脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

詩集と反日小説の書き方と柳川夫妻について

新・豪血寺一族 -煩悩開放- レッツゴー!陰陽師 PV - YouTube
ブリトラグループ魂などのコミックソングから、「巫女みこナース 愛のテーマ」・「メイドさんロックンロール」などの電波ソングまで、イロモノ大好きな私ですが、また一ついいのを見つけました。カラオケとか入ってないかな。


 明けましておめでとう…ってこれ昨日やったな。韜晦はこれくらいにして、さっさと本文に入りましょう。一週間のブランクでどれだけ腕が落ちてるか、乞うご期待。
 てな訳で今宵の御題は「詩集」「反日小説の書き方」「浅田次郎+梁文秀+玲玲」。最近東アジアづいてますね。

世界の終わり それは今日 だったらどうしよう 永遠に寄り添おう

詩集

ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE〜 - 脱積読宣言

詩集
 詩を集めた書物。(『大漢語林』より引用)

 中国最古の詩集というと五経の一『詩経』が有名ですが、「詩集」という単語というか書名の初出は『隋書』巻三十五「経籍志」*1まで下るようです。しかし、この言葉の出来た唐代には士大夫の必須教養だった詩も最近は「女子供」のおもちゃになり下がっている感があります。ありのままの言葉で自分を表現だとか、文才のない人間の言い訳にしか聞こえません。言文一致運動の弊害ここにありって感じでしょうか。もう少し文章とは職人芸的特殊技術であり、訓練してない素人には扱えないものだという現実を周知させるべきだと思います。喋るように書けばいいなんて大嘘をガッコで教えるからこうなってしまうのです。
 以上、高二病真っ盛りの負け犬の遠吠えでした。

姉ちゃんの詩集 (MouRa)

姉ちゃんの詩集 (MouRa)

反日小説の書き方

Fool on the planet - 脱積読宣言

韓国・反日小説の書き方
野平俊水著、1996.6.15亜紀書房より第一版第一刷発行。289ページ、定価1800円。
収録内容
第一章「反日小説の書き方」
第二章「朝鮮王朝における反日小説」
第三章「「克日論」と反日小説」
第四章「日韓関係逆転の発想」

 十年前の本とは思えないほど全然変わってない現状*2が微笑ましい名著。正直2chのハン板を見てれば何の目新しさもない様な内容ですが、『ゴーマニズム宣言』の衝撃すら未だ訪れていない十年前の作品と思えばその先見の明を誉むるべきでしょう。あと、昨今の「嫌韓厨」とは違い、韓国を知悉し限りない愛情を注いでいるのが感じられます。今更手遅れになって必死の韓国・在日弁護に走っているマスゴミの皆様は、この本を黙殺したことの愚かさを噛み締めるべきでしょう。野焼きは大切ですね。
 オマケに韓国の反日作品で一番ツボに来たのを紹介。小学生の書いた反日絵を地下鉄の駅に張り出して大問題になった時の絵「韓国国旗を持って竹島に仁王立ちし、『独島は韓国領土』と叫ぶセーラームーン」です。何処から突っ込むべきか、何処まで突っ込むべきか判断の難しい批評家のセンスの問われる一枚ではないでしょうか。

韓国・反日小説の書き方

韓国・反日小説の書き方

浅田次郎+梁文秀+玲玲

勇侠青春謳pt2 - 脱積読宣言

浅田次郎
昭和二十六(1951)年〜。東京都出身。本名:岩田孝次郎。中央大杉並高校卒業。
受賞歴
第16回吉川英治文学新人賞(『地下鉄に乗って』)、第117回直木賞(『鉄道員』)、第13回柴田錬三郎賞(『壬生義士伝』)、第29回ベスト・ドレッサー賞(学術文芸部門)【、第1回中央公論文芸賞(『お腹召しませ』)・第10回司馬遼太郎賞(『お腹召しませ』)】
略歴
 三島由紀夫*3の自決をきっかけに自衛隊に入隊。満期除隊後、マルチ商法など様々な職業を経て、40歳の時『とられてたまるか!』でデビュー。1997.7『鉄道員』で第117回直木賞を受賞。初期に目立った極道小説から都会小説・歴史小説・ミステリー・エッセイなど著作は多岐に亙る。'98短編集『鉄道員』の一編「ラブレター」、'99「鉄道員」、2000『天国までの百マイル』が映画化される。(『新訂 作家・小説家人名事典』より引用。【】は管理人追記。)

