脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『言志四録(三)〜言志晩録』

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1647650.html
恐怖政治の開始は崩壊への一里塚。テレビも純文学・邦画に続いて破滅への直行便に乗ったようです。自分がくたばる頃にはネット文化の黄昏を見ることになるんでしょうか。


 弁護士は法律の専門家であって交渉は素人に毛が生えた程度ってのを再確認。高い金払ってんだからガキの遣いで帰ってくるんじゃねーよ。医者と学者と教師と弁護士の言うことは鵜呑みにしないようにしましょう。


SRWZⅡ進捗

  • 3周目第49話「虹」アリエティス撃破。トップエース:クロウ=ブルースト@ブラスタ。

言志四録(3) 言志晩録 (講談社学術文庫)

言志四録(3) 言志晩録 (講談社学術文庫)

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未完成だってかまわない本気奏でたいんだ

言志四録
 佐藤一斎*1の著書で、『言志録』・『言志後録』・『言志晩録』・『言志耋録』の総称である。全4巻。1813-'51一斎が書き続けた箴言集であり、全て生前に出版された。
 一斎は、幕末に於いて、また明治時代に於いても私淑されることの厚かった人物であるが、『言志四録』はその一斎の思想を示す代表的な著書である。西郷隆盛*2がこの内より101ヶ条を抄出して座右の誡としたことは有名である。「士は独立自信を貴ぶ」・「動天驚地極大の事業も亦すべて一己より締結す」の如く「真我」の確立を強調するが、儒教的教養によって培われた近世の武士の道徳思想の詰まったものとして注目される。従ってまた、明治の士族層に受け継がれた武士的な道徳的心情を理解する為の手がかりになる文献でもある。(『国史大辞典』より引用)

 佐藤一斎晩年の筆、言志晩録。流石の先生も歳には勝てぬか、前半はくだくだしい宋学史の解釈論で正直退屈。ただ後半はいつもの一斎節が戻るので安心。円熟を重ねた老翁の金言は今を生きる我らの心すら射抜きます。問題は訳者の方。三巻目になって増上慢も極まったか、訳の翻案ぶりと、注釈の蛇足ぶりが目を蔽わんばかり。なんというかきちんと白文読めるようになろうって気概を起こさせる為の反面教師としてはいいのかも知れませんね。

  • 「水至って清ければ、則ち魚無く、木直に過ぐれば、則ち蔭無し」とは、政を為す者の深戒なり*3・・・上司が堅物に過ぎると部下はやってられません。多少サボり癖のある奴の方がいいのです。うんオレも人の上に立つ資質はあるぞ。
  • 権貴の徳は、賢士に下るに在り。賢士の徳は、権貴に驕るに在り。*4・・・和魂洋才の最大の罪は医者と弁護士を権と賢を兼ねる批判禁断の鬼子にしてしまったことでしょう。社長と先生を一人で兼ねてはいけません。
  • 吏人相集まりて言談す。多くは是れ仕進の栄辱、貨利の損益なり。吾れ甚だ厭う。然れど、平日聴くに慣れ、覚えず偶々自ら冒しぬ。戒むべし。*5・・・日雇い人夫から学者先生に政治家のお歴々に至るまで結構いろんな階層の方々の井戸端会議見てきましたが、話題にやはり階級の壁を感じてしまいます。せめて博打と風俗とアニメの話題は自重しとこうっと。
  • 人、意を得る時は輒ち言語多く、意に逆く時は即ち声色を動かす。皆養の足らざるを見る。*6・・・ポーカーフェイスは難しい。
  • 人事百般、都て遜譲を要す。但だ志は則ち師に譲らずして可なり。*7・・・「心に一本芯を持て」とはよく言われますが、多分このことですね。何が譲れないものかさえしっかりして分かっておけば、それ以外はどんだけ融通利かせてもいいですもんね。

同じ夢選んでるそれが明日へのパワー

 役持ちになるとどうしても言わずもがなのお説教を反感買わないようにオブラートに包んで説諭しなきゃいけない場面に遭遇します。ああ、こういう時のために名言集って売れてんだなーと思いつつもへらへら笑って誤魔化す悪い癖がついた自分が憎うございます。いつかオレもグレンラガンのカミナや蒼天航路曹操みたいになりたいなあ。

帰ってきた今日の一行知識

英才は俊才の10倍賢い*8
どっちも言われたことないなあ。きっとこの私の天賦を計るには既知の外しかないのでしょう。

*1:大道。昌平黌儒官。父信由、母蒔田氏。代表作:「重職心得箇条」、『愛日楼詩集』他。

*2:参議。陸軍大将。父吉兵衛隆盛、旧名:隆永。島津斉彬の御小姓方として活躍。斉彬死後久光に疎まれ沖永良部島流罪。盟友大久保利通の奔走により復権後は、禁門の変・第一次長州征伐。薩長同盟締結後は官軍の総大将として戊辰戦争に勝利。維新の三傑筆頭の軍功を挙げるも、新政府内では冷遇。明治六年の政変で下野した後、不平士族を糾合し西南戦争を引き起こし敗死。

*3:「水が綺麗すぎたら魚は棲まない、木も真っ直ぐ過ぎると陰ができない」これは政治を行うときの教訓である

*4:権力者や貴族にとっての道徳とは賢人に膝を屈することができることであり、賢者にとっての道徳とは、権力者や貴族に畏れ媚びずに胸を張って接することができることである

*5:役人たちが井戸端会議をしているのを聞くと、殆どが出世か金儲けのことである。私はそれを常々憎んでいたが、ついそれを聞くのに慣れてしまい、自分でもその話をしてしまった。反省しよう。

*6:人は得意の絶頂には口数が多くなり要らん事を口走ってしまい、失意の時はすぐに動揺が声色に出てしまう。これは全て修養が足りない所為である

*7:何をするに於いても謙譲の心は絶対に必要である。しかし、志だけは師に対しても妥協する必要はない。

*8:「徳、人を五するを茂といい、徳、人を十するを選といい、徳、人を百するを俊といい、徳、人を千するを英といい、英に倍するを賢といい、万人に倍するを傑といい、万人を万倍するを聖という」(『偉人群像』より引用)