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心の底からの笑顔が素敵です。一刻も早く他の拉致被害者にも「地上の楽園」を堪能してもらいたいものです。
ネタがないー。今日の御題は「壬生義士伝」「サンダーマスク」「トリニティ」です。
緑の地球を守るため
[小説]壬生義士伝
ありがとう&あいしてる - 脱積読宣言
我等ニ敵ナシ - 脱積読宣言
勇侠青春謳 - 脱積読宣言
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浅田次郎の初の時代小説で、『文芸春秋』1998.9.3号〜2000.3.30号にて連載された作品。'03年には滝田洋二郎監督、主演中井貴一で映画化された。
上記リンク中の一番上で、感想は書いてあるので、省略。の予定でしたが、主人公吉村貫一郎について適当な事書き散らかしてたのが発覚したので、訂正しておきます。
「永倉新八遺稿」に新撰組創立直後に京大坂から募集に応じて集まった新隊士の名簿があり、その一人に「盛岡浪士吉村貫一郎」とあるのが初見に思われます。その後順調に出世し、慶応元年の隊再編時には「諸士取調役並監察」へと昇進を果たします。同時に剣術師範頭に任じられているところから、剣の腕は確かだったのは間違いがなさそうです。その後、鳥羽伏見の戦いの際の隊士名簿には「浪士調役」として名前が挙がっていますが、戦後江戸で再編成した際の名簿には名前が見えないので、その間に死亡したものと考えて間違いないでしょう。「永倉新八遺稿」では戦死でも病死でもなく「殺害せらる」と表現されています。同じ表現は武田観柳斎*1・林信太郎*2に用いられているのでおそらく隊をはぐれた後で何者かに襲われて死亡したのではないでしょうか。
浅田次郎が直木賞を受賞し、乗りに乗ってる時期だけあって、長所も短所も120%発揮されたこれぞ浅田文学といえる作品に仕上がっているのではないでしょうか。テーマも新撰組ととっつきやすいですし、浅田氏への入門には最適のテキストだと思います。
[特撮]サンダーマスク
サンダーマスク
1972.10.6〜73.3.27日本テレビ系列で毎週火曜19:00〜19:30に放映。
企画 東洋エージェンシー・平田昭吾
プロデューサー 森田義一・斎藤ひろみ・堀江和夫
製作 東洋エージェンシー・ひろみプロダクション
音楽 中村二大
特撮 金田啓治
サンダーマスクデザイン 上田ひろし
怪獣デザイン 成田マキホ
CAST
命光一:菅原一高、高瀬まゆみ:井野口一美、魔王デカンダの声:今西正男
手塚治虫によるコミカライズと、『封印作品の謎2』で取り上げられたことで有名な本作ですが、封印された経緯については前回のエントリーで既に取り上げているので、今回は作品そのものについて書いてみようかと思います。尤も、実際に見たことがない(見る手段がない)ので、情報源は岩佐陽一と唐沢なをき頼みですが。
微妙に豪華な面子が乏しい予算で作り上げた野心作。なのですが、ありがちなストーリーを脱却しようという高邁な理想と、弱小プロダクション製作の低予算という現実との相克の結果、『怪獣VOW』などのトンデモ特撮常連のB級作品になってしまいました。代表的なエピソードとしてはシンナーマンと脳を交換された主人公命光一が乱行の限りを尽くす第19話「サンダーマスク発狂」やグダグダな展開で、サイテー最終回グランプリ常連の第26話「さらば勇者輝く星よ」などが有名でしょうか。
『封印作品の謎2』の作者は社会的名作との評価ですが、流石に過大評価と思われます。第二次怪獣ブーム期に粗製濫造された有象無象の特撮作品が偶々封印作品になってしまっただけといいきってしまってもいいんでないでしょうか。
[小ネタ]トリニティ
trinity
the three persons of the Christian Godhead; Father, Son, and Holy Spirit【キリスト教の神格の三つの位格。御父、御子そして聖霊】(『The NEW OXFORD Dictionary of ENGLISH』より引用。日本語訳は管理人)
トリニティと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、私が大学入学したばかりの頃*3に京都で悪名を馳せた悪徳教材販売会社なのですが、今あの会社はどうなってるのでしょう。誰かご存知ありませんか?
戯言はさておき、トリニティとは『サガ フロンティア』に登場する全世界を実質的に統治する巨大組織日本語でいう三位一体説のことであり、父たる神と子たるイエス=キリストと聖霊の三者は唯一なる神のそれぞれのペルソナであるというキリスト教神学上の学説です。乱暴に要約すると、キリストや天使は神が姿を変えて地上に顕現したものである。っていった感じでしょうか。
三位一体の学説はしばしば神学上の議論を巻き起こしており、何度か公会議の議題にも上っています。受験世界史で出て来る、二ケーア公会議*4やコンスタンティノープル公会議*5がそれです。ここから神学上の議論を展開する予定でしたが、五分でKOされたので省略です。テツガクやブンガクすら嫌いなのに神学に歯が立つ訳ありませんでした。反省。
- 作者: アウグスティヌス,泉治典
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とことんまでにやっつける
作品が誕生し世間に出回るには製作者・出資者・販売のトリニティの協力が必要不可欠でしょう。浅田次郎の『壬生義士伝』などがその成功例としてあげれると思います。浅田氏は社会人経験も長い苦労人だからか、編集との連繋体制が密で、宣伝・販売に非常に協力的な作家として有名です。彼のように現場と上層部との連絡協力が上手く言っていれば、『サンダーマスク』のような悲劇は起こらなかったのではないでしょうか。編集の介入を忌み嫌わず、客観的な批評を受ける謙虚さを持つ作家がもう少し多ければ、現在のような大家の作品=ナルシストな自己満足の作品という図式がたしょうなりとも崩れるものと思われます。「編集手を抜くな」とか「誰か突っ込んでやれよ」とかの感想を抱く文章が少しでも減ることを祈って苦言を呈しました。
今日の一行知識
アラブ人の先祖イシュマエルとユダヤ人の先祖イサクは宿命のライバル*6
神話の時代からの因縁じゃあ、和解も糞もありませんね。
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*1:薩摩への内応していたのが発覚し、隊を除名されて、薩摩藩邸に向かう道すがら、慶応二年9.28武田街道銭取の土橋で斎藤一と篠原泰之進に襲撃され死亡
*2:新撰組解散後、永倉新八に従い東北を転戦するも水戸街道で戦死
*3:2000〜02頃
*4:325年キリストは神とは別の存在であり神性を持たないとする非三位一体説を唱えるアリウス派が異端とされる
*5:381年神が直接受肉してキリストになった(神=キリスト=聖霊)とするサベリウス派が異端に
*6:アブラハムを父とする腹違いの兄弟(兄イシュマエル弟イサク)。イサクが正妻の子でイシュマエルが妾の子。イサクの誕生で復権した正妻サラが、妾ハガル(女奴隷)と息子イシュマエルを追放。