脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『言志四録(四)〜言志耋録』

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住んでるところが有名になるのはいいことなんでしょうけど、この方向はちょっとなあ・・・


 昨日は弁護士の友人と痛飲。異業種交流を堪能したのですが、やっぱ医療介護業界ってかなり特殊な世界だよなー、と改めて。いつまでも一歩引いた傍観者の視点を失わないようにしたいものです。


プラモ進捗

言志四録(4) 言志耋録 (講談社学術文庫)

言志四録(4) 言志耋録 (講談社学術文庫)

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どこまでもねえ一緒に行こうよって

言志四録
 佐藤一斎*1が後半生の四十余年にわたって書いた語録。『言志録』・『言志後録』・『言志晩録』・『言志耋録』の4書の総称。総1133条。
 指導者のためのバイブルと呼ばれ、現代まで長く読み継がれている。2001.5総理大臣の小泉純一郎*2衆議院での教育関連法案の審議中に触れ、知名度が上がった。(wikipediaより修整引用)

 40年弱の長きに亘って綴られた言志四録も遂に最終巻。作者の佐藤一斎先生も齢八十を超え、繰言じみた愚痴も多くなっていますがそれでも読める出来なのは流石。訳者の方は相変わらずですが、4巻も付き合えば読み飛ばし方も分かってくるのでストレス無く読めます。
 そんな訳で以下遂に最後の珠玉の箴言抜粋。

  • 恭敬を以て甲冑と為し、遜譲を以て干櫓と為さば、誰か敢えて非礼を以て之に加えんや。*3・・・笑顔には笑顔を、横着高飛車には非礼を以て返せってのが我が家の家訓ですが、こういう態度が常識な世の中になって欲しいものです。
  • 執拗は凝定に似たり。軽遽は敏捷に似たり。多言は博識に似たり。浮薄は才慧に似たり。*4・・・ああ人事評定は難しい。
  • 教えて之を化するは、化及び難きなり。化して之を教うるは、教入り易きなり。*5・・・教え方が問題なんじゃなくて、聞く方の態度の方が問題。聞く耳持たない奴に何言っても無駄です。まず、自分の話を聞いてもらえる雰囲気と威厳を作りましょう。
  • 胸次清快なれば、則ち人事の百艱も亦た阻たらず。*6・・・気分が落ち込んでる時に何やっても旨く行くはずありません。まずは自分の精神衛生を整えましょう。
  • 人君為る者は、宜しく下情に通ずべきは、固よりなり。人臣為る者も、亦た宜しく上情に通ずべし。則らざれば諫諍も的たらず。*7・・・「こっちの事情も知らん癖に無茶言うな」の愚痴は現場も管理職も一緒。お互い「頼むから了簡しとくれ」の一言を言いあえる関係性を築きましょう。

We'll shout 叫ぶよawayなステージでも

 管理職なんて益体もない立場になると言わずもがなのお説教や叱咤激励が日常業務の一端に組み込まれてしまいます。そんな時こそ、この類の箴言集の出番なんでしょうが、正直どうも好きません。できれば早く背中で語れる男になりたいなあ。

帰ってきた今日の一行知識

「わし」とか「〜じゃ」とか「〜のう」とかの所謂老人語のモデルは広島弁
正確には役割語の老人語が定着した江戸時代前期の上方方言が元で、今その時代の言葉が残存しているのが現代広島弁。老人=知識人=上方出身者の連想ゲームがその由来だそうです。仁義なき戦いのせいでヤクザなイメージの強い広島弁ですが、本来はインテリの言葉だったんですね。我々も出身者も誇りを持って広島弁を使いましょう。

*1:大道。昌平黌儒官。父信由。代表作:「重職心得箇条」、『愛日楼詩集』他。

*2:国際公共政策研究センター顧問。第87-89代内閣総理大臣。父純也、母芳江。子に孝太郎・進次郎。YKKの一人として55年体制末期崩壊後の政界に存在感を示す。変人と揶揄されながらも派閥と距離を置きつつ幾度も総裁選に出馬し、「自民党をぶっ壊す」をスローガンに掲げた森後継の総裁選で下馬評を覆し橋本龍太郎に勝利。規制緩和構造改革、対米協調路線で長期安定政権を運営し、郵政民営化を掲げた総選挙での歴史的大勝を花道に桂冠引退。

*3:丁寧な態度を鎧にして、謙遜の気持ちを楯にすれば、誰も無礼な態度をとろうとはしない。

*4:しつこい奴は信念の固い人に見え、うっかりな奴は行動の素早い人に見え、おしゃべりな奴は博識な人に見え、腰の落ち着かない奴は頭の切れる人に見えてしまう

*5:理屈を説いてその人の意識を変えようとするのは大変難しい。逆に意識が変わったところで理屈を教えるのは非常に簡単である。

*6:気分爽快何も迷うところ無ければ、どんな困難も乗り越えられる

*7:上司が部下の事情に通じなければいけないのは当たり前のことであるが、部下もまた上司の事情をよく知っておかなければいけない。そうしないと、的を射た意見上申なんてできる訳がない。