脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

別院真福寺

痛いニュース(ノ∀`) : 全国的にストレス発散で女性へ身体を強くぶつける「ぶつかり男」多発。逮捕出来るぞ - ライブドアブログ
女性に限らず、歩きスマホ、道の真ん中で立ち止まる奴、通行方向指示無視で逆走してくる奴は真面目に死ねばいいと思う。


 色んな方とのご縁が少しずつ実を結びそうな気配を醸しつつあるこの数日。どれもいい結果に終わりますように。


その笑顔その涙が僕の光だったんだ

真福寺
 東京都港区にある真言宗智山派の寺院。真言宗智山派総本山智積院の別院であり、真言宗智山派の宗務出張所が置かれている。
 1605中興照海*1によって開山された。鉄砲洲*2にあった小庵を現在地に移転して寺院化したものである。幕末期は、江戸城に近いことから外国使節の宿舎に充てられている。オランダのクルティウス*3ロシア帝国プチャーチン*4などが宿泊している。1995「真福寺愛宕東洋ビル」という近代的ビルの高層建築物に建て替えられ、真言宗智山派の拠点にもなっている。 (wikipediaより修整引用)


 新年一発は歴史と由緒ある古刹へということで、智山派の東京本店たる別院真福寺へ。さぞかし立派で荘厳な・・・と思いきやそこにあったのは単なるビジネスビル。都心という立地上仕方のないことではあるんでしょうが、どうしても「堕落」の単語が頭に浮かぶのを止められませんでした。教訓:都心の寺社仏閣に期待しない。

見るもの触れるもの全てが僕を惹きつけて離さなかった

 港区を中心とする都心をサブの仕事場にし始めて早数年。おのぼりさんの田舎者たる自分は何年たっても慣れません。これが日本の目指す先だとしたら、もう衰退局面の方がましと思ってしまう自分は非国民でしょうか。


www.youtube.com

*1:青山忠成に招かれ鉄砲洲に草庵を結び、徳川家康より愛宕に寺領を拝領し真福寺を開山し、真義真言宗触頭役に任じられた。

*2:現・東京都中央区明石町

*3:第166代カピタン。ペリー来航を幕府に通告するも黙殺。以後も日蘭の友好関係の継続に尽力し、日蘭和親条約日蘭修好通商条約締結などの功を挙げた。

*4:Евфимий Васильевич Путятин。ロシア帝国教育大臣。伯爵。海軍元帥。ナヴァリノの海戦で頭角を顕し海軍の外交畑で累進。ぺリー来航を察知し遣日全権使節として来日し、日露和親条約日露修好通商条約締結に尽力。アロー戦争にも介入し天津条約を締結。退役後それらの功により政治家に転身し、教育相などの要職を歴任した。

『爆発物処理班の遭遇したスピン』

【閲覧注意】凧揚げ祭りでガラスコーティングした糸を使い、喉を切り裂かれ6人死亡・176人負傷
伝統の荒くれ祭と最新技術は混ぜたら危険なのはよくわかった。


 本厄明けて、後厄の厄払いも済ませた途端一気に仕事が忙しくなってまいりました。これは瑞兆って喜んでいいやつですよねえ。頼むからロウソクの最後の輝きが・・・なんてオチにはなりませんように。

ナマヌルい毎日にここでサヨナラ言うのさそうさ誰も俺の熱い想い止められない

爆発物処理班の遭遇したスピン

「これまでは0か1の〈二進法〉でやっていた計算が、同時に0でもあり1でもあるという〈量子的重ね合わせ〉を用いることによって、驚異的に速くなるんです。この重ね合わせが量子ビットである」by駒沢


 表題作ということで一押しなんでしょうが、正直一番ぴんと来なかったかな。途中からヘイトがテロリストでなく強権振るう米軍と弱腰の日本政府に向くのはわざとやってんでしょうか。

