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流行に乗るのは趣味ではありませんが、これはヤバイ。
衝撃の敗戦から一夜明け、未だ傷の癒えぬまま、この文章を書いているのですが、毎度の事ながら自分が嫌になります。今宵はそんな自嘲と自戒と怨嗟を込めてチョイスしてみました。コノウラミハラサデオクベキカ
- 作者: 増川宏一
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1982/06
- メディア: 単行本
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魔薬なスリルが欲しいのさ 明日の事は このコインに委ねる
アウトローの好む下賤の遊戯として、軽蔑され忌み嫌われ、学問の俎上にあげられて来なかった「賭博」という分野に鋭く切り込む渾身の名著。作者増川宏一氏の「昭和の宮武外骨」の名に恥じぬ、微に入り細を穿ち、されど煩ならざる美文名文を特とご堪能あれ。*1
相変わらず感想書きにくい内容ですこと。一応外国の賭博の歴史を叙述*2という体裁なのですが、何分範囲と分野が多岐にわたり過ぎてて、どうしてもとっ散らかった印象が拭えません。しかし、抽象的概念を史料に基づき、独善独断にならず詳述し、なおかつ読み物としてそこそこ面白く仕上げている作者の力量は並ではありません。分量的にも内容的にも一度に通読するのには向かないですが、数度に分けて暇に任せて読むには最適な名著だと思われます。学者先生だってやれば出来る。
内容についての感想ですが、質・分量共にイギリスが群を抜いており、ギャンブル先進国としてのレベルを感じさせます。アジアの如く野蛮でなく、アメリカの様に下品でない、洗練されたギャンブラーには憧れを禁じえません。流石にノストラダムスの大予言通り世界が滅びるかどうかを賭けるような国は違います。
One for ギャンブル! Two for the 娯楽! Three for SEX! Last My HONEY
詐欺師・イカサマ師に王族貴族。ありとあらゆる階層の人物が同じ土俵で鎬を削る賭博とはなんと平等で誠実な遊戯なのでしょうか。億万の富を築いた富豪も位人身を極めた貴族も明日の糧に困る賤民も、賽の目・自摸の前には完全に平等です。誰もが等しく神に祈りを捧げ、神は地位・技倆・才能を問わず祝福と破滅とを授け給うのです。運命の女神を時に傲慢に抱き寄せ、時に謙虚に愛を囁くこの遊戯はなんと甘美で崇高なのでしょうか。一度この魅力を知ってしまうと、小手先の小細工の通用してしまうスポーツや将棋や碁などの盤上遊戯が児戯に等しく思えてしまいます。快楽を規制し盲目に働く労働奴隷を育てようとする為政者のネガティブキャンペーンに惑わされず、貴方もこの至高の遊戯に溺れてみませんか?
結論:ギャンブルする奴は人間のクズ
今日の一行知識
古代ローマの宴会は三日三晩続き参加者はその間吐きながら*3食べ続けた
享楽を追求したローマ文化の極み。こんなだから禁欲を旨とするキリスト教が隆盛するわけです。
- アーティスト: ジャンヌダルク,yasu,CHOKKAKU
- 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
- 発売日: 2004/06/02
- メディア: CD
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