脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『武士の成立』

2020年度の国民医療費、過去60年で例のない減少 ジジババ達の病院通いはマジで無駄だった
駅前クリニックとか今閑古鳥啼いてますもんね。業界再編によるリソースの再配分が急がれます。


 そこまで酒に強くない自分ですが、2か月アルコール抜きだと流石にそろそろオイル切れの感が。早く非常事態宣言明けて思うさま高歌放吟できる日々が帰ってきますことを


競馬成績・・・R3収支-8690

武士の成立 (日本歴史叢書)

武士の成立 (日本歴史叢書)

  • 作者:元木 泰雄
  • 発売日: 1994/08/01
  • メディア: ハードカバー

闇を切り裂くチカラ解き放て

武士
 平安後期以降、常に武器を携行し、武力を行使することを社会的に認知された身分。
 古代以来弓射・騎馬の武芸をもって朝廷や国衙に奉仕した家の系譜をひく者、軍事貴族や地方豪族の子孫たち、あるいは有力な農業経営者が武装した者など。かれらは京都においては皇族や貴族に侍として仕え、地方にあっては、郡司や在庁官人としての公的権限や財力によって農地を開発し、在地領主となった。血縁・地縁・主従関係によって強く結束し、武士団を形成した。12世紀末、関東にあった多くの武士団は源頼朝*1を首長に推戴して鎌倉幕府を樹立。幕府は公家政権との接触・交渉を通じて、国家統治の権限と責任を分有するようになり、ここに為政者としての武士の歩みが始まった。しかし在地の武士たちは、鎌倉・室町時代を通じて、自己の所領の拡大をこととし、また荘園領主の支配を排除していった。やがて全国の武士たちは弱肉強食の戦国時代を現出した。その頃には朝廷は統治権を完全に失い、戦国の争乱を平定した武将が〈天下人〉とよばれて、武士が日本社会の支配層となっていった。(『岩波日本史辞典』より引用)


 大恩ある元木先生のかなり初期の一冊。タイトル通りの武士の成立を軍事官僚のちには軍事貴族による「兵の家」の成立という視点から丁寧に分析しています。一切小細工なしで真正面からぶつかる横綱相撲は先生の講義を思い返させてちょっとほろり。その分「物語として面白い」とか「知的エンターテイメントとして楽しめる」とかの一切の遊びの無い学術書になってますので、娯楽として楽しむのはかなりハードル高いんではないかと。それでも!という病膏肓に入ったお方は是非ご堪能あれ。

逃げ場のない人生で己を信じて

 途中で逃げ出してしまったとは言え、大学で歴史を体系的に学べたことは今の自分にとってかけがえのない財産となってます。まあ一切仕事には役立ってませんけど。という訳で、進路に悩む学生の皆さん。先達としてのアドバイスです。実学は社会人になってからでも学ぼうと思えば学べるから、思う存分専攻は趣味に走ってください。金にならない学問を体系的に学べる機会はまず間違いなく今だけですよ。


きただにひろし- 武士

帰ってきた今日の一行知識

小野篁小野道風を輩出した小野家は「累代将家」だった

逆に坂上田村麻呂の子孫はバリバリの文官になってたりと結構面白いことになってます。「家業」って意外と流動的だったんですね。

*1:鎌倉幕府初代将軍。権大納言。父義朝、母由良御前。父義朝に従い平治の乱に従軍するも破れ伊豆国流罪以仁王の令旨に呼応し挙兵し関東に一大勢力を確立し鎌倉幕府を樹立。同族の義仲・義経らや平家・奥州藤原氏を滅ぼし、全国政権となるも後白河法皇などの抵抗もあり、朝廷や西国を屈服させることはできなかった