脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

佐藤聖と芝田山部屋と新選組血風録について

http://guideline.livedoor.biz/archives/50992487.html
これはムゴイ。けどちょっと見てみたい気も・・・。


 三連休ってなんですか?

だって微妙なもどかしさを誰かわかって!

佐藤聖+存在

Chercher〜シャルシェ〜pt4 - 脱積読宣言

佐藤聖
 リリアン女子大学文学部米英文学科1回生。前白薔薇志摩子*1の「お姉さま」。12月25日生まれ。父親は本編の数年前に会社を興したので、社長令嬢ということになる。幼稚舎からのリリアン育ち。蓉子*2江利子*3 と同学年にして親友。色素の薄い髪と、まるで石膏像の如く日本人離れした眉目秀麗の美貌を持つ。人懐っこく陽気な性格で、一般生徒から絶大な人気を誇る。 作者*4のあとがきによると、「マリみて」のファンの間でも一番人気であるようである。また、アニメ版では同学年の蓉子と江利子に比べ、とても目立っており、 メインストーリーも多かった。祐巳*5のことを大層気に入っており、しばしばセクハラまがいのちょっかいを出していたため抱きつき魔のおやじキャラと呼ばれて いる。かつては人付きあいの苦手な性格で、人見知りで独りよがりのところがあったが、栞*6との恋愛、姉*7や蓉子の支え、志摩子との出会いによって次第に周囲に 心を開くようになった。総合すると、基本的には頼れる上級生といった感じだが、彼女が原因で起こった事件も多い。祐巳と出逢った影響で卒業直前に進学を決 め、一般入試を経てリリアン女子大学・文学部米英文学科在学。普通免許を高等部在学中に取得。愛車は持っていないが作中では母親の車(小説作中では「黄色 の軽自動車」とのみ 記述されている。コバルトに掲載された短編の挿絵ではスズキKeiワークス、漫画版では日産モコ、そしてアニメではなぜか軽自動車ではなくVWニュービートル)に乗っているシーンがある。(wikipediaより引用)
初登場:『マリア様がみてる』「胸騒ぎの月曜日」
登場作品:『マリア様がみてる』『黄薔薇革命』『いばらの森』『ロサ・カニーナ』『ウァレンティーヌスの贈り物』『いとしき歳月』『レイニーブルー』『パラソルをさして』『涼風さつさつ』『バラエティギフト』『プレミアムブック』『特別でないただの一日』『妹オーディション』『イラストコレクション』『フレーム オブ マインド』
CV.豊口めぐみ*8

存在
1、実際にあること。現にあること。また、そのもの。
2、哲学で「ある」ということ、及び「あるもの」の意。
(『大漢語林』より引用)

 清く正しい擬似恋愛を楽しむ正統派S小説の舞台たるリリアン女学園において、独りガチレズ街道を突っ走る佐藤聖の存在は異彩を放ってます。この作品の中でホモセクシャル確定は実は彼女だけ*9なのです。
 そんな彼女、高二までは尖ったナイフのように触れるもの皆傷つける重度の中二病患者でしたが、久保栞との駈落ち未遂事件後は人の変わったように陽気で人懐っこい親しみやすい模範的最上級生にジョブチェンジリリアン女学園のアイドル的存在となっています。高校卒業後の現在は、「白薔薇さま」の肩書きを取り払った「佐藤さん」として大学生生活を満喫してるようです。
 小説外からメタ的に見ると、初期は祐巳の良き相談役として問題解決を導く万能キャラとして、困った時の白薔薇さまって感じでしたが、『パラソルをさして』で祐巳と祥子との関係が一段落の完成を見ると、出番も激減しますが、たまに出てきては圧倒的な存在感で場の空気を全部持っていく最強キャラの座は譲ってません。正直作者もコントロールし切れてない感もありますが、今後もチョイ役で名脇役ぶりを発揮してくれることでしょう。

マリア様がみてる 3 いばらの森 (コバルト文庫)

マリア様がみてる 3 いばらの森 (コバルト文庫)

