脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『新選組血風録』

http://www.kajisoku.com/archives/eid1796.html
宮本先生、『暁!男塾』といい、これといい、僕らの思い出を汚すのはもう勘弁してください。


 今日は居残り会議のはずが上司の鶴の一声で大掃除に変更。フレキシブルな対応を誉めるべきか、テキトーな体制を嘆くべきか。


新選組血風録 新装版 (角川文庫)

新選組血風録 新装版 (角川文庫)

都の治安を守るためキンノー浪士をたたき切れ!

油小路の決闘

それではあなたは清川八郎になる」by篠原泰之進

 鉄の結束を誇った新撰組から遂に独立志向の分派が出現。類まれなる弁舌と識見を以って、近藤のカリスマを脅かす、伊東甲子太郎高台寺党に死の鉄槌を!


 新撰組の終わりの始まり、油小路の変を題材にしてる割にはどこかのんびりまったりした空気の漂う一篇。古き良き時代劇の空気感をご堪能あれ。

芹沢鴨の暗殺

あのひとはひょっとすると、私の知った中では、いちばんの善人かも知れない。」by沖田総司

 組織に頭は二つ要らない。芹沢vs近藤骨肉の戦いの幕が開く。


 あまり深くものを考えない近藤・沖田に変わって色々思案をめぐらす土方の貧乏性が微笑ましいです。

長州の間者

人を殺したお顔どす」byおその

 007になれなくて・・・

 若い頃は倣岸たる英雄に憧れたものですが、最近頓に小心な凡人にシンパシーを感じるようになって来ました。

池田屋異聞

血はあらえぬものだ。義の何たるかを知らず、憂国鉄腸の士を傷なおうとする。やはり血筋はあらそえぬ。」by大高忠兵衛

 今明かされる山崎烝出生の秘密。


 テキトー極まりないけど説得力があって面白い司馬史観ここにあり。優秀な人物の吐く嘘ほど性質の悪いものはありません。

鴨川銭取橋

証拠か・・・。ない。が、武田君の人柄そのものが証拠さ。」by土方歳三

 学を持たぬ無頼の集団で鶏頭を気取る甲州流軍学武田観柳斎。本物のインテリ伊東甲子太郎出現でメッキのはげた彼の最後の足掻きは成功するのか。

 嫌らしい謀略家な土方さんに惚れそうです。

虎徹

拙者の見るところ、これはごく最近の鍛冶が打ったもので、源清麿ですな。」by斎藤一

 虎徹伝説の真実がここに!


 今度は逆に近藤勇の一徹な不器用さが魅力になってます。

前髪の惣三郎

勇気がある。蘭丸に似ている。」by近藤勇

うほっ


アッー

胡沙笛を吹く武士

あいつは、人間じゃねぇ。」by原田左之助

 家庭を持った「人間」は「狼」ではいられない。


 新撰組に限らず、軍隊ってのは因果な組織だなぁと改めて。

三条磧乱刃

源さんには、むりだ。」by土方歳三

縁故人事いくない。


 豺狼の群れに一匹紛れ込んだ老犬といった風情の井上源三郎さんに存分に癒されて下さい。

海仙寺党異聞

御災難でございますな。」by櫛屋利助

 医学を志して上京してみたら、成り行きで新選組の事務方に入隊させられて、成り行きで最前線の精鋭部隊に異動になった。僕は何処で道を間違えたんだろう。
 

 ありきたりとは言え、爪を隠す鷹はやっぱりカッコいいですね。

沖田総司の恋

わかってるかね。京の妓は口あたりはいいが、性はわるいよ。」by土方歳三

 「弟」総司に春が来た。朴念仁の「兄貴」二人のから騒ぎの結末は?

 無垢な沖田、気の利かない近藤、気の利き過ぎる土方と三者三様の魅力が堪りません。

槍は宝蔵院流

あいつだけは、得体が知れねえ。」by土方歳三

偽ブランドに要注意。


 相変わらず斎藤一はカッコいいです。

弥兵衛奮迅

体は大事にせんといきもはんど」by西郷吉之助

 無骨。以外に形容のしようのない薩摩出身の芋侍の正体は、薩摩の誇る天才スパイだった。


 無粋で愚鈍な田舎者は基本的に大嫌いですが、ここまで徹底してくれると、いっそ清々しいです

四斤山砲

人事はむずかしいものだ。あんた、すこし軽率だったようにおもう。」by土方歳三

 永倉の先輩を名乗り新選組に押しかけまんまと砲術師範の座におさまった大林兵庫。はたして彼の実力はいかに。


 上司に取り入るのだけは上手い無能な新参に追い出された不器用な職人の復讐劇。やっぱり王道は燃えますね。

菊一文字

則宗は七百年ですよ」by沖田総司

 ふとしたことで沖田が手に入れた古今無双の名刀菊一文字則宗。名にしおう魔剣と至高の天才剣士。その相性やいかに。


 夭折の天才ってモチーフは何をどうやってもカッコいいですね。

士魂一つを胸に秘め泣いたりしません勝つまでは

 司馬遼太郎全盛期の絶好調に滑りまくる筆が描く新撰組は実に人間臭くありながらも心の底からカッコいい存在になっています。しかし、文章力があるというのは諸刃の剣で、荒唐無稽な「お話」なはずが妙な説得力を持った「史実」と混同されてしまうことになってしまいました。司馬遼太郎は稀代の小説家であります。そろそろ彼を「歴史家」の呪縛から解き放つべき時なのではないでしょうか。

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