梁文秀(日本名:柳川文秀)
所属・役職
翰林院修撰→内閣中書→軍機章京→軍機章京兼礼部侍郎→軍機章京兼参預新政→早稲田大学教授(北京語)
家族構成
父:「梁大爺」、母:「朱妾」、異母兄:文源
妻:楊氏*4→柳川りん(玲玲)
子:「少爺」(母楊氏)、清一*5(母玲玲)
略歴
 同治六(1867)年〜。字は史了。直隷省静海県梁家屯の人。光緒十三(1887)年状元にて進士登第。岳父楊喜腊*6の引きにより、変法自強運動に参画。穏健派の代表として、過激派の康有為*7らの暴走を掣肘するも、戊戌の政変により運動は頓挫し、伊藤博文*8・鎮国公載沢*9らの手引きにより日本に亡命。日本に帰化後は、孫文*10ら過激革命分子はおろか、穏健改革派の留学生とも距離を置き、政治の世界とは関わろうとしない隠棲生活を満喫中。*11
 モデルは梁啓超*12
登場作品:『蒼穹の昴』上・下、『中原の虹』一・二 
初登場:『蒼穹の昴』上、第一章「科挙登第」一

李玲玲(日本名:柳川りん)
家族構成
父:「爸爸」、母:「媽媽」
兄:春風*13・春雪・春雷*14・春雲*15
夫:柳川文秀(梁文秀)
子:清一
略歴
 光緒六(1880)年〜。直隷省静海県梁家屯の人。両親・長兄・次兄を失い、三兄・四兄にも出奔され、孤児となっていたところを梁文秀に拾われ、使用人になる。その後、譚嗣同*16と婚約するも、戊戌の政変により譚嗣同は処刑される。兄春児の手引きにより日本に亡命後、梁文秀と結婚。現在*17は夫と一児と共に牛込で平凡な家庭を営む。
登場作品:『蒼穹の昴』上・下、『中原の虹』二
初登場:『蒼穹の昴』上、第二章「乾隆の玉」十四

 不倶戴天の敵味方に分かたれた親友達の運命は如何に。というメインテーマの下に開始された『蒼穹の昴』の主人公の片割れが梁文秀。「富裕層」「官僚」「帝党」に属する知識人階層の代表として、「貧民」「宦官」「后党」の無学文盲の苦労人代表の李春雲と対抗し、唐宋代から続く官僚vs宦官の確執と戊戌の変法における西太后*18と光緒帝*19の骨肉の争いを描写する予定だったはずが、途中でテーマが「天命なき王国の延命の為に自身を犠牲にした『親子』*20の悲劇」に変わっちゃった所為で、後半は全く主人公らしい活躍をさせてもらえなかった可哀想な子です。
 玲玲も本来なら最愛の人史了と兄春児との狭間で悩み苦しみ傷つきながらも、最後の和解の仲介をするメインヒロインの予定が、途中で端役の譚嗣同に下げ渡され、エピローグのドサクサでようやく梁文秀と結ばれるという悲惨な扱いを受ける羽目になっています。運命、別名作者の都合と気まぐれに翻弄された両名に幸多からんことを。

 
 さてそんな二人の今後の予想ですが、二人とも解決すべきイベントというか伏線が残されていますので、『中原の虹』の三巻以降での再登場はまず確定的でしょう。まず分かりやすいのは玲玲の方、兄二人との再会イベントという堅実なのが待ち受けています。特に春雷の方は最近影が薄いとは言え、一応『中原の虹』の主人公というか語り部の一人なので、流石にこれを無視ったりはしないでしょう。
 難しいのは梁文秀の方、『蒼穹の昴』は彼の挫折で終わっていますので、続編を書いてしまった以上、復活イベントを用意してやるべきなのですが、それがどういう形になるのかが今一想像しにくいです。モデルの梁啓超の事績を辿るなら、中華民国成立後に袁世凱の幕下に参じて民国の経営に参画するはずなのですが、梁文秀の性格を見るにそれは考え難いような気がします。『蒼穹の昴』のラストで「僕らのなすべきことは、決して施しであってはならなかった。日照りの夏はともに涙を涸らし、凍えた大地の上をともに転げ回ることこそ、彼らの中から選ばれた政治家の使命なのだということに、僕はついぞ気付かなかった。」なんて妙な悟りを開いてますし、孫文を経由して毛沢東*21に付くのが妥当なのかもしれません。丁度かつての盟友の王逸*22毛沢東の家庭教師をやってますしね。
 とすると、天命の具体たる龍玉をその手にする張親子*23に与する李兄弟*24と光緒帝に中華革命の「遺勅」を託された孫文に協力する梁文秀の戦いなんてのが見られるのでしょうか。想像するだにわくわくしてきます。もし張作霖*25死後も連載が続けば、国共合作を為し遂げた際に、張学良*26から毛沢東への龍玉の禅譲が行われ、今までずっと敵味方だった梁文秀と李春雲の和解がなったりするんでしょうか。妄想は止まりません。そんな展開の気になる『中原の虹』の次巻第三巻は講談社より三月発売予定。刮目して待て。