芝田山部屋

鳥の詩 - 脱積読宣言

芝田山部屋
 日本相撲協会所属の相撲部屋。二所ノ関部屋一門。1991年7月場所で引退した第62代横綱大乃国*10が年寄芝田山を1993年3月場所後に襲名し、放駒部屋付き親方として後進の指導に当たっていたが、1999.6独立して創設。部屋頭は大勇武*11。(wikipediaより引用)

 元横綱大乃国こと芝田山親方の部屋。正直在籍の力士に知ってる人もいませんし、大乃国千代の富士を筆頭とする4横綱乱立時代の中でも群を抜いて地味な横綱であったこと位しか記憶にありません。ただだからと言って、部屋自体も地味かと言えばさにあらず、何処の夢見がちな少女の運営かと疑いたくなる公式サイトが異彩を放ちまくっています。陰惨極まりない時津風部屋と同じ職種の事務所とは到底思えません。とりあえず、この部屋には「かわいがり」の心配はなさそうです。しかし、最高位が幕下止まりな辺りをみても、甘いだけでは大相撲の世界を生き抜くことは難しそうです。軍隊的な理不尽な暴力ってのも、根性鍛えるには必要悪なんですかね。

第62代横綱・大乃国の全国スイーツ巡業

第62代横綱・大乃国の全国スイーツ巡業

新選組血風録+壬生狼

萌えよ剣 - 脱積読宣言

新選組血風録
 1962新選組副長土方歳三*12を主人公とした長編『燃えよ剣』を発表した司馬遼太郎*13は、’62.5-12『小説中央公論』で新選組を題材とした15編の短編を連載した。これが短編集『新選組血風録』としてまとめられた。各話ごとに異なる実在と架空の隊士が主人公となり、主に土方歳三沖田総司*14がストーリーの主要登場人物となり構成されている。局長の近藤勇*15も多く登場するが土方、沖田に比べるとやや脇役的存在となっている。隊士の中では斎藤一*16山崎烝*17も登場回数が多い。
 司馬が最も脂が乗っていた時期の作品で巧みな文章とストーリー構成、キャラクター造形で高い評価を受け、新撰組物の定番小説として非常に長い間版を重ねて現在に至るまで書店に並び愛読されている。
 読者が多く影響力が強いために、この作品がそのまま史実の新選組と受け取る読者も少なくないが、これはあくまでも大衆小説であり、小説とするために史実を意図的に変えているもの(例:「池田屋異聞」山崎烝の先祖が奥野将監*18という事実は存在しない。)や、根本的に架空のストーリーも含まれている(例:「前髪の惣三郎」加納惣三郎*19という隊士の逸話は残っているが、実在が確認できず、逸話も男色の話ではない)。(wikipediaより引用)

新撰組
 幕末、京都における尊攘派らを鎮圧した浪士組。1863清川八郎*20らが幕府と協議して結成した浪士組が京都に入り、清川らが江戸に引き揚げた後も芹沢鴨*21近藤勇らは京都に残留し、京都守護職支配下に近藤が局長となり、壬生に駐屯した。尊攘派池田屋事件などで鎮圧。戊辰戦争では甲州などで戦ったが敗北、解体した。(『岩波日本史辞典』より引用)

 新撰組の仇名と言えば、「壬生狼」って印象がありましたが、意外にも司馬の『新選組血風録』では僅か数箇所でしか使われておりません。軽く読み直したところ見つかったのは、

  • P7.7*22「ところが、篠原泰之進が、ただの無邪気な男でなく、京者が壬生浪とよぶすさまじい生きものであったことを知らされたのは、慶応二年三月の末のことであった。」(「油小路の決闘」)
  • P100.7「『壬生浪にお入りやして世間が広うなったのか、えろうさばけたことをお言いやすが、そんなのは色里の恋どすえ、町方はもっと律儀どす』」(「長州の間者」)
  • P100.13「『壬生浪をやめて小間物屋におなりやしたら惚れてさしあげます。もし貴方とこういうことばかりして子が生まれればどうなされますえ。あれは壬生浪の子やといわれますえ。』」(「長州の間者」)
  • P101.1「『おれはみぶろではない。長州なのだ。」』(「長州の間者」)