ジェリーウォーカー

ピート、自分の作ったクリーチャーを世に知らしめたい気持ちはわかるよ。だけど、何かを造形する能力っていうのは、神からのギフトなんだよ。絵がうまいとか、下手だとかいう問題じゃない。私は二十年以上この業界にいるが、才能のあるクリエイターはきまって二十代前半で頭角を現す。そこで注目され、本社に移籍したりメジャーなスタジオへ引き抜かれていったりするのさ。きみはいくつだ?もう三十近いじゃないか。なあ、ピート。自分にないものを追い求めても苦しむだけだ。無理をするな。人生は長い。私たちは自分にできることをやっていこう」by上司


 たしかこれが佐藤究との初邂逅だった気がする。悍ましいイメージの喚起力と後半以降のB級ホラーアクションっぷりとの落差がなかなか印象的。

シヴィル・ライツ

……こんなよ……こんな、つまんねぇことで……」by今井


 闇金ウシジマくんというか殺し屋1の世界観。追いつめられた貧乏ヤクザの惨めさと狂気がこちらを戦慄させます。

猿人マグラ

……幻想文学とかね。ファミコン世代の君にはわからんだろう……」by那珂川哲也


 ドグラマグラと少年探偵団と悪魔の飽食悪魔合体した世界観が地獄の酩酊感で癖になります。

スマイルヘッズ

とてもよいお話です。ただし、本物のドルフィンヘッドであれば―」byわたし


 シリアルキラーアートコレクターっていう地獄の様な性癖が素敵。

ボイルド・オクトパス

それに日本人なんて、うちの親父が戦争で殺し合ったときの縁しかないわけだ」byネイザン=バプティ


 一周まわってプアーホワイトへの差別感情が凄まじく感じれるのは反BLM感情こじらせすぎでしょうか。

九三式

外見で人を判断しちゃいかんな。でも、みんなあんたのように、戦争で人相が変わっちまうんだよ。そして人相が変われば中身も変わる。自分で自分をどう思っていようがね」by早瀬中佐


 本作一の悍ましくもどこか美しさを感じさせる物語。神田神保町での古本探しがどうしてこうなるのかと。

くぎ

あのな、おまえが生まれた町を出ていかない理由って何だ」byヤシン


 テスカトリポカのコシモを思わせる底辺層でのたうつ少年の物語。ラストのカタルシスが急転直下過ぎて今一ついてけませんでしたが、全体的な雰囲気は好きです。

もっと強く激しく心向くままに

 直木賞選考ではさんざ林真理子をバカにしましたが、ようやく少しその気持ちが理解できました。すべての物語に通底するじめじめと湿った暴力の匂いは苦手な人は生理的に全く受け付けないでしょう。逆に言えば、闇金ウシジマくん殺し屋1に昏い感情を覚えてしまう方には間違いなくおススメです。個人的には今後間違いなく追っかけることになるでしょう。


www.youtube.com

『ifの世界線~改変歴史アンソロジー』

【共通テスト痴漢】女装男子が女子高生に女装して受験生への痴漢被害を引き受ける為に電車に乗った結果:ハムスター速報
やられる側になってみないと分からないことってどうしてもありますよね。そう考えるとフェミさんの言い分にも十分首肯できるんですが、いかんせん普段の素行が・・・。


 低気圧の日は全く行動意欲が・・・。折角の休日それで潰れるのはなかなかにつらいものがあります。

月の明かりを背負い絡んできた運命の糸を追う

うたう蜘蛛

指導者たるもの、ときに厳しい決断も必要かもしれません。異端審問に乗り出したときのような大胆さをもって」byカルロス


 中世のパンデミックとロックを悪魔合体させた怪作。西欧文学っぽい重厚さと、ハードロックな頭の悪さがまさかこんなに食い入合わせがいいとは。はなを切るにふさわしい佳作です。

パニック―一九六五年のSNS

あれはいわゆるミドルエイジクライシスだったのだろう。書くこともなくなり、かくなる上は、一右翼として日本に身を捧げるつもりでいた。ところがピーガー右翼の存在があまりに馬鹿らしく、私はいったんノンポリに転じた。しばらく世間を見渡すうち、また新たに書くことも生まれてきた。私は虚飾を身にまとうのをやめ、自然体の文学というものを目指すようになった」by三島由紀夫


 ベトナム戦争の頃にSNS(もどき)があったらの思考実験作。SF要素抑えめで本巻の中でも地に足の着いたIFの物語感満載。上記の様な史実を知ってるものに感涙もののくすぐりもあり、もっと当時の世界情勢知っときたかったなあと思わせる名作です。

