脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『昭和史発掘10』

了解はNG説、「抵抗がある」という1ライターの個人的感想から広まっていったものだったwwwwww:ハムスター速報
まあ言語ってのはこうやって「進化」していくもんですし。個人的には「了解」が語源を同じくする「ラジャー」*1からフランクでぶっきらぼうな印象を取り込んでしまったのが、この違和感の発端だと解釈しています。


 うん、しまった。二日も自主休業するとやる気を取り戻すのに結構時間かかるぞ、これ。


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競馬成績・・・H30収支-610

DQⅧ進捗

  • 竜神族の里探索中。主人公のスキル称号:「立ち向かう勇気」

昭和史発掘 (10) (文春文庫)

昭和史発掘 (10) (文春文庫)

余りに脆い時代を嘆きかといって差し迫ってもない

 大正期の爛熟と戦中の暗黒に挟まれた昭和一桁時代。前代の仮初の平和が破れ、二・二六事件で炸裂する昭和維新の不安の募るその不安定な時代の実像を巨匠松本清張が抉る。


 遂にというかようやくというか二・二六事件勃発!岡田首相官邸・鈴木侍従長官邸・斎藤内大臣私邸・高橋蔵相私邸・牧野前内大臣泊湯河原旅館・渡辺教育総監私邸の襲撃、陸軍大臣官邸・坂下門占拠の様子が、当事者たちの供述書を基に生々しい筆致で描かれます。その臨場感たるや、これぞ松本清張喝采を上げたくなる出来映え。その後の陸軍首脳部の右顧左眄ぶりはそりゃあ昭和維新も起こしたくなるわと青年将校らに同情しきり。取りあえず、天皇陛下の逆鱗に触れたことが分かって以降の真崎と山下の手のひらの返しっぷりはむしろ清々しさを感じさせるほど。頼るべきでない輩を頼ってしまった時の悲惨ここに極まれりですね。くわばらくわばら。

楽しいドラマが終わるとこきみと離れてしまうとこ

 「これひょっとして天皇陛下がぶちぎれてくれてなかったらクーデター成功してたんじゃね?」と思わせる関係各位の右往左往ぶり。相変わらず日本人は強引に物事進められた時に断乎たる対抗処置がとれないんですね。近日世間の耳目を騒がせている森友問題の根もそこにある気がします。みんな、もうそろそろ事なかれ主義を卒業しよーよー。

熱き鼓動の果て

熱き鼓動の果て

帰って来た今日の一行知識

青年将校が落としどころに考えていたのは平沼内閣の樹立
本命は荒木貞夫首班の昭和維新断行内閣だったようですが、流石にそれは通せまいとの現実的な判断があったようです。しかしこのお方は戦前の昭和史の負のイベントに片っ端から顔出してる気がするなあ。真のA級戦犯は東條でも近衛でも松岡でもなく、平沼騏一郎その人かもしれない。

*1:朝鮮戦争で、RのコールサインRogerが了解の中国語読みlejieと発音が似ていたことで「了解」の意味を持つようになった。