脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『るろうに剣心』

http://rurouni.yahoo.co.jp/
こんなん見つけました。にしても、中川翔子は本当に便利使いされてんなあ。

 何事もなかったの様にこの話題はスルーする予定でしたが、コメントが付いてしまったので、誠に遺憾ながら清書しますw消えたのと同じ文章書くのも癪だし何書こうかしらん。

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚 完全版 (01) (ジャンプ・コミックス)

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚 完全版 (01) (ジャンプ・コミックス)

壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない

 己が殺めた数多の魂への鎮魂の為、自身の信じた新国家の理想を守る為、漸くできた大切な人を守る為、「不殺」の信念を胸に明治初年の東京を駆ける美剣士一人。鬼才和月信宏の描く「明治剣客浪漫譚」刮目して見よ。


 耽美な絵柄でうら若き女性のみなさんに大人気の本作。柄にもなく私も嵌ってました。斎藤一来襲から京都到着の辺りの風雲急を告げるが如き雰囲気が最高に大好きです。特に道中で巻町操と出会い、彼女が四乃森蒼紫の関係者だと分かる下りには完全にやられました。
 京都にて待ち受ける最凶の人斬り志々雄真実と十本刀。それに第三勢力として斎藤の属する新政府や蒼紫率いる御庭番衆が介入する。剣心は独りで彼等に対抗できるのか?そして剣心と袂を分かった神谷薫・明神弥彦・相楽左之助らは剣心と和解できるのか?と非常にわくわくして毎週ジャンプを開いた記憶があります。
 京都についてからは斎藤や薫・左之助とあっさり合流するわ、必殺技を覚えるわで、ありきたりな「少年漫画」になってしまったのが非常に残念でなりません。話を盛り上げるのは上手いが肝腎の戦闘シーンを描くの非常に下手というのは少年漫画家にとっては致命的な欠点なようです。
 尤も逆ににいえば、通常作劇上で一番難しいクライマックスへの盛り上がりを提供してくれて、クライマックスは各人の補完に任せるという形式になり、そのことが今でも残る強烈なファンを生み出す要因になったのではないでしょうか。

求めれば求めるほどに せつない距離を感じてる

 非常に叙情的な語り口とメリハリの利いたキャラ造形。この繊細な物語が、野卑で野蛮な少年漫画の論理で台無しにされる過程は見ていて痛々しいものがあります。何が痛々しいって、作者本人が少年漫画的努力と根性、友情のテーゼの信望者であることです。一撃必殺なはずの剣を振り回しながら、友情パワーで立ち上がっては話が成り立ちません。『バジリスク』のように戦闘シーンは不意の一撃で全てが決まるような儚いものにすべきだったのではないでしょうか。やはりチャンバラは少年漫画にはあわないようです。

 この作品はどんなに贔屓目に見ても失敗作です。成長の要素を中途半端に持ち込んでしまった為、中心であるべき「贖罪」のテーマは希薄になっていますし、目先の人気に右往左往するあまり、キャラやエピソードの無駄遣いが目立ちます。しかしながら、いやだからこそ、この作品には麻薬的な魅力が付きまとうのでしょう。夭折した天才を愛でるが如く、かくあればの姿を各人で妄想するのが、この作品の正しい鑑賞法であると私は信じます。もし斎藤×蒼紫があったら。あなたも一緒にはあはあしませんか?
 

今日の一行知識

十本刀の一人「夷腕坊」の中の人は「トリビアの泉」で有名な八嶋智人*1
他に署長とかもやってます。タイアップでもなんでもなくて、売れない役者時代に端役の数合わせで呼ばれたようです。

1/3の純情な感情

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*1:ゲーム版のCVは岩崎征実。流石に呼ぶ金なかったみたいです。