 多分これは、司馬が新撰組を狂信的ではあるが武士の規律を厳格に守った「サムライ」の集団であったと肯定的に書こうとしたからでしょう。実際の新撰組は「狼」なんて呼ばれてる通り、治安維持を大義名分に傍若無人に京の平穏を乱しあげた、無規律なチンピラ集団だったのは皆さん知っての通り。大体練度とモラルの高い集団であれば、あそこまで厳しい隊則で雁字搦めに縛る必要はない訳で。個人的に司馬はあまり好きになれないのですが、その理由の一つに、この坂本龍馬新撰組の過度の美化・神格化があります。そろそろ我々も司馬史観を卒業してもいいのではないのでしょうか。とりあえず、創作者の皆さんは新撰組関係者に「壬生狼」なんて自称させるのは止めましょう。当時「狼」に肯定的意味は一切無い完全な蔑称ですよ。

新選組血風録 新装版 (角川文庫)

新選組血風録 新装版 (角川文庫)

あこがれよりあこがれ以上の夢をいだいてる

 新選組血風録を愛する好々爺から、「壬生狼」と臆面も無く自称してしまうような時代考証完無視のBLに溺れる腐女子まで大人気の新選組や最近話題の大奥に代表されるように、同性だけの閉鎖社会ってのはどうしても妄想を掻き立てられます。自分は中高男子校で、妹も名門女子校に行っていたので、ある程度は女子校の現実ってのは理解しているつもりですが、それでもやはり乙女の園には憧景を覚えずにはいられません。きっと、あの中では慎ましくも華やかな淑女見習い達が、清く正しい学園をおくっているのだろうなんて思ってしまいます。中には佐藤聖様の様な人気者がいて、バレンタインなんかは・・・。
 誰もこんな妄想は期待して無いでしょうからここらで止めます。芝田山部屋の例を持ち出すまでも無く、乙女チックな野郎なんて存在は正視に耐えませんものね。

 

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*1:藤堂。白薔薇リリアン女学園高等部2年生。義兄に賢文。「妹」に二条乃梨子

*2:水野。前紅薔薇。大学法学部1回生。「妹」に小笠原祥子

*3:鳥居。前黄薔薇。大学芸術学部1回生。「妹」に支倉令

*4:今野緒雪。代表作:『夢の宮』、『スリピッシュ!』他。

*5:福沢。紅薔薇のつぼみリリアン女学園高等部2年生。父祐一郎、母(祝部)みき、弟祐麒。「姉」に小笠原祥子、「妹」に松平瞳子

*6:久保。シスター見習い。佐藤聖と駈落ち未遂の挙句に転向。

*7:先々代白薔薇

*8:81プロデュース所属。代表作:ウィンリィ=ロックベル(『鋼の錬金術師』)、ミリアリア=ハウ(『機動戦士ガンダムSEED』)、千葉紀梨乃(『バンブーブレード』)他。

*9:柏木優バイセクシャル

*10:北海道出身。放駒部屋所属。560勝319敗。幕内優勝2回。

*11:龍泉。モンゴル・ウランバートル出身。幕下西二十六枚目。最高位:幕下西八枚目。146勝116敗。旧名:大勇地。

*12:義豊。蝦夷共和国陸軍奉行。近藤邦武に師事。天然理心流中極意目録。箱館戦争で戦死。

*13:直木賞作家。代表作:『梟の城』、『竜馬がゆく』、『街道をゆく』他。

*14:房良。新撰組一番隊組長。父勝次郎。旧名:春政。

*15:昌宜。天然理心流4代目家元。父宮川久次郎、養父近藤周作。

*16:藤田五郎新撰組三番隊組長。父山口祐助。

*17:新撰組監察。鳥羽・伏見の戦いで戦死。

*18:赤穂藩組頭。父定次、母大石奈津。赤穂浪士の副長格ながらも中途で脱盟。

*19:新撰組小頭格。島原通いの資金捻出の為、辻斬りを行っていたことが発覚し粛清。通称:「今牛若丸

*20:正明。父斎藤豪寿。千葉周作に師事。

*21:下村継次。新撰組局長。父芹沢貞幹、養父下村祐斎。戸ヶ崎熊太郎に師事。神道無念流免許皆伝。

*22:以下全て角川文庫版(44版)準拠。