脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『昭和史探索 一九二六−四五 1』

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/982045.html
江戸時代のキリシタン並みにヲタクには暮らしにくい時代のようです。ってかかたくなに隠さず徐々にカミングアウトしてけばいいのに。


 先日友人の弟が家に来ました。それは色々興味深い話を聞けたのですが、逆に家の妹は他所で何言ってんのか非常に不安になります。碌なこと言われてねーだろーなー。

昭和史探索〈1〉一九二六‐四五 (ちくま文庫)

昭和史探索〈1〉一九二六‐四五 (ちくま文庫)

灰色の空の彼方 何か置いてきた 君は迷いながらそれを探し続ける

 大正デモクラシーの大輪の花咲き誇る帝都の栄華も関東大震災で瓦解し、続く昭和大恐慌で暗黒時代に突入。1945.8.15の破滅への一里塚としか思われてない昭和前期。その真実の姿を鬼才半藤一利が豊富な同時代史料で解き明かす。


 昭和史の権威、半藤一利氏のライフワークたる昭和戦前史の集大成。本巻は昭和改元から満州某重大事件の大正デモクラシーから昭和恐慌への過渡期を扱っています。政党政治の腐敗直前の爛熟期の輝きと、大正期の大弾圧乗り越え復讐の牙を研ぐ軍部の策動、英明なる「摂政宮」の希望と決意に満ちた治世。と見所満載です。特に昭和天皇の戦争責任をあげつらう人達には昭和天皇の理想の蹉跌の原因たる田中義一内閣総辞職は必見といえるでしょう。
 一応「資料」ではなく「読み物」としての感想を述べると、帯に短し襷に長し。ブリッジの半藤氏概説は大雑把に過ぎ、引用史料はミクロな視点で全体像を掴みづらいことこの上ありません。しかも、引用に半藤氏の「軍部の暴走」糾弾の思想的バイアスがかかっているので、かなり、危うさの漂う読後感を覚えてしまいます。余計な色気を出さず、擬古文の残滓残る日記文の清華を味わうにとどめておくのが吉でないでしょうか。

高鳴る未来へ 手を伸ばせば輝けるはずさ IT'S WONDERLAND

 『坂の上の雲』や『男たちの大和』などで再評価著しい明治期や戦中期ですが、それに比して1920年代の大正後期〜昭和初期は過小評価甚だしい気がします。平和に慣れきり軍隊を過度に抑圧し、結果として軍部の大暴走を誘引したこの時代。現代と非常にかぶる気がするのは私だけでしょうか。憲法を不磨の大典とし、現実の解釈を歪めてしまうことこそが、軍靴の音を招くのだと、我々もそろそろ学びませんか?

CHANGE THE WORLD

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