し。仕えて優なれば則ち学ぶ。做し難し*7・・・就職して以来あれだけ嫌いだった勉強がすごくしたくなって困ります。といいつつ結局絶対しないんですけどね。資格試験とか受けて合格しまくってる人は本当尊敬します。

甘い言葉より本音が心地いいでしょ

 世の経営者の皆さんは何故こんなに名言箴言がお好きなのでしょうか。つらつら考えるに多分それは、偉くなり過ぎて言わずもがなの的外れなお説教かましてくれる人がいなくなった所為だと思います。聞いてる時は完全に聞き流してますが、なければないできっと多分寂しいものなんでしょうね。まあ、その小咄のネタ作りに使われてるだけって線もすてきれませんが。

帰ってきた今日の一行知識

城主の未亡人が寝取られて落城した城がある
戦国時代の美濃岩村城がそれ。下手人は武田四天王に次点落選の秋山信友織田信長の叔母にして遠山景任夫人のおつやの方。おつやの方にしてみたら、相手は名立たる武田騎馬軍団だし、頼りの甥っ子は信長包囲網の真っ最中でそれどころでないし、ってところに、旦那が心労でぽっくり逝っちゃったって極限状況で、選択の余地はなかったのでしょうが、なんとも昼ドラチックな展開ですね。

*1:大道。昌平黌儒官。父信由。代表作:「重職心得箇条」、『愛日楼詩集』他。

*2:国際公共政策研究センター顧問。第87-89代内閣総理大臣。父純也、母芳江。子に孝太郎・進次郎。YKKの一人として55年体制末期崩壊後の政界に存在感を示す。変人と揶揄されながらも派閥と距離を置きつつ幾度も総裁選に出馬し、「自民党をぶっ壊す」をスローガンに掲げた森後継の総裁選で下馬評を覆し橋本龍太郎に勝利。規制緩和構造改革、対米協調路線で長期安定政権を運営し、郵政民営化を掲げた総選挙での歴史的大勝を花道に桂冠引退。

*3:部下がおかしな事を言ってきても、その場はその意見を聞くだけ聞いておいて、後で徐々に間違いを教え諭してやれば良い。絶対にその場で却下してはならない。抑圧してしまうとやる気を失って、以降真面目に取り組もうとしなくなる(管理人意訳以下同じ)

*4:人は自分の好きなことを話し、嫌いなことには触れない。君子は善を好むから人の長所を挙げ、悪を嫌うから人の欠点を言わない。小人はこの逆である。

*5:子供は他所に出して然るべき先生について勉強させるべきである。何時までも親元や郷里に甘んじていては、成長することはできない

*6:学問と言うものは難しいもので、本質を外せば、風月を詩に詠んでも俗事に過ぎない。逆に本質を捉えれば、銭金や食い物の話でも典雅なものになる。

*7:勉強してから就職するのは簡単であるが、就職してから勉強するのは難しい