一一六二年のlovin' life

才は花開くことを誓わぬ蕾。春が来れば全ての者どもに与えられるものではありませぬ。私はもう、貴女の花を見出しました。あなたに素晴らしい歌を与えた孤独をお誇りくださいまし、式子様」by帥


 よくぞここまで。平安歌壇を舞台に「和歌は詠語として英訳されて初めて鑑賞の対象となる」という設定で繰り広げられる天才的な歌才を持ちながら詠語の技術を持たぬ式子内親王と、和歌は凡庸ながらも詠語の天才である帥との百合というのもおこがましい高潔な関係性の物語。ぶっ飛びまくってるのに、仮にも国文学寄りの元歴史学者志望が「ありそう」と思ってしまう設定の匙加減はもう神業。もう言葉はいらないからただ読めとしか。

大江戸石廓突破仕留

「いや、単に可愛いからだろう……がんすけ、あんたは悪者に向いてないよ」by雷王


 痛快娯楽時代物活劇。他と比べると正直格落ちですが、小川一水をしてそう思わせるって他のレベルどんだけ高いんだと。

二〇〇〇一周目のジャンヌ

私は必ずこの町に再び戻るでしょう。神の与え給うた使命を果たすために。貴方がたの助けに報いるために」byジャンヌ・ダルク


 伴名練が外れな訳もなし。無限回のシミュレーションで歴史上の人物の精神性を暴こうという、昨今大流行りの「歴史上の人物の断罪」への痛烈な皮肉なテーマが出色。そうでなくても、伴名ヒロインの常として実に高潔かつ有能なジャンヌが奇跡やご都合主義を使わず死の宿命を克服し、世界史を塗り替える偉業を果たしていく姿にはもう感動の涙が止まりません。それでいて最後は実に切なくも美しい結末に落着させるのだから見事です。

見せないプライドささやかな君の全てにスウィングする

 テーマが歴史改編で執筆陣が石川宗生・宮内悠介・斜線堂有紀・小川一水・伴名練と自分の好きな作家を上から順にチョイスしたような布陣とこれで面白くない訳がありません。そしてその上がりまくった期待のハードルも見事に超えていってくれます。日本SF界の幾度目かの黄金時代を確信できる最高の読書体験でした。この傑作短編集を世に出してくれた作家陣と出版社に感謝を。

if...

if...

  • アーティスト:DA PUMP
  • Used Item
Amazon

www.youtube.com

『新選組遺聞』

痛いニュース(ノ∀`) : 【話題】チコちゃんの「なんで?」は最悪の愚問である…「5歳児の罵倒芸」に文化人類学者が本気で怒りを抱いたワケ - ライブドアブログ
おっしゃることはごもっともなんですが、TV見る層はそもそも力強く断言されないと知的興奮に繋がらないみたいなんですよね。だからこそ池上彰なんかのなんちゃって専門家たちが人気しちゃってるわけですし。


