第2回戦●1-2
エース爆誕。去年甲子園を沸かせた吉田輝星君が鮮烈デビュー。大エース大瀬良と投げ合って見事な勝利。10数年前のダルビッシュのデビューを思い起こさせます。さすがは、新人エースへのセール役に定評のある我らがカープです。ケッ。
エース爆誕。去年甲子園を沸かせた吉田輝星君が鮮烈デビュー。大エース大瀬良と投げ合って見事な勝利。10数年前のダルビッシュのデビューを思い起こさせます。さすがは、新人エースへのセール役に定評のある我らがカープです。ケッ。
89歳老害、商店街をクレームでぶっ潰す「私は法律に基づいている。一片のスキもない」看板を壊す、のぼりを切る、商品を投げるなど:ハムスター速報
朝のワイドショーでこのニュース観ましたが、これ完全に商店街組合と自治体の怠慢。さっさと条例で道路使用を容認すべき。誰も守れない法律放置しとくのは日本人の悪癖です。
参議院選も近づいて佐藤まさひさ事務所がポスティングのボランティア募集してたので志願。運動と近隣の探検がてら頑張るぞー。
SRWT進捗
ヤコブスの豚・カバラ・薔薇十字・サバト・黒ミサ・ホムンクルス・タロット・自然魔法・ジル=ド=レエetc。中世暗黒時代に皮肉にも花開いた黒魔術の数々の清華を鬼才澁澤龍彦がえぐる
ああ、なんて中二病だ(歓喜)。感想はこれに尽きる気がしなくはありませんが、とりあえず少し真面目に。1960年代から80年代にかけて一世を風靡した澁澤龍彦の初期の著作。下等なものとして無視されていた中世暗黒時代の黒魔術を天才的な筆致で衒学的に語り倒す。一遍はまるとドツボにハマるタイプの業の深い作品。私の世代だとサブカル系の代名詞みたいな作品群で、ご多分に漏れずわたくしも存分にはまってた記憶があります。今読み返すとさすがに半世紀も前の作品なので、今の目から見るとだいぶ稚拙さは否めませんが、それでも日本サブカル史において金字塔というべき一冊なのでぜひご一読を。ただ、もし気になる彼女の本棚にこの本あったら全速力で逃げてください。経験上かなりの確率で地雷です。
この人の作品読むたび思うのは、時代は変わるもんだなあ、と。西洋コンプレックス丸出しで西洋賛美を隠そうともしないその姿はいっそすがすがしくすらあります。耽美が西洋の独占物だったあの頃の時代から見れば、今のクールジャパンなんて狂気の沙汰でしょう。西洋と伍するだけの自信を備えるまでに成熟したのか、それとも単なる厚顔無恥なだけか。だいぶ後者な気はしなくはありませんが。
カラテカ入江が振り込め詐欺グループに続き悪質情報商材詐欺グループにも仲介していた 逮捕案件だろ :まとめニュースちゃんねるぷらす
人と人を繋げる錬金術を悪いことだとは思いませんが、「女衒」としての自覚は失わないでいてほしいものです。
最近女遊びガチ勢の方々が周りに多くなってきたんですが、彼らを見てると今の自分が「もてたい」なんてのたまうのは、「偏差値30からの東大受験」並みにおこがましいことなのだと気が付きました。あの人らのモテに費やすリソースと情熱半端ねえわ。
競馬成績・・・2019収支-33610
SRWT進捗
けものフレンズ
テレビ東京系アニメ。平成二十九(2017)年1月11日~3月29日放映。全12話。
原作:けものフレンズプロジェクト、アニメーション制作:ヤオヨロズ、製作:けものフレンズプロジェクトA
監督・シリーズ構成:たつき*1、コンセプトデザイン:吉崎観音*2、キャラクターデザイン:irodori、音楽:立山秋航*3
メインキャスト
かばん:内田彩*4、サーバル:尾崎由香*5、博士:三上枝織*6、アライグマ:小野早稀*7、フェネック:本宮佳奈*8
2なんてなかった、いいね。
という訳で、昨今何故かとみに再評価著しいけものフレンズ。たつき監督がケムリクサでスマッシュヒット出したから、その前作ってことで注目されてんのかなぁ~(白々)
