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詳細後述
遅ればせながらアニメの方*1も視聴してみました。正直な感想は、同じ京都アニメーション製作の『フルメタルパニックふもっふ』と同じで、出来がいいのは分かるけど小説版読めばそれだけでよくね?でした。人物は良く動き背景は稠密で作画崩壊とは無縁の安定度、脚本も原作を忠実になぞりながらもアニメ用に変更すべきところはする、細かいところまで神経の行き届いた良作でした。それでもそれだからこそ、小説とアニメという媒体の違いがクローズアップされてしまいます。構成が小説用に最適化されている以上、他媒体では生半可な改変では、原作を超えるものを作るのは難しいのではないでしょうか。いくらプレゼンを通しやすいからといって安易に原作付きに頼らず、オリジナルで勝負して欲しいものです。以下ネタバレ注意
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 文庫
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語りつくせぬ青春の日々
上で最適化の話がでたのですが、この作品の登場人物も、300Pの長編一作用に設定されており、急遽設定を流用してシリーズ化*2した為、展開その他に多少ならざる違和感が付き纏います。そう言えば前回登場人物の紹介端折った記憶があるので、今回紹介してみます。
- キョン(本名不詳)*3・・・本作主人公。SOS団*4中唯一の一般人。この物語は彼の独白で進むが、それを見る限りでは文才はかなりのもの。筆者のアバターなのだから当然のことではあるが。
- 涼宮ハルヒ・・・退屈を忌み嫌い、超能力者・宇宙人・未来人などを捜し求める少女。バイタリティーに騙されがちだが言ってることは、根暗なセカイ系の人と大して変わらない。本人に自覚はないが、世界を思うままに再構築できる能力持つはた迷惑な人物。世界は彼女の見ている夢ではないか、と作中では推察されている。
- 長門有希・・・情報統合思念体謹製対ヒューマノイド用インターフェイスにして、唯一の文芸部員。要するに宇宙人。作中の役割はデウス・エクス・マキナ。性格造形はいわゆる綾波系。
- 朝比奈みくる・・・未来人。SOS団のマスコット。いらない子一号。彼女がいなくても話の構造になんの問題がない*5てゆーかいない方が話がすっきりするかも。本格系のSFにするなら真っ先にリストラされるだろう人物。ジャンルがラノベだったのを神に感謝すべきだろう。
- 古泉一樹・・・超能力者。ハルヒの世界改変を防ぐ使命と能力を持つが、どっちかって言うと、解説役としての役割のほうが重要か。機関に所属している為、世俗的な方面でのデウス・エクス・マキナ役も担う。器用貧乏ないらない子2号
以上のように、キョン・ハルヒ・長門さえいれば十分回せる配置となっています。今回は各人がシリーズ化用の新たな立ち位置を模索する試行錯誤の過渡期に当たるのではないでしょうか。その為、一つの作品としての完成度は低いものとなっています。特に前巻が練りに練られた緻密な構成だったので、続けて読むと、落胆が大きいかもしれません。しかし、次の長編(『〜の消失』)以降はフォーマットも終了して、新たな魅力を獲得することに成功しています。決してこの巻で見限るなんてもったいないことをしないようにお願いします。
君は人生という大きな大きな舞台に立ち
あ、内容に言及するの忘れてた。みんなで自主制作映画を作ろうの巻。*6監督役のハルヒのせいで、現実世界とフィクションのはずの映画の境界が崩れていく。宇宙人と超能力者と一般人はそれを止められるのか。
感想は省略。上述の通り、あんま感心しませんでした。しかし、青春の情動に任せ、支離滅裂な創作を行ったことがある人は感傷にひたれるかも知れません。もっとも、トラウマの方が疼くかも知れませんが。
今日の一行知識
三毛猫のオスは航海安全の守り神
猫好きには常識ですが、三毛は遺伝情報の兼ね合い上ほとんどがメスに生まれます。今すぐ近所のノラの股を確認しましょう。一財産稼げるかもしれませんよ。
- アーティスト: 長渕剛
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1985/11/01
- メディア: CD
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*1:毎週月曜25時30分よりKBS京都にて絶賛放映中
*2:賞を取った新人に拙速に連載を持たせるのはラノベ界の悪習です。
*3:新学期直後の席順で涼宮ハルヒの前の席なので、出席番号がハルヒの一個前と推測できる。更に一巻口絵から混合名簿を採用していることが分かる(キョンの後ろが女のハルヒなのに前の席は男)。最後に『涼宮ハルヒの消失』で出席簿が公開され、涼宮の前は鈴木と確定される。下の名前については、「キョン」という渾名の命名者が親戚の小母さんなので、本名と無関係なネーミングはしないであろう。多分きょうくんが訛ってキョン君になったのではなかろうか。よって、当ブログではキョンの本名を「鈴木恭平」と推定する。
*4:世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団の略称。廃部寸前の文芸部の部室を乗っ取って活動する学校未公認組織。要はハルヒが気の合う仲間を集めてダラダラ遊ぼうという趣旨の団体
*5:タイムトラベルが大好きと思しき作者が、そっちに話を持ってく為のエクスキュースとして配置した疑惑大。事実次の長編以降は時間のワープにリープにループ何でもござれの状況を呈している
*6:冒頭で紹介しているのが、その映画の主題歌兼ダイジェストです。