蒼穹の昴(上)

蒼穹の昴(上)

出鱈目 生真面目 みじかめ希ボンヌ

 首脳陣の無能により一度は同じように亡国の憂き目にあった極東の三ヶ国ですがそれぞれの現状は当然ながら違います。亡国の事実に耐え切れず反日小説の書き方なぞに逃避して責任転嫁する韓国。占領軍の残した遺命を一言一句破るまいと自縄自縛に陥っている日本。この二つに比べるとやはり中国様は違います。第二次大戦の戦火や革命の自傷からいち早く立ち直り、人口十五億を抱える超大国へとのし上がるその姿には浅田次郎ならずとも惚れてしまいそうです。
 とはいえあんな歪な国が長持ちするとはとうてい思えません。玲玲の実家のような零細農民の生活向上はまだ光すら射さない状態で、土民の一斉蜂起で一国が顚覆してしまいそうな危うさとバイタリティーを感じさせます。おそらく、2010年の上海万博が終わりバブルが弾けてからが正念場でしょう。あっさり潰れてもらっては困る程度には私も利害関係をかの国とは通じてますので、是非とも踏ん張ってもらいたいものです。まあ経済大国を捨て、梁文秀のようなバキバキの士大夫が詩集を編むような超絶的文化帝国に先祖返りってものもいいかもしれませんが。ってゆうか、是非そうなって欲しいものです。アメリグローバリズムと日本オタクカルチャーと中華大漢字文化圏の天下三分なんてわくわくするじゃあありませんか。麻生大臣・胡錦涛国家主席期待してますよ。

今日の一行知識

日帝朝鮮半島の龍脈を断ち切る為、各地の点穴に鉄杭を打ち込んだ
卑劣にして野蛮なチョッパリどもは、財を毀ち、姓を奪い、女を犯すだけでは飽き足らず、大地の活力すら衰えさそうとしたのである。これは惨めなウェノムどもが韓半島の豊かさに嫉妬している証拠に違いないニダ。

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*1:詩集五十巻【謝霊運撰。梁五十一巻。又有宋侍中張敷袁淑補謝霊運詩集一百巻、又詩集百巻、并例録二巻。顔峻撰詩集四十巻。宋明帝撰雑詩七十九巻。江邃撰雑詩二十巻。宋太子洗馬劉和注二晋雑詩二十巻。古今五言詩美文五巻。荀綽撰詩鈔十巻。亡。】」【】内は割注。

*2:描写されている日本人がバブル期真っ盛りのおバカ世代なので、あんな世代と一緒にすんなと言いたくはなりますが

*3:楯の会会長。代表作:『仮面の告白』『金閣寺』『潮騒

*4:父楊喜腊

*5:字は復生。

*6:礼部尚書

*7:字は広廈。広東省南海県の人。戊戌の変法の中心人物。

*8:初代内閣総理大臣。父林十蔵、養父直右衛門。幼名俊輔。

*9:父奕訶。

*10:字は逸仙。広東省香山の人。中華民国初代大総統。

*11:『中原の虹 第二巻』時点。

*12:字は卓如。広東省新会県の人。段祺瑞内閣財政総長。

*13:梁文秀の義兄弟。通称「大哥」

*14:張作霖総覧把の五当家。通称「不死身の雷哥」

*15:御前大総管太監。通称「春児」

*16:字は復生。湖南省瀏陽の人。軍機四卿が一。

*17:『中原の虹 第二巻』時点。

*18:葉赫那拉氏。咸豊帝の側室(貴妃)。同治帝の母。

*19:徳宗。諱は載諸煤B清朝第十一代皇帝。父醇親王奕勝ヘ、母葉赫那拉氏。

*20:西太后にとって光緒帝は、血統上の関係では実の甥(母が西太后の妹。)。ただ西太后は光緒帝に自分を「親爸爸(おとうさん)」と呼ばせ、擬似親子関係を構築していた。

*21:字は潤之。湖南省湘潭県の人。初代中央人民政府主席。

*22:梁文秀の同期の進士「探花」登第。

*23:張作霖・学良

*24:李春雷・春雲

*25:字は雨亭。遼寧省瀋陽の人。奉天派の首領。

*26:字は漢卿。遼寧省海城県の人。国共合作の立役者。