脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『悪人列伝 一』

http://alfalfalfa.com/archives/6044763.html
いい時代になったもんだ。


 公演まであと二週間。漸く練習も熱を帯びてきました。その為当分更新は縮小気味になるかも知れませんがご容赦を。


言い訳するのは趣味じゃない

 浜の真砂の尽くるとも世に悪人の種は尽きまじ。蘇我入鹿道鏡藤原薬子伴善男平将門藤原純友。彼らの本質は因循姑息なる小悪党か、それとも志半ばに斃れた反逆の英雄か。


 安心の海音寺ブランドで送る当邦悪人列伝古代篇。いつもながらの読み物として面白い歴史エッセイのお手本のような作品です。ただ、道鏡・薬子辺りへの視点が実に下卑たものなのはご愛嬌。当時の想定読者層が知れます。
 内容は乙巳の変・宇佐八幡信託事件・薬子の変応天門の変承平・天慶の乱etcと飛鳥・奈良・平安前期の主要な事変とその前史を面白おかしくも詳しく記述してあるので、古代史の復習には最適です。読み物方面に舵きり過ぎてて、入門書にするにはちょっと危険かもですが。

逆風追い風に変え雨で心潤して

 勝てば官軍、負ければ賊軍は今も昔も変わらぬ闘争の大原則。如何な大儀を掲げようと、どんなに已むに已まれぬ切実な事情があろうとも負ければ、非道の悪人コースまっちぐら。世の中なんてそんなもんさと割り切るのもいいですが、読書人としてはいつまでも「勝者と敗者に祝福を」の暖かい視点を持ち続けたいものです。ただ、その理屈だと、これからの時代は、全共闘崩れや民主党にその眼差しを向けなきゃならなくなりそうなのがとっても業腹なんですけどね。

どいつもこいつも/ボクの未来

どいつもこいつも/ボクの未来

帰ってきた今日の一行知識

平安時代告訴・告発した原告は判決が出るまで誣告罪の容疑者として留置されていた
濫訴防止の為、原告敗訴は即座に誣告罪適用という当時の法体系からすれば、合理的な運用なんですが荒っぽいなあ。日本人の和解至上主義も筋金入りですね。