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ジークGackt。
外回りのついでに東京観光。皇居と靖国神社を回ってきました。神聖なる森の背後に聳える巍々たる摩天楼。これぞ日本文化の真髄だと痛感しました。
- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/09
- メディア: 単行本
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無重力のサテライトに浮かんでる感覚
時は西暦2083年。人類は遂に太陽系外の放浪惑星に到達した。しかし、その惑星シーヴェルは24年後に地球の僅か423,000kmの地点を通過することが判明した。地球の619.7倍の質量を持つ巨大惑星がそんな近距離に近づけば、間違いなく地球は甚大な被害を受け、人類は滅亡する。そのカタストロフィを避けるため人類の叡智が達した結論は、「地球を動かす!」。この荒唐無稽な二大作戦「チャリオット作戦」と「ネックレス作戦」は成功するのか!人類は今地動説を超越する。
21世紀ハードSF版『妖星ゴラス』。「地球を移動させる」というビッグプロジェクトの成否が経糸なのですが、テーマ的には横糸の人工意識コンパニオンACOMとの異文化コミュニケーションが主題となっています。アナログRPGの設定屋上がりの山本氏のACOMの設定と文化・アイデンティティーは精緻でリアリティーに溢れ、センスオブワンダーの世界を堪能できます。『アイの物語』に勝るとも劣らぬ山本文学の真骨頂ここにありと言っても過言ではないでしょう。勿論ハードSFの皮をかぶったB級特撮のノリも健在で400P強の物語ながらも一気に読み通せます。日本SFの最高峰を是非堪能しましょう。
一応最後に恒例の一くさししとくと、危機の発見→対策の立案決定→実行と全3章構成の最終章がほぼ完全な蛇足。2章で思わせぶりに出てきたライバルキャラACOMプロデューサージェノアがあっさりその章の内で決着してしまい、3章では名も知れぬテロリストが敵役となってしまっており、メインテーマのACOMとの異文化コミュニケーションを主題とする戦いではなくなってしまっているのが原因でしょう。せっかく小説という媒体とっているのですから、絵面より心情描写を優先してほしかったところです。
3次元のDOORそっと開いて∞の時空超えたら
新技術への適応の問題は人類の永遠の課題でしょうが、もし本当にACOMが人工知能が真の人格を、人類とは全く違う「魂」を手に入れた時、我々は如何なる対応を取るのでしょうか。犬猫の如きペットとして愛玩するのか、神仏の如く崇敬するのか、それとも隣人として友情を築くことができるのか。いずれに着地するのかは知りませんが、多分そう長くはないであろうこの命の尽き果てる前にその新時代を目にしたいものです。そのためにも、分からず屋の仕分けチームの妨害に負けず、頑張れ日本の理系ヲタクたち。
- アーティスト: 水樹奈々
- 出版社/メーカー: KINGRECORDS.CO.,LTD(K)(M)
- 発売日: 2008/02/06
- メディア: CD
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