脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『言志四録 (一)』

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グッジョブ!なんですが、こういう態度みてると、どうせ公務員給与削減と同じ轍踏むんでしょって冷眼視しかできません。統一地方選も近いんですから、そろそろ口だけ大臣の汚名返上してくださいね。


 転職先への手土産代わりに先週からヘルパー2級の講座に通っています。素敵な出会いがあるといいなの下心を持っていましたが、実際言ってみるとそこにいたのは子供が手を離れた代わりに親が手にかかるようになったベテラン人妻な皆さん。そりゃあド平日の昼間の講座に来れるの主婦くらいしかいねーわな。

言志四録(1) 言志録 (講談社学術文庫)

言志四録(1) 言志録 (講談社学術文庫)

We'll Sing 歌うよ感じるそのまま

言志四録
 佐藤一斎*1の著書で、『言志録』・『言志後録』・『言志晩録』・『言志耋録』の総称である。全4巻。1813-'51一斎が書き続けた箴言集であり、全て生前に出版された。
 一斎は、幕末に於いて、また明治時代に於いても私淑されることの厚かった人物であるが、『言志四録』はその一斎の思想を示す代表的な著書である。西郷隆盛*2がこの内より101ヶ条を抄出して座右の誡としたことは有名である。「士は独立自信を貴ぶ」・「動天驚地極大の事業も亦すべて一己より締結す」の如く「真我」の確立を強調するが、儒教的教養によって培われた近世の武士の道徳思想の詰まったものとして注目される。従ってまた、明治の士族層に受け継がれた武士的な道徳的心情を理解する為の手がかりになる文献でもある。(『国史大辞典』より引用)

 西郷南洲が愛し、小泉純一郎が利用した名著『言志四録』。今回紹介の第一巻は処女作『言志録』。訳者が何故か門外漢の理系の学者先生なので、訳文に信用がおき辛いというか、明らかに自分の意見を乗せすぎの言葉足し過ぎの訳文になっているので、結局原文と格闘する必要がありますが、今となっては貴重な全文訳。一世を風靡した人生訓の数々を堪能しましょう。

 これだけではなんなので、珠玉の箴言のいくつかを紹介。

  • 「凡そ人と語るには須らく渠をして其の長ずる所を説かしむべし。我に於いて益有り。」*3・・・何かに詳しい人にその話を聞くのは面白いものです。但し、半可通だと拷問以外の何者でもありませんが。
  • 「爵禄を辞するは易く、小利に動かされざるは難し」*4・・・フリーターが増えるのもこの所為かもしれませんね。
  • 「臨時の信は、功を平日に累ね、平日の信は、效を臨時に収む」*5・・・要するに信用されてさえいれば何とでもなると。
  • 「事を慮るは周詳なるを欲し、事を処するは易簡なるを欲す」*6・・・計画とはかくあるべし
  • 「人の月を看るは、皆徒らに看るなり。須らく此に於いて宇宙窮り無きの概を想うべし」*7・・・愚者と賢者では同じものを見ても全く見えるものが違う。と。『蒼天航路』の長坂橋での張飛曹操のやり取りが思い浮かびますね。

今日死んでも悔やまないってくらい全力で生きたいんだ

 朝に道を聞くなら夕に死すも可なり。偉人たちの遺した名言の数々にはこれこそが道か。と思えるほどの含蓄に富んだものが多く見受けられますが、それでも中々自身の人生の総決算はこれだという言葉には出会えないものです。やはり、真の道は自分で切り開くしかないんでしょうね。

帰ってきた今日の一行知識

西郷隆盛デブ専

しかも大分お盛んだったようで、勝海舟回顧録で暴露されたり、歌舞伎の題材になったりと、さんざからかわれています。しかし、そんな彼も晩年は持病の象皮病でほぼ不能になった模様。西南戦争の暴発はその鬱憤の発露と見るのは穿ち過ぎでしょうか。

*1:大道。昌平黌儒官。父信由、母蒔田氏。代表作:「重職心得箇条」、『愛日楼詩集』他。

*2:参議。陸軍大将。父吉兵衛隆盛、旧名:隆永。島津斉彬の御小姓方として活躍。斉彬死後久光に疎まれ沖永良部島流罪。盟友大久保利通の奔走により復権後は、禁門の変・第一次長州征伐。薩長同盟締結後は官軍の総大将として戊辰戦争に勝利。維新の三傑筆頭の軍功を挙げるも、新政府内では冷遇。明治六年の政変で下野した後、不平士族を糾合し西南戦争を引き起こし敗死。

*3:人と話す時にはその人が得意なことについて話させなさい。そうしたらあなたの役にたちますよ。(管理人意訳。以下同じ)

*4:大きな名誉や給料を断るのは簡単だが、目の前の小銭に心を動かされないようにするのは難しい

*5:アクシデントへの対処で勝ち取った信頼は普段の仕事に役立ち、普段から積み重ねた信用は、事件を収めるのに役に立つ

*6:難しく考えて、簡単に行うべし

*7:月を見るのときぼーっと見てしまいがちだが、本来は宇宙の広さまでをそこに感じるべきである