脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『一路』

痛いニュース(ノ∀`) : 山田まりや 息子の名前は「崇徳」と公表 - ライブドアブログ
広島人だとどうしても「そうとく」って読んでしまいますが・・・ってご当地ネタはさておき。日本最強の怨霊をその名に抱くとは、まさに神をも恐れぬ所業。くれぐれも祟りは身内で収めてくださいね。


 最近麻雀比較的勝ってたので、「俺ってそこそこ強いのかも」って思い上がっていたら、先日ドベ(ヤキトリ)・ドベ(トビ)・小トップ・ドベ(トビ)の大惨敗。見事に天狗の鼻を折られました。4人中雀荘勤務経験者二人って面子は鬼です。


SRWOGⅡ進捗

  • 2周目第53話「封印の予兆」ドゥバンと交戦中。トップエース:マサキ=アンドー@サイバスター

一路(上)

一路(上)

一路(下)

一路(下)

ちょうど一年前にこの道を通った夜

 父弥九郎の非業の死により、急遽家業を継ぐ羽目になった小野寺一路。その為の修行や見習い経験はおろか口頭での申し送りすらなされず、右も左も分からぬままに取り組む羽目になった一大プロジェクトの名は参勤交代。粗相があれば即切腹お家取潰の超ムリゲー。小野寺一路と主君蒔坂左京大夫は無事江戸見参を果たせるのか。


 お腹召しませの系譜に連なる浅田次郎中央公論時代ものコメディーシリーズの最新刊。道中記とコメディと時代劇と群像活劇とロードムービーを一緒くたにして一つの物語を紡ぐって離れ業をやってくれています。最序盤と最終盤で登場人物の性格能力動機が全く別物になってるのも相変わらずなのですが、特に蒔坂左京大夫が、序盤の影の薄い殿上人から大うつけ→馬鹿だけどなんだかんだで上手く転がって結果オーライ→世俗の雑事から逃れるために阿呆を装う名君にジョブチェンジしていく様はここまでくれば伝統芸の域。キャッチーな序盤に、盛り上がりたいだけ盛り上がる中盤、そして見事な竜頭蛇尾の大団円と、これぞ浅田次郎の長編小説というべき鮮やかな構成でファンならずとも必見の出来栄え。精緻な取材を極めつつも「嘘」をためらわない虚実入り混じった大名行列中山道の小説的描写を堪能するもよし、浅田文学の真骨頂たる各所に頻出する大見得の数々に酔うもよし、日本現代小説の清華の一つを是非ご堪能あれ。

何でもないような事が幸せだったと思う

 引き継ぎなしの見よう見まねで悪戦苦闘な業務に良くも悪くも慣れてしまった感のある私ですが、そんなことばっかりやってると慣習の良さも悪さもたっぷり堪能してます。日常業務で一々根源的な理由を深く考えずに済むというのは非常な利点ではあるのですが、習慣それ自体がある種の目的化してしまって本末転倒という事例も多いのではないでしょうか。そんな時一路のように横着をせずに古例復古というのもカッコいいですが、ここはやはり縟礼打破の気概を持ちたいものです。合言葉は「朕が新儀は後の先例なり」。後醍醐天皇はやはり偉大です。

ザ・ロード

ザ・ロード

帰って来た今日の一行知識

大名行列で「下に〜、下に〜」って言っていいのは御三家だけ
臣下の礼の義務は直属の領主だけってことで、自分の住んでるところの大名様と、徳川家以外は土下座する必要がなかった模様。もし万が一江戸時代にタイムスリップしてしまった時の為に覚えておきましょう。