以前妹からも「『IQが下がる』とか意味わかんない評価のされ方されてるけどどこが魅力なの?」と問われたこともありますが、これに関しては、個人的に「サーバルやスナネコが物音に気付いて後ろを振り向く際に先に耳が反応してそっちの方向向いてる」に代表される繊細で理に適った細かな描写にこそあると思います。些細なことかもしれませんが、「神は細部にやどる」の日本的職人気質の究極の姿であると私は信じます。後はキャラクター描写の巧みさ。「彼女らを一緒にコンビニ行かせたら、誰がどんな行動とるかなんとなく想像できる」という制作陣のコメント*9がそれを象徴します。そら二次創作もはかどるわけだ。他にも、演出や脚本も勿論神がかった出来栄えなのは当然ですが、それは何故かニコニコ動画に雨後の筍の如くに乱立した『けものフレンズ』考察動画で語りつくされてますのでそちらをご参考に。
くるねこ大和
昭和48(1973)年~。日本の漫画家、グラフィックデザイナー。愛知県出身。
1993名古屋造形短期大学卒業後、デザイン会社に就職。2006独立。'06猫の里親探しも兼ねたブログ『くるねこ大和』をスタートする。著書に『くるねこ』、『やつがれとチビ』ほか「やつがれシリーズ」、『おばさんとトメ』、『殿様とトラ』など。また、東邦ガスのWeb会員サイトでは「ともみさんとのりまき」を連載中。(wikipediaより修整引用)
追悼、ポ子ちゃん。日本が誇るねこ漫画の到達点『くるねこ』の作者様。ブログも毎日更新なので、疲れて帰ってきた日なんかは存分に癒してもらえます。またブログ開設の目的が保護猫の里親探しの宣伝目的という、捨て猫保護ガチ勢なので、単純に可愛い可愛いだけの凡百のねこ漫画とは知識と覚悟が違いすぎます。正直この人の作品読んでから他のねこ飼いさん見ると色々粗が見えてきてしまってなんだかなあ。ついでに言うと、自分に猫なんか飼う資格はあるのかと自問自答させられてお迎えのハードルが上がりまくるのも事実。ご本人も『くるねこ』のヒットで財政的にも余裕ができたか愚連隊も13匹の大所帯になって逆に一時預かりが難しくなるなど、色んな意味で当初目的からは逆行してる気はしなくもありませんが、これからもずっと我々に猫と一緒の生活のすばらしさを啓蒙していってもらいたいものです。
山南敬助
天保四(1833)~元治('65)年。別名:山南敬介・啓輔・三南敬助・啓助・三郎・三治郎・三男啓介・勇助。変名:藤原知信。陸奥仙台の剣術師範山南某の次男。新選組副長、のち、総長。北辰一刀流免許皆伝であったが、近藤勇*10と立ち合って敗れたため、以後、近藤に弟子入りしたという。
1861.8近藤の天然理心流四代目就任披露の野試合に参加。'62.1沖田総司*11とともに多摩地方へ剣術教授に出張している。'63.2近藤らとともに浪士組に加わり上洛し、新選組を結成。局長助とも呼ばれる副長職に就く。'63.6.3大坂力士との乱闘事件に参加。'63.7頃料亭岩木升屋に押し入った不逞浪士を斬り、会津侯*12から報奨金を受ける。八月一八日の政変の際には、先鋒として出陣。さらに'63.9.18芹沢鴨*13暗殺に加わっている。
しかし、'64病を患い、'64.2知人が屯所を訪れても面会できないほどであったという。そのためか、'64.6池田屋事変や'64.12行軍録にも参加せず、次第に新選組の表舞台から姿を消していく。
そして'65.2.21突如として隊を脱走した。しかし、途中の大津宿で追っ手の沖田総司に発見され、屯所へ連れ戻される。即日、隊規違反による切腹が申し渡され、かねてなじみの島原遊女明里*14と前川邸の出窓越しに今生の別れを告げ、沖田の介錯で切腹をして果てたという。色白で愛嬌のある顔をした、温厚な人物であったと伝わる。享年33。三十歳とも。墓は京都市下京区四条大宮町の光縁寺。(『新選組大事典』より引用)
