脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『回顧録』

国ガチャ最レア「スウェーデン」がマジでヤバイ件 医療無料!学費無料!平均労働6時間!休暇6週間! :哲学ニュースnwk
真面目に福祉国家やろうと思ったら、資源か観光の原価率の低い産業で外貨稼がないとどないしょうもありませんよね


 祝え!令和初のライダー『仮面ライダーゼロワン』の放送を!ってな訳で、以下第1話感想箇条書き

  • まあ毎年のことですがレギュラー勢全員演技が不安定。特にアンジャッシュ児島は一応仮にもベテラン枠なんですからもうちょっと頑張って
  • それに比べてなかやまきんに君が演技もアフレコも上手いのにびっくり
  • 仮面ライダーゼロワンのスマートなデザインもアクションもいいけどここ数年のガチャガチャ感に慣れるとなんか物足りない。しかし、ゼロワンのデザインになんか既視感あると思ったらそうかトヨタシエンタのエアーイエローカラーの後ろ姿にそっくりなんだ
  • 腹筋崩壊太郎が怪人に変身したら逆に貧相で弱そうになったのに吹いた。人間体にゴリマッチョ起用すると怪人体のデザインが大分制約されるんですね
  • AIの描写もなんか通り一遍で表面なぞってるだけな気がしてなんだかなあ。とりあえず主人公は実はヒューマギアのフラグ立てすぎで逆に人間なんじゃないかと思えてくるなあ
  • そんな中なかやまきんに君の好演もあって腹筋崩壊太郎が実に深みのあるいいキャラになってました。1話で使い捨てるの勿体ないなあ
  • 相手が機械だからって問答無用で破壊するのはちょっともにょる。爆散したら何事もなかったように憑依or変異が解けて一件落着って従来作品のお約束はヒーローものやるためには必要な茶番だったんですね
  • 結論:なかやまきんに君@腹筋崩壊太郎最高全体的にスロースタートだけどエグゼイドの高橋悠也が脚本だからきっと面白くなるって信じて1年見続けよう


競馬成績・・・2019収支-38590

回顧録 上下二巻

回顧録 上下二巻

鏡の中迷い込んだままで君とただ落ちてゆく

牧野伸顕
 文久元(1861)~昭和二十四(1949)年。明治・大正・昭和期の政治家・外交官。大久保利通*1の次男、牧野家の養子。開成学校(東大)中退。
 1871岩倉使節団一行の父利通に随行して渡米留学、のち外務省に入りロンドン在勤をへて参事院議官補。法制局参事官・書証秘書官・内閣記録局長等を歴任。ついで福井・茨城各県知事、第2次伊藤内閣文部次官、イタリア・オーストリア各国公使をへて第1次西園寺内閣文相。1909枢密顧問官に任ぜられ、第2次西園寺内閣農商相・第1次山本内閣外相・臨時外交調査会委員をつとめ、'19ベルサイユ講和会議に次席全権として出席した。その後'21宮内大臣、'25内大臣として15年間元老西園寺*2を背景に宮廷の実権を握り、財閥・政党・官僚・軍部の利害を媒介、調整する任にあたったが、軍部の台頭とともに〈親英米・現状維持派〉の非難を受け、'35その地位を斎藤実*3に譲った。その直後の2・26事件で襲撃されたが難をのがれ、以後隠退、帝室経済顧問・東亜同文会会長等をつとめた。吉田茂*4はその女婿である。(『コンサイス日本人名事典 改訂新版』より引用)


 「最後の元老」西園寺の右腕として昭和天皇の常時輔弼の大任を果たし、その有能と硬骨故君側の奸として二・二六事件の標的にもなった名内大臣牧野伸顕回顧録。取り扱ってる時代は郷中所属の幼少時代からパリ講和会議まで。そう確実に一番面白い内大臣時代が全くありません。関係者が過半数存命な上、執筆が戦後すぐの占領時代の東京裁判真っただ中で、迂闊なこというと各所に累が及びまくるって事情は分かりますが、正直その時代こそが牧野伸顕伝読む理由の過半なんですけど・・・。また根がお坊ちゃんで穏健派な秀才なんで自分からは一切事件もトラブルも起こさないんで、立志伝中の人物伝として読むにも退屈。だからあなたの偉人としてのアイデンティティーは暴走しまくる周囲の調停役ってところにあるんですってば。今後回顧録を上梓しようって方はぜひ自分の商品価値の所在を確認してから執筆してください

君は夢のカタチをしてるから

 回顧録は二次資料として優秀なんですが、執筆時点での政治的動向でバイアスかかるから難儀なんだよなあ。まあ病膏肓に入るとそのバイアスのかかり具合から執筆時点の世論の雰囲気を読み解くのが楽しくなってくるんですけどね。さあ昨今そこそこ量産されてる自叙伝から後世の歴史家は何を読み解いてくれるのでしょうか。楽しみです

VENUS

VENUS


[PV] Chisato - Venus

帰ってきた今日の一行知識

パリ講和会議でクレマンソーはポーランド主席全権として出席していた元ピアニストのパデレグスキに「大変落ちぶれたものですね」と声をかけた

芸術家への尊敬と単なる嫌味とマウンティングとが渾然となって全体としては洒脱なジョークに聞こえる奇跡の配合。こういった皮肉はヨーロッパ人には全く敵う気がしない

*1:第1・3・5代内務卿。勲一等旭日大綬章。父利世、母(皆吉)鳳徳。精忠組に参加し頭角を顕し、島津久光の側近として幕末の薩摩藩政を主導し、維新の三傑の一人に数えられる功績を残した。明治新政府でも維新の元勲として要職を歴任し廃藩置県・地租改正・西南の役などの難問の解決に尽力するも紀尾井坂の変にて横死。

*2:公望。第12・14代内閣総理大臣。公爵。父徳大寺公純、母(末弘)斐子、養父西園寺師季。伊藤博文の知遇を得て政界に進出し要職を歴任。伊藤の後を襲い政友会総裁となり桂と共に交互に政権を担当し桂園時代を現出。2個師団増設問題で2次内閣が倒れると元老として首相指名に参画。「最後の元老」となってからは憲政の常道の確立に尽力するも軍部の暴走を掣肘しきれぬまま引退。

*3:第30代内閣総理大臣。海軍大将。子爵。父高庸。海軍の軍政畑で累進し要職を歴任。朝鮮総督として文化政治の定着に尽力。その穏健派としての声望から、五・一五事件後挙国一致内閣の総理に就任するも、帝人事件により下野。二・二六事件により横死。

*4:第45・48-51代内閣総理大臣従一位大勲位。父竹内綱、養父吉田健三。外務官僚として累進し要職を歴任するも、その親英米的態度を憎まれ戦中は逼塞。戦後、鳩山一郎公職追放に伴い総理就任憲法改正や農地改革などの功を残すも、2・1ゼネストなどの労働運動の高揚により退陣。昭電疑獄で退陣した芦田内閣の後を襲い再度組閣しサンフランシスコ講和条約締結により日本の「独立」を成し遂げた。造船疑獄での指揮権発動により人心を失い退陣するも、元老的存在として初期自民党を支えた。