脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『四分の一世界旅行記』

【動画】ツイッターで聞いてみた…子供が疑問、手で触れると水の輪が広がる謎現象の正体:ハムスター速報
これぞネットやSNSのあるべき姿。集合知として人類を新たな階梯に導きうる存在を単なる広告ツールに堕落させてはなりません。


 慢性的な疲れ目が本格的に悪化。起きてパソコンとにらめっこしてる時に目がかすむのはともかく、朝起きたら涙で顔面べとべとなのは流石に引いた。諦めて大人しく眼科に行ってみようかなあ。

物語の途中で死んだキミの名前はもう忘れちゃった

 カシュガルからベオグラードまで。中国・パキスタンキルギスウズベキスタンカザフスタンアゼルバイジャンジョージアアルメニア・トルコ・ブルガリアギリシャアルバニアマケドニアセルビアボスニアヘルツェゴビナを旅した鬼才石川宗生の目に世界はどう映るのか。


 『半分世界』で鮮烈なデビューを果たした若き鬼才石川宗生の描く中央アジア~東欧の旅行記。思いっきりバックパッカーなよくあるといえばよくある体裁の旅行記ですが、インドとかのメジャーどころを外してるので新鮮といえば新鮮でしょうか。しかしこの旅行記というか作者が凄いのは、これがエッセイではなく小説として性質しているところ。お気楽極楽な旅行のつれづれを記した軽妙な「日記」が、要所で放り込まれる詩的なセンテンスで一瞬で文学に昇華するんだからどんな魔法を使ってるんだと素直に脱帽。旅行記のお手軽さと、小説の充実した読後感を併せ持つ傑作紀行文です。是非ご一読を。

頭上にはきっと咲き誇る星が何も言わず輝いてるだろう

 『半分世界』の解説での飛浩隆の「諸君、脱帽の用意を」といい、本作の解説での宮内悠介の「私もいずれ旅日記を書いて小銭を稼ごうと目論んでいたのですが、この本でえらくハードル上げられてしまいました」といい、先輩作家連の激賞と期待の理由もよくわかる才気あふれる文体は将来の大成を予感させられます。是非その瞬間をリアルタイムの読者として迎えたいなあ。


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