新撰組の試衛館組初期メンバー8人*15の一人で、総長という重職にありながら今一影の薄い山南敬助。彼の事績をざっと振り返ってみたいと思います。
自称仙台藩出身で、小野一刀流および北辰一刀流の免許皆伝。他流試合で試衛館に乗り込んだ際、近藤勇に返り討ちに遭い、そのまま試衛館に居ついた模様。で、清川八郎の檄に呼応して浪士組に試衛館ご一行で参加した際には上述の通り初期メンバー8名に名を連ねています。芋侍ぞろいの試衛館にあっては永倉新八と並んで正規教育を受けた数少ない常識人だったこともあり重用され、土方歳三・新見錦と並んで副長の大役を任されます。しかし、彼の悲運はその有能さにありました。片や日野の山猿、片や水戸の半グレとどっちも知性と品性に欠ける、近藤・土方率いる試衛館派と芹沢・新見率いる水戸派の対立は抜き差しならないものとなっていきます。生来の温厚な性格と正規教育で培った常識と責任感とで両者の仲介役を果たそうと奔走しますが、芹沢一派が粛清され試衛館組の天下となってからは、その中間的な態度を憎まれ逼塞する*16ことに。ついでに言うと、屯所を壬生から西本願寺に移す際に、押し借りしまくった借金の精算を周辺住民に泣きつかれ、近藤らに諫言したことも土方らの怒りを買ったようです。組織再編が行われた際は実権のない*17総長職に祭り上げられてしまいます。その後、自身の完全上位互換の伊藤甲子太郎が参加してからは完全に居場所もなくなり脱走。この際、追っ手に仲の良かった沖田を向かわせ介錯までさせるっていう底意地の悪さ極まる仕打ちに、彼の嫌われっぷりがうかがわれます。
以上、「知識人常識人がDQN集団に関わると、最初は重宝されるけど最後は結局とんでもない目にあう」っていうド典型のようなお方の略歴でした。
死に体だったプロジェクト「けものフレンズ」をV字回復させた天才たつき、武骨な武闘派揃いの試衛館にあって数少ない常識人山南敬助。人はどうして、かけがえのない失ってはならないはずの才能をこうも簡単に放逐してしまうのでしょうか。成功の陰には目立たない人のとんでもない献身があることを上層部の皆さんには知ってほしいものです。そのうえで、くるねこ大和さんが猫たちにそそぐ愛情の千分の一でもいいので、縁の下の力持ちたちをいたわってあげてください。
山南の読み方は「やまなみ」じゃなくて「さんなん」
上記の辞書的説明にもある通り、たまに自分で「三男」って当て字で書いてますもんね。昨日今日始まったこっちゃありませんが、歴史的人物の読みはいまだにようわかりません
*1:ヤオヨロズ所属。代表作:『ケムリクサ』、『傾福さん』、『へんたつ』他。
*2:代表作:『ケロロ軍曹』・『アーケードゲーマーふぶき』(漫画)、『七人のナナ』(キャラデザ)他。
*3:THE LINDA!ドラマー。代表作:『ゆるキャン△』、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』、『くまみこ』他。
*4:アクロスエンタテインメント所属。μ'sメンバー。代表作:南ことり(『ラブライブ!』)・神無月アリン(『トリニティセブン』)(声優)、「SUMILE SMILE」(歌手)他。
*5:響所属。どうぶつビスケッツメンバー。代表作:鳩谷こはね(『アニマエール!』)、奈々菜イオン(『フューチャーカード 神バディファイト』)、須木菜乃花あど(『私たち、らくろじ部!』)他。
*6:青二プロダクション所属。七森中☆ごらく部メンバー。代表作:赤座あかり(『ゆるゆり』)、クリスタ=レンズ(『進撃の巨人』)、コボリー(『甘城ブリリアントパーク』)他。
*7:どうぶつビスケッツメンバー。元あいまいみーまいんメンバー。代表作:遠藤ユカ(『BEATLESS』)、ハコネちゃん(『温泉幼精ハコネちゃん』)、にゃおっしー(『ふなっしーのふなふなふな日和』)他。
