脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『駿河城御前試合』

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/975919.html
検察を怒らせると後が怖いですね。桑原桑原。


 事故の後遺症で足が痛いです。益々出不精になりそうで怖い。


駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

逃げ出す事も叶わずあれよあれよの頓死

被虐の受太刀

座波間左衛門(今川流受太刀)VS磯田きぬ(薙刀


 もしも生粋のM男が兵法を極めたら・・・。
 痛いのが気持ちいいから無敵。ってのはギャグ漫画ではたまに見ますが、真面目な剣豪小説でこのテーマを描ききったのは見事。

 

峰打ち不殺

月岡雪之介(戸田流)VS黒川小次郎(無幻一刀流


 人を殺めることに嫌気がさし、不殺の奥意を極めた男。昨今の不殺ブームと違うシニカルな視点が素敵です。

がま剣法

笹原修三郎(宝蔵院流中村派槍術)VS屈木頑之助(「ガマ剣法」)


 下賤で不細工な男の復讐劇。私も強いて分類すれば、非モテのカテゴリーに入るかもしれない男なので、屈木の方に心から同情を寄せてしまいます。もてる奴は死ね。

相打つ「獅子反敵」

鶴岡順之助(一刀流)VS深田剛之進(一刀流

 竹馬の友がひょんなことから不倶戴天の仇敵に。この一編に限ったことでないですが、一瞬の血戦シーンより、対戦に至るまでの描写が非常に魅力的で好感が持てます。

風車十字打ち

児島宗蔵(伊賀忍法)VS津上国之助(伊賀忍法)

 忍者バトル!!!
 怪異の技を使いこなす超人の乱舞する風太忍法帖もいいですが、やはり地味で政治的駆け引きの横行するスパイチックな忍者の活躍にこそ、萌えます。

飛竜剣敗れたり

黒江剛太郎(未来知新流)VS片岡京之助(二階堂流)

 必殺技対決!
 試合の拵えが派手な分、内容にはちと乏しいかと。

疾風陣幕突き

小村源之助(判官流)VS進藤武左衛門(神道流槍術)


 必殺技対決pt2
 以下同文。

身替り試合

山新蔵(岡倉道場)VS栗田二郎太夫(戦場剣法)


 爺様の意地の張り合い。
 ロートルはさっさと引退しろ。ってのが持論ですが、この爺様方の年寄りの冷や水には自然と頬が緩みます。

破幻の秘太刀

成瀬大四郎(新当流)VS笹島志摩介(新当流)


 何でもすぐ精神論に走る日本の風潮は大嫌いですが、剣禅一如の精神には何処か感じさせられるものがあります。

無惨卜伝流

卜部晴家(新当流)VS水谷八弥(新当流)

 そして誰もいなくなった。優秀な人材を輩出しすぎると内紛で自滅しがちなのは今も昔も変わらず。何事も程々が一番なようで。

あの世で結んだ契り永遠に忘れじと

 綺羅星の如き個性的な登場人物が繰り広げる超人バトル(オマケのお色気とトリビア付き)。途中で一切詰まらぬ軽みに溢れた読みやすい文体とと後の仕事に差し障らぬように一切残らない読後感。剣豪小説は昭和のライトノベルと言い切ってしかるべきでしょう。昨今乱立気味のラノベの山も数十年後には立派な「文学作品」になってるんでしょうかね。


陰陽珠玉(初回限定盤)

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