 大手コンサルが持ち込んだ実現性皆無の机上の空論の増収案を崩すための立論と資料作りで1週間が終わった。マジでコンサルは日本経済の発展阻害要因だと思う。
 

今より誰より輝いて射止めてやる

新選組始末記
 子母澤寛*1の小説。新選組を題材にした作品で、関係者への取材などを取りまとめられていることから、新選組に関する代表的な資料とも捉えられており、その後の幕末を題材にした創作作品に影響を与えた。
 彰義隊隊士で箱館戦争にも従軍した祖父*2を持つ子母澤は、読売新聞記者時代に社会面の続き物の記事で近藤勇*3を取り上げることになり、いろいろ調べているうちに、実像の近藤勇に興味を持ち、研究を始めたという。1923頃から幕末史の権威・尾佐竹猛*4、井野辺茂雄*5、藤井甚太郎*6らを訪ねて、新選組について根掘り葉掘り訊き出すようになり、昭和に入ってからはしきりに京都通いして取材した。'26東京日日新聞(現毎日新聞)社に移り、'28『新選組始末記』を万里閣書房から処女出版した。その後、'29『新選組遺聞』、'31『新選組物語』をそれぞれ発表、それらを含めて'69角川文庫から『新選組始末記』が出版された。つまり、角川文庫版『新選組始末記』にはオリジナルの『新選組始末記』の他に『新選組遺聞』『新選組物語』が含まれ、著者自身によって幾分改訂されている。これらは、中公文庫では「新選組三部作」として3冊別に出版されている。
 本作は、娯楽的な時代小説というよりも、随筆・記録・史談ともつかないものであり、また子母澤自ら取材して集めた幕末の一級資料と捉えられている。ただし、子母澤が自ら後書きで「生き残りの老人のはなしは、疑わしいものもあったが、私は『歴史』というのではなく現実的な話そのもののおもしろさをなるべく聞きもらすまいと心がけた」と述べているように、学術的な意味での史実とは言い難い。また、司馬遼太郎*7は'67最晩年の子母澤と対談し、その対談「幕末よもやま」によれば、司馬は20歳くらいの時に『新選組始末記』を読んで、どうしてもこれは超えられないと思い、子母澤に会いに行って教えを請うたという。子母澤が独自に取材した話としては、新選組の屯所として使われた八木家の息子・為三郎*8から話を聞いた「八木為三郎老人壬生ばなし」、新選組隊士の最後の生き残りだった「稗田利八翁思出話」、などがある。(wikipediaより修整引用)


 子母澤寛新撰組三部作を・・・って意気込んでたら『新選組始末記』は昔blogにも挙げてたのに読み終わってから気付いたので、『新選組遺聞』から。どおりでなんか既視感ある訳だ。
 遺聞では原田左之助とか高台寺党とかの傍流の人達が取り上げられてて結構新鮮なんですが、中でも白眉は壬生屯所の所有者の息子の八木為三郎や近藤勇の婿養子の近藤勇五郎などの遺老達からの聞き書き。当事者でしか知りえないエピソード群は実に魅力的。超然とした化物の印象のあった壬生狼たちの実に人間臭い面を堪能できます。なんにせよ新選組の物語の一次創作といっても過言ではない一冊ですので、新選組を愛でる方や創作の種にしようと思っている方は是非ご一読を。

パチパチッと火花飛ばしてみるか

 あれだけ地味だ地味だと言われていた鎌倉初期が『鎌倉殿の13人』で一気に盛り上がり様々なエピソードが発掘されたり創作されたりして活況を呈しつつある昨今。やはり歴史を学ぶには絶対に「物語」が必要なんだなと改めて。我々もそろそろ人生の後半戦に入り、「語り継ぐ」準備をしなければいけない年齢になってまいりました。後世の人に面白おかしく楽しんでもらえる素材にこのblogがなれればいいなあ。


www.youtube.com

*1:梅谷松太郎。代表作:『父子鷹』・『勝海舟』・『座頭市物語』(小説)他。

*2:梅谷十次郎。角鉄主宰。御家人だったが彰義隊に参加し箱館戦争で捕虜となり、釈放後土着。石狩で網元となり村の顔役として活躍した。

*3:昌宜。新撰組局長。父宮川久次郎、母みよ、養父近藤周斎。変名:大久保大和。天然理心流四代目宗家として武名を挙げ、浪士組に参加し上京。勤皇路線への転向に反発し、芹沢鴨らと共に独立し新撰組を創設。芹沢鴨一派粛清後は、池田屋事件禁門の変で活躍し、幕臣として累進。鳥羽伏見の戦い敗戦後、甲陽鎮撫隊に改組するも甲州勝沼の戦いに敗れ隊は崩壊。流山で再起を図っているところを逮捕処刑。

*4:大審院判事。明治法律学校卒業後第1回判事試験に合格し、要職を歴任。大審院判事まで累進した。憲政史や刑罰史など法制史の研究にも熱心で明治文化研究会の設立にも参画した。