*8:ぷろだくしょんバオバブ所属。どうぶつビスケッツメンバー。代表作:ヘーゼル(『アトリエオンライン 〜ブレセイルの錬金術士〜』)、有馬輪花(『温泉むすめ ゆのはなこれくしょん』)、ツクモリク(『鬼斬』)他。
*9:別作品ですが『ケムリクサ』2巻スタッフオーディオコメンタリーより
*10:昌宜。新撰組局長。父宮川久次郎、母みよ、養父近藤周斎。天然理心流四代目として試衛館館長となる。清川八郎の募集に応じて浪士組に参加。清川と袂を分かってからは芹沢鴨とともに京都に残留し新撰組を結成。芹沢一派粛清後、池田屋事件などで活躍を見せるも、相次ぐ粛清劇などにより隊勢は後退。鳥羽伏見の戦いでの敗戦に伴い新撰組は解散。甲陽鎮撫隊を再結成するも甲州勝沼の戦いに敗れ瓦解。官軍に投降するも処刑。
*11:房良。新撰組一番隊組長。父勝次郎。旧名:春政。近藤勇に師事し、新撰組の結成に参加。一番隊組長として芹沢鴨暗殺や池田屋事件などで活躍するも、新撰組の崩壊と軌を一にする様に病死。
*12:松平容保。会津藩第9代藩主。参議。父松平義建、母古森氏、養父松平容敬。文久の改革により京都守護職に就任。佐幕派の最右翼として八月一八日の政変や禁門の変を主導するも、大政奉還により失脚。領国に戻り、奥羽越列藩同盟の中心として戊辰戦争を戦い、会津戦争の敗北により籠居。
*13:光幹。新撰組頭取。本名:木村継次。水戸藩で尊攘過激派として活躍。清川八郎の募集に応じて浪士組に参加。清川と袂を分かってからは近藤勇とともに京都に残留し新撰組を結成するも、その粗暴さを松平容保らに憎まれ、近藤一派の手により暗殺。
*14:京都島原の天神。
*15:近藤勇・山南敬助・土方歳三・沖田総司・永倉新八・井上源三郎・藤堂平助・原田左之助
*16:永倉新八も同じ立場でしたが、新参だった分まだ重用されてなかったおかげで難を逃れています。その後、ガチインテリの伊藤甲子太郎が来るまで、山南の立場を引き継いで新撰組の頭脳労働担当になるのはご愛敬。
*17:一応総長時代は病気療養のため謹慎って体になっています
日本シリーズの雪辱!がそう簡単に出来たら苦労しませんよねえ(嘆息)。床田くんと千賀の意地の投げ合いも中盤床田くんが崩れて4失点。8回に千賀から変わったモイネロから鈴木の意地の3ランで1点差。さあ勝負はここからと思った瞬間に旧守護神中﨑御大が痛恨の被弾でゲームセット。まあ、元々負け試合だったんですから、中﨑に引導渡せただけよかったと思いましょうか。
しばらくゆっくり休んでください
微差は大差。先制されるも2度にわたって追いつくも結局は突き放され悔しい敗戦。点差はわずかですが、はるか高い壁を感じさせられてしまいました。
あなたをもってしてもあきませんか
やっと勝てた。地味にホークスキラーな九里くんの粘投で中盤終わって1点のリード。そこから追加点を入れられない苦しい展開も恭平→一岡→レグナルト→フランスアの鉄壁リレーで逃げ切り。中﨑いないだけでここまで胃が痛くならないんだと失礼な感想を覚えてしまいました
おーるじゃんる : 【非常事態発生】岩屋防衛相、官邸が制止したのにも関わらず熱望して韓国防衛相と笑顔で握手していたと判明
もしこれが本当なら普通に統帥権干犯案件。野党は今こそ安倍攻撃の絶好のチャンスですよ。
梅雨入り!雨が降ると片道2時間弱の通勤地獄から解放されててよかった。
SRWT進捗
西洋にエディプスコンプレックスのあるならば、日本には阿闍世コンプレックスあり。西洋至上主義に毒された精神分析の世界に一石を投じる一冊。日本人には日本人の為のカウンセラーが必要だ。
