http://www.seiyuawards.jp/2nd_finish.html
ほう。糸色望と三千院ナギはサブキャラクターですか。それは知らなんだ。
風邪は治りましたが、代わりに引越しのタイムスケジュールにとどめの一撃喰らわされました。本格的にさあどおしよお。
- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1963
- メディア: ?
- この商品を含むブログ (1件) を見る
瞳に映らないものほどきっときっと強いはずだから
剣
「単調なくらゐでいいんだ。学生のアルバイトは、下手に頭を使ふ仕事はいかんよ。勉強にも運動にも差支へる」by木内
完璧を目指す文武両道才色兼備の天才剣士の些細で取り返しのつかない蹉跌の物語。
三島の文学の象徴。男の色気満載な短編。心身共に腹が立つほどの完璧超人がどうしてこう魅力的に描けるのでしょう。その完璧さが逆に異形の妖しい魅力となっています。国分次郎と彼を慕う壬生、嫉妬交じりの歪んだ友情を抱く賀川の三角関係は見物。凡百のBLに飽いた貴腐人垂涎の一作。
月
「このごろアフリカぢや、ビニールの鰐がいつぱいゐるんだつて」by誰か
薬と享楽に狂う若人彼らは時代の落伍者かそれとも先駆者か。
当時最先端のアングラ文化に浸る退廃的な若者達を描いた一作。三島をしても、時代の流れには勝てないかと思わせる一作。最先端の文化ってのはどうして振り返って見るとこんなにもダサて醜怪なものにくなってしまうのでしょう。『蛇にピアス』だの『蹴りたい背中』だのの数年後の感想が恐ろしくなります。あと、とりあえず、ルービだのズージャのギョーカイ用語が頻発するせいでどうしても質の悪いギャグにしか見えないのも残念。
葡萄パン
「強力にハクい女だってゴーギが言ふんだよ」byピータア
狂乱の宴第二夜。
前作の続き。よって感想も同じ。退屈。飛ばし読み推奨。
雨の中の噴水
「別れよう!」by明男
俺は今日初めて女をふる!
中二病真っ盛りな純な少年の物語。自己陶酔甚だしい少年の心情描写が秀逸なのですが、読後感はふられた女の子の最後の一言に全部持っていかれてしまいます。嗚呼女は怖い。
帽子の花
「ダグ・ハムマーショルドが……」byイタリイ系の男
三島がSF!
珍しくSFチックなお話。SFやるには三島の文章は華美すぎます。酩酊感通り越して泥酔したような感覚が味わえます。
魔法瓶
「チェリー・ジュビリイはお気に召しましたか」by給仕
異国での捨てた女との再会。
佳作。あんま書くことないです。
真珠
「うん、この舌ざはりはたしかに真珠だわ」by佐々木夫人
三島がコメディ!
とある誕生日会でのちょっとしたトラブルをめぐる5人の上流階級夫人の悲喜劇。5人のキャラ立ちもしっかりしたもので、よくできた上質の笑いを堪能できます。とりあえず佐々木夫人の鷹揚さというか無頓着さが最高です。
切符
「よくものめのめとこんなところへ来られたものだ」by松山仙一郎
三島が怪談!
明らかに主人公が妄想に囚われているって描写から、さあどう落とすかと期待を掻き立て、それを裏切らぬ綺麗なオチ。文章が綺麗なだけでなく、構成力も抜群ってのは反則です。