*5:国史大辞典』・『大日本史料』(編集)、『維新前史の研究』(著作)他。

*6:日本近代史学会初代会長。代表作:『明治維新史講話』、『日本憲法制定史』他。

*7:福田定一。父是定、母直枝。代表作:『竜馬がゆく』・『坂の上の雲』・『翔ぶが如く』(小説)他。

*8:父八木源之丞。

『武家の女性』

1990年代のオタクの方が地獄だったぞ:哲学ニュースnwk
ヲタ趣味なんて、ごく当然に恥ずかしくて隠すべきスティグマでしたもんね。このblogの最初期も今から考えると信じれませんがヲタ趣味表明するの恐る恐るやってたのを懐かしく思い出します。


 正月ボケが猖獗を極める中、世間は松も外れボチボチ通常営業へ。うん、全く社会復帰ができる気がしないけど大丈夫かなあ、これ。

悲しみを身ごもって優しさに育てるの女なら耐えられる痛みなのでしょう

武家の女性
 幕末の水戸藩の下級武士の家に生まれ育った母・千世*1の思い出話をもとに武士の家庭と女性の日常の暮しをいきいきと描き出した庶民生活誌。動乱に明けくれる苛酷な時代の中で精一杯生きる女たちが巧みな筆致で描かれる。女性解放運動のすぐれた思想家であった著者*2が、戦時下の閉塞状況の中で書き下ろした名著。(岩波文庫表紙解説より引用)


 Colabo騒動などで注目著しい女性救済運動の遠祖の思想を学ぼう、って訳で岩波文庫で出てた山川菊栄の『武家の女性』をチョイス。といいつつも、内容は幕末動乱期の水戸で幼少期を過ごした母の思い出話のまとめで思想的主張もほとんどなく、幕末期の民俗史料として超一級品の読み応え。女性っていうより子供の視点から見た中級武家の生活は実に貴重です。更に時代と舞台がちょうど天狗党と俗論党の血で血を洗う政争の真っ只中ですんで、あの争いが女子供からはどう見えていたのかって非常に興味深い視点も提示してくれます。以上、よくも悪くも山川菊栄の本と身構えて読むと思いっきり肩すかし食らいますが、そんな思想的バイアスで読むのを躊躇するのは損失と言って過言でない名著です。是非ご一読を。

つわものどもが夢のあとだね静かな波が打ち寄せてる

 ここで個人的男女の性差と同権運動についての私見を少々。「女性には「出産」という独自の機能に大幅にリソースを割いてもらっているのだから、男性は女性を配慮庇護するのは当然。但し、社会って戦場に出てきて最前線に立つのであるのならば、性差も知能体力性格持病etcと同じ「個性」として、言い訳なく覚悟と責任を共有すべき」で、「そんなの極論なの知ってるから大人しく役割分担しようよう」が本音かな。賢明なる女性の皆さん、知っての通り男なんて、ちょっとおだてれば貢ぐのも自己犠牲も心から喜んで行うちょろい生物なんですから、上手くやって欲しいなあと。

アン・ルイス ベストセレクション VAL-154

アン・ルイス ベストセレクション VAL-154

Amazon

www.youtube.com

*1:森田龍之助夫人。父青山延寿、母(関口)きく。子に矢野志都栄・山川菊栄・青山延敏・佐々城松栄。

*2:労働省初代婦人少年局長。父森田龍之助、母(青山)千世。夫に山川均。社会主義に傾倒し山川均と結婚。赤爛会を創設するなど社会主義的婦人運動の旗手として活躍。代表作:『覚書 幕末の水戸藩』・『女二代の記 わたしの半自叙伝』・『日本婦人運動小史』(著作)他。

『流浪地球』

痛いニュース(ノ∀`) : 東京国立博物館館長「予算割当が少なすぎて国宝を守れない」 - ライブドアブログ
クールジャパンとか表現の不自由展とかの上級国民やサヨクのお遊戯会に出す金あるならこっちに回せと。