上述の通り、恥の概念や自殺や社畜にみられるマゾヒズム傾向、そして家庭における父母の役割など西洋の精神分析の手法では理解できない日本固有の問題を、西洋におけるエディプスの物語と対比して、母への怨みに苦しんだ阿闍世に代表させようという意欲作。ひどく乱暴に要約すると「個人対個人が向き合う西洋流の人間関係に比して、日本は理不尽に耐える姿を回りおよび対象人に見せつけることで相手の『反省』を促す」とでもなるでしょうか。そらそんな迂遠なやり方理解される訳ないわなと一人納得。他にも各論では、「核家族化の進行に伴い『主婦』の社会的地位が暴落したせいでアイデンティティクライシスに陥っている女性」とか「家父長制の崩壊により、対社会だけではなく対家庭においても自制心をもって『父親』という役割を演じなければならなくなってしまっている男性」とかの諸問題が非常に興味深く読めます。「最近若者に人気の宇宙戦艦ヤマト」とか時代を感じさせる記述は多々ありますが、今でも新しさと同時代性を持った問題提起ばかりです。できもしない西洋の猿真似するより、日本人の日本人による日本人のための新たな家族システムを構築していこうではありませんか。
とは言ったものの、40年前の本が今でも普通に読めてしまうってのかなり大問題なんだよなあ。半世紀弱も問題先送りしてきたらそら家族の崩壊も抜き差しならん大惨事にも陥るわな。高齢ニートや子供部屋おじさんたち、だからあなた方の今の境遇は社会のせいです。あまり気に病むことなく、システム再構築の際におとなしくデリートしてもらってください。さすがにこんなバグ放置してたら世界観が崩壊してしまいます。
仏典で阿闍世が最初に手にかけたのは母ではなく父
だから普通にエディプスコンプレックスの一類型だったのを、意図的にか単に経典研究が今ほど進んでなかったからか、独自の解釈しちゃったみたいですね。史料研究は進みすぎると夢や希望が無くなる諸刃の剣です。
痛いニュース(ノ∀`) : 宮根誠司「英一郎容疑者が…」 被害者の事務次官長男を「容疑者」と言ってしまう - ライブドアブログ
ここまで加害者が英雄然と扱われる事件も珍しい
旧宅のゴミの山の処分も完了してようやく平穏な日々が・・・。この本の山どうしてくれよう。
競馬成績・・・2019収支-33300
SRWT進捗
時は戦国、嵐の時代。誰もが武で天下を制さんと野心を抱く時代に、数寄の天下を牛耳らんとの野望に燃える男が一人。その名は古田左介重然、のちの世に古田織部の名を轟かす男である。
題材として取り上げられすぎてて、主人公の人選がだいぶ難儀になりつつある戦国漫画業界。本作の主人公は古田織部正重然。正直誰それ?って人のが多いんではないでしょうか。利休亡き後の秀吉の茶頭として活躍し、徳川秀忠に重用されながらも、大坂夏の陣での内通を疑われ賜死したお方。文化人としての活躍も前代の千利休、後代の俵屋宗達・本阿弥光悦らのビッグネームに挟まれて実に地味。そんな人が主人公で盛り上がるのかしらんと読み始めれば、それは杞憂だと一瞬で悟らされます。「数寄」をキーワードに織豊時代の綺羅星のごとき武将たちを再解釈したキャラクター造形は新鮮にして不思議な説得力があります。さらに恐ろしいことに現代でも通用するギャグに落とし込まれた数々のエピソードもほとんどが史実通りというのだから恐れ入ります。アニメ化もされた第一章の千利休編は勿論、第二章の豊臣秀吉編、第三章の関ヶ原編も文句なしで歴史漫画史上に特筆大書されるべき名作ですので是非ご一読を。最終章の大坂の役編は正直なんだかなあな出来なのでそこはまあケンチャナヨ。
こうやって独自視点での人物エピソードの再構築が簡単にできるあたり、戦国~安土桃山時代の物語としての完成度は半端ないんだなあと改めて。江戸時代に踏み込んで以降のへうげものが大失速したのもそれを裏付ける気がします。織田信長とか豊臣秀吉とか徳川家康とかの主役級はおろかその下の石田三成とか伊達政宗とかまできっちり完璧にキャラ立ちしてるから二次創作のし甲斐あるよなあと改めて。次はどんな変化球な名作が我々を楽しませてくれのでしょうか。WKTKが止まりません。