脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『日本SF傑作選3~下級アイデアマン/還らざる空』

U-1 NEWS : 韓国政府が制裁決議違反を誤魔化そうとして墓穴を掘ってしまう 国連じゃなくて日本メディア相手に言い訳
さっさと統一されたらいかがですか?世界中がきっと祝福と歓迎しますよ


 出向先の車を借りて外回り。えらく年季の入った子だなって思って、ドライブメーター見たらまさかの走行距離7桁。どんだけ物持ちいいんすか。


DQⅦ進捗

  • グラコス撃破。主人公の職業:キメラ「おおぞらのキメラ」

短い短い物語君に読もうと思います

下級アイデアマン

「何を言っているんだ。問題を見付けるのはアイデアマンの仕事じゃないか。そんなふうに何もせずに、きみを住ませるほど連邦は暇じゃないんだぜ。見つけるんだ」byミタムラ・イデ


 表題作に選ばれただけあって、この作者の持つ問題意識がよく表れている作品。上述のセリフの通り「世はなべてこともなし」では駄目だし、ようやく見つけた問題の解決法も派遣元の利益にならなきゃ駄目だしと、雇われコンサルの悲哀がこれでもかと詰まった一品。うん、身につまされるなあ。

悪夢と移民

あいつらはただの豚だよ。文句は多いが、自分じゃ何ひとつやれはしないんだ」byクラタ


 移民と原住民とそれらを指導する専門家のディスコミュニケーションの物語。この人はインテリやテクノクラートが死ぬほど嫌いなんだとよく分かった。

正接曲線

「キミタチハ リッパナ ドウグヲ モッテイル……ソレヲ イロイロ オシエテホシイ」byポグ人


 これまた原住民との交流と文化指導の物語。文明批判の匂いが多少鼻につきますが、非常にスタンダードで面白いSF短篇です。

使節

あんな礼儀正しい種族は見たことがない。一言いってはお辞儀、一歩すすんでは会釈。まるで古代儀式の世界にでも行ったようだったよ」by船長


 筒井康隆チックな異文化コミュニケーションの物語。同じような題材つかってもこれだけ風味が違ったものになるんだと感心しきり

重力地獄

読めるぞ。ワ・レ・ワ・レ・ハ・ニ・ン・ゲ・ン……われわれは人間だ?」byタムラ


 3.5Gの高重力惑星でのサバイバルに冷たい方程式にAIとのディスコミュニケーションに謎の原住民とのコミュニケーションにの欲張りパック。たった30P強にこんだけ要素詰め込んで全然ごちゃつかずすっきりした読み口を実現してるんですから神業です。


エピソード

ここには、われわれとは別の、ひとつの思念が漂っている……。ここにいるのは、われわれだけではないのかもしれない)byナーパー


 小松左京チックなポストアポカリプスな惑星探査の物語。さっきのとは違ってこっちはなんだか単純な割には異常に読みづらいです。

わがパキーネ

私は留学生の中では美人の方だったの」byパキーネ


 異性からの留学生との淡いラブロマンス。冷静に考えると何をどう考えてもホラーな筋立てが、ラストシーンは爽やかな清涼感を感じるのはなんででしょう。

フニフマム

タイム・マシンだ!)by生物


 時間生命体の独白。なんだか色んな含意や哲学や警句がてんこ盛りなんでしょうが、ボクバカだからわかんない。

時間と泥

わかっている……しかし、なんと気味のわるい奴らだろう。眼ひとつの半球と、赤い布きれ……」by乗組員


 パンデミックにより事実上「滅亡」したカポンガ人の悲劇と再生の物語。カポンガ人の魅力的な設定を短篇一本で使い捨てるのは勿体ないなあ

養成所教官

きみは、炭素・酸素系生命体の、環境依存度の大きさに、問題をすりかえようとしているだけさ」byラリシュ


 相変わらずこの人はエリートが嫌いなんだなと。とは言え、世界観はとっても魅力的。この設定で長編スぺオペ読みたいなあ

かれらと私

何って、ここにあったんです。女たちはどこからともなく集まって来たんだし……食いものも、女たちが持って来たんですよ」by元乗組員


 これも世界観と設定は魅力的なんだけどなあ。

キガテア

支隊長もその他の何人かも、それに部門長もキガテアを飼って気に入っているらしいからな。―キガテアのほうがどう思っているかは知らないが」byイヌイ


 同上。

サパントとボク

人間が個人用ロボットの奉仕を受けているというのと、人間が個人用ロボットに飼われているというのは、違うことなのか?」byボク


 同上その2

還らざる空

この都市が、ドームでおおわれてから久しい。だがその頃の資料とか記憶はどこにも残っていない」by執政委員


 パラダイム・シティのネタ元かな。相変わらずこの方は設定紡ぐのだけは天才的です

準B級市民

でも、なぜ、あなたがロボ―いや、政策出生者だとわかったんでしょうね」by労務者配置係官


 眉村版破戒かな。中盤はこの手の作品のテンプレじみた展開ですが、ラストのカタルシスは他の追随を許しません。熱いは正義だ。

表と裏

ロボット自覚への切替え未調整か?緊急だから止む得まい」by人工頭脳


 間違えて乗った宇宙船の人工頭脳にロボットと勘違いされた男の生存をスラプスティックコメディ。作者の主張がチラチラ覗くのが多少鬱陶しいですが、基本的にはよく出来た佳作。ラストの人工頭脳のエスプリの利いたコメントが最高です。

惑星総長

われわれは地球人の強さを見せてやろうではないか。頑張ってくれ!」byサイダス


無定見なODAの戯画化かな。空回りしながらも頑張るサイダスの奮闘が何ともほほえましいです。

契約締結命令

高原俊児をどうするつもりなんです?」by森田


 電通あたりの巨大プロダクションへの強烈な当てこすり。その陰で暗躍するインサイダーの活躍と徒労感を是非味わってください

工事中止命令

「そんな狂信的なロボットに仕事をむりやりやめさせようとしたらいったいどうなると思う?こっちは工事の妨害者として……」by杉岡勉


 ゼネコンへの以下略。
 

虹は消えた

ただ―ぼくはしばらく、それも、きみのいう奇跡の復興の時代に、その国にいたことがあるんだよ」by杉岡勉


 商社への以下略

最後の手段

そんなに一生懸命にやればやるほど、あとの自己嫌悪はひどくなるんじゃないか?」by杉岡勉


 医療業界への以下略

産業士官候補生

その学校は、東京の奥多摩にある。おそらくそこではまるまる七年間、こことは比較にならぬきびしい課程が待っているだろう。しかしそこを卒業しさえすれば、もはや、だれをおそれぬことのないエリートになるのだ。世の中を、自分の手で動かせるのだ」by天野精一郎


作者のエリートと管理教育への憎悪が凄まじいとしか感想の言いようが。

そんなに言うからこの僕は

 時代性もあるんでしょうが、全体的に巨大企業やそこに属するエリートたちへの反発に凝り固まったような作品群でした。なんだか昔の若者が学生運動や暴走族に走った理由が分かる気がする。


笑うは薬  堀内孝雄cover

帰ってきた今日の一行知識

以前は太陽系内に水星より太陽に近い惑星があると信じられていた
名付けてバルカン。キン肉マンのプラネットマンでもモチーフにされてましたね。しかし本当にあったら日本語名なんになってたんだろう