 にじさんじ麻雀杯2023を視聴。ああやっぱり麻雀はいいなあと。以下感想箇条書き

  • 初日はKグループから視聴。東風かつ初心者混じりの大荒れ麻雀は見てる方は楽しいですが、中上級者は頭かかえただろうなア。
  • 両面待ち重視派の自分としてはペンチャンカンチャンシャボノベタンの悪形待ちが多くてちょっとストレス
  • お祭りなんでしょうがないと言えばしょうがないですが、ようやく出た役満が、半分差し込みみたいな感じになっちゃったのがちょっと残念。
  • 2日目は準決勝2卓の途中から視聴。見始めた途端3倍満でまくるも400点届かず敗退って劇的な展開に驚愕。
  • 準決勝3卓:圧倒的雀力で快調に逃げる渋谷ハジメを昨日の役満上がった勢いそのままにオーラスで物述有栖が親マン直撃で差し切る展開は実ににじさんじ
  • 準決勝4卓:堅実なうち回しを見せる残り3人を横目に傍若無人な暴君ぶりを見せて空星きらめが1着。推しの緑仙はここで敗退でしたが、始めて1か月でよくぞここまで。事後も牌譜検討配信してたりとがっつり麻雀にはまったようでなにより。
  • 決勝:正直地味な面子で心配しましたが、東1局から四暗刻未遂にその後も満貫跳満が飛び交う豪運の怪獣大決戦で見ごたえ抜群。挙句に最後はわずか700点差での決着と見応え充分。麻雀の楽しさを再確認させてもらいました。
  • 手積派でしたが、今度俺も雀魂ダウンロードしてみようかなあ。

熱い鼓動で涙が止まらない悲しい友の声は何を憂う

流浪地球

地球派のバカといっしょに地球で死ぬなんてイヤだ!」by宇宙船派の男の子


 宇宙船地球号というか妖星ゴラスというか。爆発せんとする太陽から避難するために地球を宇宙船にして外宇宙へ飛び出そうって壮大なスケールのお話。リアリティと詩情を両立させた描写でその風景がまるで目に浮かぶよう。しかしそれにしたって、「革命」で主流派が失脚した瞬間一族郎党余さず粛清虐殺の選択肢をノータイムで取るあたり実に大陸的だなあと。

ミクロ紀元

先輩、ミクロ紀元はあなたを歓迎します」by地球連合政府最高執政官


 打って変わってのどかで希望にあふれた未来図を提示する牧歌的な一作。スローライフを超えたスモールライフがここまで魅力的なユートピアたりうるとは。アイデア自体はふた昔くらい前の雰囲気を漂わせてますが、それをうまく現代に合わせれてるなあと感心。とりあえず最高執政官殿に萌えた。

呑食者

「はっはっは。虫けらにしてはすばらしいアイデアじゃないか。気に入った。野蛮なところがいい。野蛮こそもっとも美しい」by大牙


 個人的最高傑作。暴虐をふるう圧倒的強者に対し、蟷螂の斧を振りかざし一撃食らわせるっていう日本的美学に満ち溢れた作品。その一撃がヤケクソのお祈りや自己満の特攻ではなく理と策をめぐらし尽くした渾身と確信の一撃なのがかなわないなあと。

呪い5.0

もしチャビがタクシーに乗っていたら、事故を起こして殺せ!』by「呪い」3.0


 結末は実に破滅的ですが、実にコミカルな感じでころころと事態がエスカレートしていく様は手を叩いて笑えます。洒脱ってのは多分こういうことを言うんでしょう。

中国太陽

だとしても、それなりの経歴は必要でしょう。近年都市部では大学以上の高等教育があたりまえになっている。そんな時代に、文盲を宇宙に送るなんて」by中国太陽プロジェクト指令センター幹部


 人工太陽と高層ビル清掃員と宇宙飛行士という三題噺かという脈絡のないテーマをうまく一つにまとめた佳作。根底に流れる肉体労働賛歌はマオイズムの残滓が・・・なんて言っちゃうと失礼でしょうか。

好き嫌いの問題ではない。われわれは山に登らなくてはならない。by異星人


 詩的で内省的なテーマかと思いきや、地中で発生発展した異性文明の興隆譚にころりと話が変わって面食らいました。ハッタリの利かせ方と妙な説得力が実にベイリー味が・・・って感想はあってんでしょうか。

変わりゆく街は明日なき無情の世界

 劉慈欣氏の作品を読む度感じるのは、やっぱ中華のスケールには敵わんわと。偉大なる中華文明が一刻も早く前世紀の遺物たる中共のくびきを離れ、パクス・チーナを実現してくれますことを願って。


www.youtube.com

『総特集伊藤理佐~おんなの人生濃縮還元』

痛いニュース(ノ∀`) : 【悲報】酔えるグミ「パリピ気分」が未成年の間で大流行してしまう - ライブドアブログ
社用車乗らないと仕事にならん身としては色んな意味での「事故」が怖すぎる。


