http://exawarosu.net/archives/14368181.html
そこは恵まれない子供を自身の養子に迎えて分け隔てなく育ててこそのセレブだと思うのですが、何故そこだけはかたくなに大好きな西洋博愛主義を拒絶するんでしょうか。
ここ数ヶ月公私ともに引くくらいに順調。順調すぎて毎朝「今晩も突然死しなかった」と安堵のため息ついてる当り、我ながら小市民だなあと。
- 作者:リチャード・F. ニューカム
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 文庫
帝都の南千余キロ浮かぶ渺たる一孤島
硫黄島の戦
小笠原諸島の硫黄島をめぐる日米の攻防戦。
本土空襲の中継基地確保のため1945.2.19米軍6万1000人が上陸、日本軍守備隊(栗林忠道*1中将指揮)2万3000人は'45.3.23全滅した。米軍も2万9000人の死傷者を出す太平洋戦争有数の激戦であった。(『岩波日本史辞典』より引用)
みんな大好き太平洋戦争の中でも一方的でない互角の戦いが繰り広げられた数少ない戦場の一つ硫黄島の戦いが本巻のテーマ。油断しちゃうとすぐ戦記物風の詩情にあふれた物語に昇華しちゃう日本人と違って、冷徹な目でノンフィクショナルドキュメントとして見事にこの悲劇の戦場を活写しています。個人的に非常に興味深かったのが、飽くまで無名兵士の奮戦として語られがちな日本主観の戦場ルポと違って、偏執的なまでに個人名の同定とその人も持つ固有のバックグラウンドに拘るアメリカ人の視線。それが集団主義と個人主義の違いかと目から鱗でした。もう色んな媒体や作者で描かれまくってる「手垢の付いた」テーマですが、視点の違いを意識してみるとかなり面白いですよ。
われらこの地にある限り皇土は安し永遠に
硫黄島の戦いは、硫黄島五十年記念甚句がすべてを顕していると思います。個人的にはその中の一文、「攻めるも守るも国のため」が特に印象深いです。戦争の悲劇と英雄性を余すことなく言い表した金言ではないでしょうか。