脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『殴り合う貴族たち〜平安朝裏源氏物語』

女「スロットで4200万$当たったわ!」 店側「それ機械の故障です はい、お詫びの23ドル」 : watch@2チャンネル
エウレカ!こういう手段があったのか!?戯言はさておき帝愛を筆頭とするフィクションにおける裏カジノの面々は負けたら大人しく払うという点で現実より遥かに公正無私な人々だったのだなと。


 とうとう始まった京都府知事選なのですが、民自相乗りの現職VS共産党という欠片も盛り上がらないパターンに。山田啓二氏が無条件信任に値する功績を挙げたとは思いませんし、民主党に一票を投じるのは業腹だったりしますが、まかり間違って共産主義者に府政を牛耳られるわけにはいきませんので、大人しく山田氏に投票することにしますです。ああつまらん。


SRWZ進捗

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

今から一緒にこれから一緒に殴りに行こうか

 平安時代。あなたはその言葉に何を思い浮かべますか?十二単を纏った女房たちの織り成す華やかな宮中サロン?それとも風雅なる貴人たちの繰り広げる仁義なくもどこか雅やかな出世競争?そのどちらでもない、醜くも実に人間染みた陰険にて乱暴なる世界がここに。源氏物語枕草子の描かぬ真の平安貴族の生活をご覧あれ。


 小右記を底本にした平安時代闘擾史。誰もが知ってるあの平安時代の有名人たちの引き起こした暴力スキャンダルを明らかに!ってノリで、書いてある内容はコンビニ置きのペーパーバックとさして変わるものじゃあありません。吉川や雄山閣のノリで手にするとちょっと肩透かしを喰らいます。文章的にも見るべきものはほとんどありませんが、豊富な貴族間の闘争や私刑の実例がこれでもかと紹介されていますので、そういったものに興味がある人には面白いのではないでしょうか。しかし、記録に残してる人のバイアスがかかってしまっている気がする登場人物の偏り具合は多少気になります。個人的にはこの時代の無法の多さは、数人のあかんたれの問題行動だけのせいではなく国家構造自体の欠陥が招いた混乱だと思うのですが。

掴んだ拳を使えずに言葉を失くしてないかい

 国家常置の軍隊を放棄し死刑を廃止した理想郷平安時代。本来なら左巻きの人々がこぞって賞賛すべき時代なはずなのですが、そうではないには訳があります。飢餓と疫病が蔓延し、「時代は正に世紀末」を地で行く暴力の支配する魔都京都がその実態でした。特に問題なのは、国家暴力の矮小化に由来する法治能力の喪失によるリンチの横行。九条の盲目的遵守と宗教的裏づけのない死刑制度の廃止はおそらく千年前の悲劇を再び日本にもたらします。進歩的文化人の皆さん、あなた方が経験に盲従せず歴史に学べる賢者であることを信じます。

YAH YAH YAH

YAH YAH YAH

帰ってきた今日の一行知識

明治維新以前の日本においては現場の警察官は基本的に前科者が使われていた
江戸時代の岡っ引きや平安時代の放免がそれ。罪を穢れと看做す日本教の面目躍如ですね。そうか、広島の警察がみんなヤクザもどきなのは単なる先祖返りか。