脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『てのひらの宇宙』

ヒロイモノ中毒 人間が一生の間に食べる生き物の数 牛3頭、豚22頭、鶏912羽
牛の食肉家畜としての規格外の優秀さがよく分かる。


 同僚たちとの忘年鍋パーティーの弊宅での開催が12/8に決定。さああと半月でこの腐海を浄化することは可能なのでしょうか。さあ王蟲探しに行こうっと。


競馬成績・・・H30収支-41080

DQⅥ進捗

  • 天馬のたづな入手。主人公の職業:スーパースター「アカデミーしょう」

この世のキレイごとを暴きにやって来た子ネコなんだ!

フル・ネルソン

ははあ、こうなるか。一八五〇九二四……おかしいな。度数分布表から計算しましたか。たしかに、こうなりますか。これ、中位数でしょう」by先生


 私は前衛芸術を愛でることができるほど高尚な人間じゃあござんせん。

白壁の文字は夕陽に映える

家畜の知能向上研究の方が、精神遅滞者のIQ向上よりまだ見込みがあると、我々は考えています。現に精神遅滞者よりもチンパンジーの方が、自然状態においてすら知能が高いですからね」by小林


 白痴こそが実は超能力も持つ新人類だった、っていう今となってはありふれたテーマ。↑のセリフのような、世知辛くなった今のご時世じゃあ直接描写が憚れるようなパートも多く、そういった意味でも「古き良き」を感じさせる一作。どことなく漂うコズミックホラーテイストも○。

ヴォミーサ

職業訓練所で、訓練うけて、すぐこっちへ来たんだ。―きっとここが初仕事なんだよ」byエド


 アシモフオマージュになるのかな?全体に漂うアメリカンな雰囲気が受け入れられるかどうかが肝でしょう。

言葉使い師

なんてすてきな世界だったろう」byきみ


 言葉が禁じられた世界での物語。作者の、否、文筆家の「言葉に特別手当を払っている人間」としての矜持が非常に印象的です。

火星鉄道一九

眼を閉じていても、みえるんだよ。オリンポスが。数え切れないほどくり返していると、自然にわかるようになるんだ。今日の山は、どんな風にみえるかってことが。大気の具合や光線の角度、昼夜の違いや砂塵と風向きの関係なんかでな」byザナック中尉


 個人的にミリタリーSFは苦手です。

山の上の交響楽

私の作品は、この宇宙の中で、ただ一度だけ演奏されるべきものである。二度以上演奏されるようなことがあれば、それはすでに私の作品ではない。しかし困ったことに、私の作品は多くの人に愛され、一度聴いた人は必ず二度聴きたくなるであろう。それゆえ、私の意図が完全に実現されるためには、無限の長さの―いや、少なくともこの宇宙の寿命と同じ長さの曲を書かねばならないのだ」by東小路耕次郎


 演奏するのに一万年はかかろうかという超大作オーケストラ八百人楽章の進行役の奮闘記。ツッコミどころ満載の大風呂敷の下で繰り広げられる実に所帯じみたトラブルの数々が非常に微笑ましい一作。根っからの裏方気質の人間としてはラストシーンに感動せざるを得ません。

恐竜ラウレンティスの幻視

俺たちは、ふぁ……わからない。ふぉ……こんなチ性というものを貰って……。イイことか悪いことか……ふぁ……わからない」byラウレンティス


 文明批判、になるのかなあ。テーマが非常に陳腐で臭いものの割には不思議に清潔な読後感なのは流石梶尾真治というべきか。

そばかすのフィギュア

"判ってたの、私。コリン姫と一緒になることがあなたの幸せなんだって。私、判っててお手伝いしたの"byアーダ


ガレージキットが自意識を持ったら・・・の実に90年代オタクカルチャーフルスウィングな一作。90年代後半に思春期を隠れオタクとして過ごした身としてはクリーンヒットな作品でした。ああ、あの頃に戻りたい。

くるぐる使い

オホン!エホン……乀くるぐる娘がトンと来て、トンと来て、水につけよか火にくべようか、いえいえそれはなりませぬ。たとえ先祖の業といえ、男も知らぬ生娘じゃ、色恋わからぬくるぐるじゃ。股に蜘蛛の巣張る前に、浮き世の喜び教えやしょう、赤いおべべを着せてやろ、赤いお紅もひいてやろ、太鼓叩いて踊りゃしょう。くるぐる娘がトンと来て、くるぐる使いにまわされた。ホーイホイ。アッパリなぁ」by波野


 本巻の最高傑作。正直大槻ケンヂを舐めてました。星雲賞の受賞者リスト見るたび第25・26回大槻ケンヂ連続受賞ってどんだけSF冬の時代だったんだって冷笑してましたが、自身の浅見を恥じるばかりです。純文学と比肩できるレベルの詩情がなんとも救いのないラストとともに圧倒的な読後感を残します。正直この作品のインパクトが強すぎて、この記事書くのに他の収録作の感想思い出すの大分苦労しました。偏見の目を捨てて是非ご一読を。俺も大槻ケンヂの他の作品きちんと読もうっと。

ダイエットの方程式

覚悟はできています。贅肉を落とせるなら、方法は問いません」byわたし


 実によく出来たコメディ。取り敢えず、要減量な体躯を抱える者としては身につまされること。

インデペンデンス・デイ・イン・オオサカ(愛はなくとも資本主義)

で、あんたはどこからきたの?木星」by坊城美喜


 実にバカ(誉め言葉)だ。勢い任せの八方破れな作品。大阪人の魅力と、「だから嫌われるんだ」の実例とが煮凝りにされてます。手ぇ叩いて笑うも眉を顰めるもお好きな方を。

信じていれば夢は必ず叶いますよ

 日本SF大会参加登録者の投票により選ばれる星雲賞の短編部門ばかりを集めたアンソロジー。ファンの選ぶ年間ベスト作品ばかりなのでどの作品も流石の安定感。いつかは自分も投票する側になってみたいものです。そのためにも誰か一緒に行ってくれる子見つけなきゃなあ。

帰ってきた今日の一行知識

日本の受刑者の平均知能指数はIQ85

所謂知的障碍者に該当するIQ70以下が全体の4分の1に当たるそうです。なんとも世知辛い。