 唐突に思い出した実家の感想。母が毎年恒例で買ってる年末ジャンボ宝くじ。今年はミニを買ったとのことで当選番号調べるの手伝ったのですが、1等当選番号の一つ「102379」が書かれた籤がそこに。残念ながら組違いで外れでしたがめちゃめちゃ盛り上がりました。こうやって人はギャンブル沼にはまってくんだろうなあ。

今宵洗いざらい話してくれ傍観者じゃ勿体ない

伊藤理佐
 昭和四十四(1969)年~。日本の漫画家。長野県諏訪郡原村出身。血液型:O型。代表作に『おいピータン!!』『ヒゲぴよ』『幸福のススメ』『おるちゅばんエビちゅ』『やっちまったよ一戸建て!!』など。
 板金塗装店を経営する両親の元に三姉妹の長女として生まれる。小学生の頃に鈴木光明*1の『少女まんが入門』を読み漫画を書き始める。1987長野県諏訪二葉高等学校の在学中に『月刊ASUKA』へ投稿した短編ギャグ漫画「おとうさんの休日」が掲載されデビュー。高校卒業後は上京し、女子美術大学短期大学部彫塑科に入る。アシスタントをしながら自分の作品も描いた。猫好きであり、作品内にも猫が描かれることが多い。一度の離婚歴があるが、2007漫画家の吉田戦車*2と再婚した。吉田とは若い頃からの飲み仲間だったが、お互いの初婚後は疎遠になるも、離婚後に二ノ宮知子*3の『のだめカンタービレ』が講談社漫画賞を受賞した際の記念パーティーで再会し、その後交際に発展して結婚した。その後妊娠し、'10.1.14女児を出産した。この際、『おんなの窓』は吉田戦車が『おとこの窓』として4回にわたりピンチヒッターを務めた。『やっちまったよ一戸建て!!』で書かれた新築の一戸建ては吉田との再婚時に売却し、現在は別の中古物件を住居兼仕事場にしている。また『ダ・ヴィンチ』2006年12月号にて、本人は自分を「酒ラン(酒乱)」と考えていることを告白するなど、酒豪である。『おいピータン!!』で第29回講談社漫画賞少女部門受賞。『女いっぴき猫ふたり』など一連の作品で第10回手塚治虫文化賞短編部門受賞。(wikipediaより修整引用)


 河出書房新社の総特集シリーズについに伊藤理佐が登場!女流エッセイストとして国内随一と信じる彼女がようやく世に認められたかと分不相応な後方彼氏面。残念ながら、『おいピータン!!』とか『おるすばんエビちゅ』とかのフィクション作品群が言及分析の主力なんで、珠玉のエッセイ群の扱いが小さめなのに少なからず不満が。とは言え、多彩なゲストに、かなり踏み込んだ作品論にと非常に読み応えのある一冊となっております。個人的にはぱっと見下手や雑に見えてしまう伊藤女史の絵を構図等の面から「上手い」と絶賛されまくっており、素人と玄人だと全く見えてるものが違うんだなあと感心。ファンの方は必見の一冊となってますので是非ご一読を。

今宵のらりくらり自由奔放存在証明がしたい

 30年に亘り第一線で活躍し続ける一流どころの大作家なはずなんですが、サブカル方面やマニア筋からの評価がどうしても低くなってしまうのが、日常エッセイ系漫画家の宿命。尖ったところのある面白さでないとなかなか評価はされづらいですよね。こういった良くも悪くもプロダクトを量産する職人さんにももう少し陽の光を当てられるような言論空間を構築できるといいですね。


www.youtube.com

*1:代表作:『江戸大変録』、「織田信長」、「もも子探偵長」(漫画)他。

*2:代表作:『伝染るんです。』、『殴るぞ』、『ぷりぷり県』他。

*3:のだめカンタービレ』、『天才ファミリー・カンパニー』、『七つ屋 志のぶの宝石匣』(漫画)他。