脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『徳政令~中世の法と慣習』

【コロナウイルス】中国政府、武漢市を閉鎖。断固阻止へ | 不思議.net
脅威や新技術と向き合う際に手段を択ばない中国の姿勢は皮肉でなく尊敬します。


 盟友の弁護士先生と顧問先の組織改革の素案作りで密談。どちらからともなく、「俺達ってひょっとして端から見たら三文経済小説の悪役ムーブしてる?」と爆笑。・・・うん、令和維新のターゲットにはならない様に気を付けよう。


DQⅪ進捗

  • 海底王国ムウレア探索中。称号:希望の仲間たち

徳政令――中世の法と慣習 (岩波新書)

徳政令――中世の法と慣習 (岩波新書)

だけど俺たち自分のケツのふきかたくらい知っているぜ

政令
 売却地の買戻し、債権・債務関係の破棄などを宣告する法令。このような意味で徳政の語が用いられるようになるのは鎌倉後期から。
 永仁の徳政令は、御家人所領の回復を意図していたが、広く土地返却令として受容された。室町後期になると、徳政一揆に応じて室町幕府は徳政令をたびたび出した。のち室町幕府は債務額の1割を分一銭として納入することを徳政令適用もしくは免除の条件とした分一徳政令を発し、財源確保を図った。また惣による在地徳政も広範に行われ、近世の質地取戻しにもつながる在地慣行の根深さがうかがわれる。(『岩波日本史辞典』より引用)


 徳政令の解説や事例紹介の本と思わせておいてその実態は、徳政令に代表される日本独特の中世法概念を丁寧に分析紹介する意欲的な一冊。「現代の中世法制史家は当時のどんな専門職より中世法に詳しい」とか「中世以前の日本においては土地の売買=使用権の年季売り」とか「お供え物を食べちゃあいけない理由」とか目から鱗がボロボロと。史料もふんだんに使用してますし、論理構築もかなりガチガチなプロ仕様だったりと、素養が無ければ正直なんのこっちゃとなってもおかしくないレベルの骨太さですが、この一冊読むためだけに国史学かじっても惜しくはないと思わさせられるほどの完成度です。あなたも是非知的好奇心を思うさま満たしてみてくださいね。

夢がくだけた愛がいじけた金がはじけた

 不動産業ちょっとかじった身からすると「なんでこんなややこしい上にトラブルの種になりまくる制度を」と不思議でならなかった土地と建物の別売り+土地に付随する複雑怪奇な諸権利。この本読んでようやくその淵源が分かった気がします。「土地は飽くまでそこを開発したor本領安堵してもらった人の子孫のもの」って基本原則が前提としてあるんですね。それさえ踏まえれば、現在の不動産の権利関係は凄く理解しやすくなりました。引退でもしたら『不動産法制史とその思想』って本でも上梓してみたいなあ。

RIVER

RIVER


アツヨシ】 Hound Dog 「貧乏神の警告~emergency~」 99夢の島FINAL

帰ってきた今日の一行知識

中世の裁判では根拠法の実在の証明が原告被告双方の義務だった

なんだか小学生の頃各種ゲームの言ったもん勝ちの自分ルールを思い出します。