脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『五郎治殿御始末』

http://giraffech.blog.shinobi.jp/Entry/778/
やらせ、もとい仕込みは大切。とっても大切。


 巷で話題のホワイトペプシ飲んでみました。ケミカル大好きな私でも吹きそうになるほどの強烈な薬品臭。500mlがこんなに多いと感じたのは正直初めて。やっぱりメリケンの味覚はどっかおかしい。


SRWZ進捗

五郎治殿御始末

五郎治殿御始末

武士としての面目が俺に生き延びることを許さなかったのだ

椿寺まで

どんなに身を落としたって、ガキの時分に教えこまれた行儀の良さは隠せやしねえ」by三浦小兵衛

 主人のお共で東海道を旅する「丁稚」の新太。そこで彼が見た主人と自身の真実とは。


 なんてことは無い、貴種流離譚風味の道中記。途中の宿屋街での飯盛り女に落魄した武家の娘との鯔背な傷の舐め合いが心を暖めてくれます。相変らず「負け組」描くのがお上手。

箱館証文

そこもとの命千両で売らぬか by中野伝兵衛

 「拙者敗候而一命貴殿ニ御預致候 随而ハ後日本証文ト引替 一金壱阡両之命代御支払致候」御一新から何年も過ぎ、官僚として安定した生活を手に入れた大河内の下に降って湧いた旧時代の古証文。失われかけた武士の誇りにかけて、彼はこの難題を解決できるのか。


 浅田一流の奇想天外な発想を生かした少し不思議な時代劇。解決に至るまでのトホホな過程ととても綺麗な結末。安心して読める出来栄えです。

西を向く侍

西洋の制度や科学を移入することはよい。しかしわが国固有の文化を外国に売り渡してはならぬ。それは亡国じゃ。」by成瀬勘十郎

 「明治五年十二月三日を以て明治六年元旦とする」そろそろ年の瀬を意識する忙しない街中に突如出された謎の布告。その真の意味を理解できる数少ない英才の一人成瀬勘十郎が走る。日本固有の暦を守るため。


 鍛え磨いた匠の技が一瞬にして「世界の奇人変人の珍技大公開」に貶められる恐怖。「職人」ってのは因果な商売です。

遠い砲音

かつての暮れ六ツとは、日の入りより三十六ミニウトの後じゃ」by毛利修理大夫

 いつまでたっても西洋時間に慣れない遅刻常習犯の駄目中尉。そんな土江彦蔵が任されたのは選りにも選って午砲の発射役。彼は無事お役を勤め上げることはできるのか。


 不器用で朴訥な旧弊の微笑ましい失敗で済ましていいレベルを遥かに越えた無能ぶり。流石にこれに感情移入するのはちょっと…。

柘榴坂の仇討

井伊掃部頭直弼、討ち取ったり」by水戸浪士

 目の前で主君井伊直弼を打たれた随従の執念深い復習劇。正式に仇討ちを禁じられた明治の世に復讐鬼はどう生きるのか。


 主家を失い汚名挽回の術も理由も失った元護衛と、死に損ねた元刺客の心の交流。ハッピーエンドの微笑ましいラストシーンを含め非常に良く出来た名作です。本巻一のお気に入り作です。

五郎治殿御始末

付け届けは賄などではねぁ。わしが食ってうまいものを、わしが敬っているお人に食っていただこうずと思ったんだわなも」by尾張屋忠兵衛

 主家と家族を失いこの世にただ二人取り残された老人とその孫。彼らが選ぶ結末とは。

 
 ビミョー。

城が燃える本丸が燃える

 明治維新からはや150年。維新の元勲達が総力を挙げて作り上げた至高の組織官僚制も最早いくらなんでも耐用年数の限界を迎えています。パクス・アメリカーナが崩壊し、新たなる時代の方向性が模索される昨今、旧秩序の解体は急務といえるのではないでしょうか。いつまでも丁髷のっけた石頭の穀潰しに好き勝手させていたら、未来永劫西洋列強には追いつけませんよ。

EMOTION 20周年記念 テーマコレクション~TV編

EMOTION 20周年記念 テーマコレクション~TV編

帰ってきた今日の一行知識

太陽暦が採用されたのは、公務員が月給制となったため
太陰暦だと2〜3年に一度閏月があるせいで、払うべき給料が大分増えてしまうんですね。旧暦復古運動立ち上げようかしらん。