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メイド服でツーリング。こういうノリ大好きです。
久しぶりの通常更新。シーズン終わったらどういう形式にしよう?
- 作者: オメガ社
- 出版社/メーカー: 新人物往来社
- 発売日: 1989/07
- メディア: 単行本
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ときはなて秘めた力 いつまでもどこまでも走りぬくため
戦国期から江戸期に権勢を誇った近畿の名族佐々木・浅井・蒲生・筒井・柳生・赤松の六氏の成り立ちとエピソードを実力派の学者を集めた執筆陣が活写する。家系図作りのお供にどうぞ。
学者さんのアンソロジーなので、各人で読みやすさに格段の差があります。個人的な感想では小和田哲男(浅井)≧熱田公(赤松)>>安彦勘吾(柳生)≧下坂守(佐々木)>藤田達生(蒲生)>朝倉弘(筒井)の順で、小和田熱田両氏が及第点と言った感じでしょうか。博士課程にライターの実技も必修にしてもらいたいものです。
さて身の程知らずの悪口は程々にして、内容ですが、名族と銘打つ割りにはしょぼいのしかおらんな。といった感じです。佐々木氏以外は正直何処の馬の骨かも分からんような連中な気がします。やはり、権力闘争渦巻く中央では長生きできないということなのでしょうか。「天皇より高貴な血統」の藤原氏の凄さが改めて感じられます。
死の淵を綱渡りで 何のため誰のため挑む
以下備忘録代わりのメモ。
佐々木氏
六角・京極両氏の源流となる滋賀の名家。敦実親王*1の子源雅信*2を祖とする正真正銘の宇多源氏。以下のポッとでの似非名家とは格が違います。バサラの代表佐々木(京極)道誉や信長に最後まで抵抗した六角承禎が比較的有名でしょうか。
沿革:保元の乱で近江に確固たる地盤を築くも、続く平治の乱で義家に加担された為、当主秀義は相模に下向。頼朝の挙兵に参加し、鎌倉幕府に大きな地位を占める。しかし、承久の変で一族の多くが上皇方についた為、再び近江一国の守護に後退。同時期に大原・高島・京極・六角の四氏に分かれる。
室町期は京極氏は四職の一家として重きを為し、六角氏も強大な守護大名としてしばしば幕府と対立した。
戦国期に入ると、江北を京極氏、江南を六角氏が支配する様になるが、浅井氏の台頭により、京極氏は江北から駆逐され、小浜で細々と命脈を繋ぐのみになる。一方の六角氏も蒲生ら国人一揆の勃興に伴い勢力は逓減し、最終的には信長の上洛に歯向かい滅亡。
かたや京極氏は、高吉が秀吉に自身の娘を差し出し早々に帰順。その縁で高次*3は淀殿の妹お初娶る。この結果、徳川氏とも縁続きとなり、豊臣氏滅亡後も若狭八万五千石*4の大名として命脈を保つ。
浅井氏
自称正親町三条公綱*5の落胤を祖とする藤原氏。実際は出自不明の京極家被官。信長の義兄弟浅井長政が有名。
亮政が京極氏を江北から駆逐し戦国大名化、朝倉氏の援助を受けつつ六角氏に対抗し江北に確固たる地盤を築く。しかし、次の久政の代には六角氏に屈服し、被官化。六角氏の衰退に伴い、長政の代に織田家の援助もあり再独立を果たすも、朝倉・織田の対立が激化した為、織田との同盟は破綻。1573年滅亡。 家名は絶えるも、血脈は残り、長政とお市の方との間の娘茶々・初・江の三姉妹は豊臣・徳川の争いで重要な役割を果たす。因みに真田十勇士の一人根津甚八は長政の三男井頼であるとも言われる。
蒲生氏
南北町の内乱の頃から、甲賀郡の辺りを支配する国人として登場。その後、同地の守護の六角氏と時に協調、時に対立しながら室町期を過ごす。戦国期に入り、六角氏が衰退すると、織田家に臣従。
当初は柴田氏の被官だったようだが、賤ヶ岳の戦いを期に秀吉の被官に乗り換える。以降は秀吉の右腕となり、会津若松九十二万石の大大名として、奥州に君臨。しかし、文禄四(1595)年氏郷が死亡すると、重臣間の対立が激化。それを名目に除封転封を繰り替えされ、最終的には寛永十一(1634)年無嗣断絶。
筒井氏
出自不明。「洞ヶ峠」の筒井順慶が有名。
興福寺の勢力の強い大和で、隣接の河内の実力者と連携対立しつつ、一定の地盤を築く。戦国期には信長に早くから帰順し、越智・松永・三好の各勢力を掣肘し、大和を制圧。秀吉期に、伊勢に転封。順慶死後は、各所を転々とし、最終的には御家人として家名を繋いだ模様。
最後に笑うには 闘い抜くだけ
平安以来の名族は承久の変の敗北で地盤を奪われ、鎌倉末期には悪党が跋扈し、室町期には国人一揆が台頭し、戦国期には信長に駆逐され、豊臣氏の滅亡に伴い粛清される。ざっと上げただけでもこれだけの苦難が近畿を襲っています。この荒波を泳ぎきった京極氏にはまこと頭が下がります。
権力と富が集中する中心地ほど、栄枯盛衰のサイクルが早いのが世のならい。六本木ヒルズにお住まいの勝ち組の皆さん。野垂れ死にの覚悟は完了済みですか?