脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『男女平等バカ』

 このブログも皆様の応援を持ちまして、開設一ヶ月を迎えることができました。小説を書こうとして、最初の一行で挫折した高校時代を思うと格段の進歩です。ただ単に面の皮が厚くなっただけともいいますが。サボリ症で飽きやすいこの自分が休み休みでもブログを続けられるのは、皆様の応援やコメントのお蔭です。要望・突っ込み・批判何でもござれでどんどん書き込んでくださいまし。
 
 最近次回予告の無視が常態化してきましたが、今回は『同和利権の真相』『まれに見るバカ女』シリーズでお馴染み、別冊宝島Realシリーズの野村旗守編『男女平等バカ』宝島社(2006)です。昔からアングラカルチャー方面のムックを多く出版する会社だけあって、世間を恐れぬ本を出します。個人的にはインターネットの発達で、「マスコミが報道しない社会の裏を暴く」だけの本の使命は終わったと思うので、もう少しライターのレベル(ジャーナリストではなく文筆家として)を上げて、「読み物」としての完成度を高めて欲しいところですが贅沢でしょうか。速報性や禁忌の薄さではネットに叶うわけもないので、精度と文章力で勝負しないと勝ち目はないと思うのですがいかがでしょう。出版不況を嘆く前にやれることはやって欲しいというのが、一人の愛書家としての本音です。では以下ネタバレ注意

How Many いい顔

 ルポルタージュの宿命といったら御仕舞ですが、純粋な読み物としては面白くありません。主義主張はともかくとして、本多勝一立花隆の才能には頭が下がります。当時と違って情報の入手が簡便になった分不正確な記述が許されにくくなっているとはいえ、毎度この手の本を読むたび、もう少し何とかならんかと思います。データと専門用語の解説だけで枚数限界、せいぜいおざなりに纏めるのがやっとというのでは、余程の使命感がないと途中で飽きます。きちんと客のことも考えないと、ジャーナリズムも文学のように一般読者から見棄てられますよ。

 肝腎の内容ですが、ネットをやってる人間なら一度は目にしたことがあるような内容ばかりで、目新しさはありません。資料として使うにも中途半端だし、ブンガクに昇華なんてのは夢のまた夢だし、深さが足りません。過激なコピーで、自身で情報を集める暇のない一般人に手に取らせるという雑誌文化から早く卒業して欲しいものです。とはいえ興味を引く話題が皆無というわけでは当然ないので興味を持った記事をいくつか紹介します。
 
 「世紀の邪法「DV防止法」は家族解体法である!」一度現代の「縁切り寺」に駆け込めば、携帯は取り上げられ、外出も禁止され、子供は洗脳される、とのことですが、情にほだされ帰るとそこは何も変らぬ地獄だったというのはよくあるパターンなので一概に責めるわけにはいきません。とはいえ何事も程度問題です。この記事に書いてあることが本当なら下手なカルトより余程悪質です。しかし、インパクトを強める為か、そこまで厳重に外部との連絡を絶たなければいけない理由を(多分)意図的に書き落としているので、片手落ちな感がぬぐえません。「雑誌風情」にここまで要求するのは酷かもしれませんが、卑しくもジャーナリズムを名乗るのなら最低限の中立性は保って欲しいです。

 「欧州型「性の自由主義」の大誤算!」福祉国家ジェンダーフリーの先進国なはずのスウェーデンの現状の紹介とそれに目を瞑り続けるマスコミの糾弾。ソビエト中国北朝鮮に続けてスウェーデンも理想国家の座から転落しそうです。離婚率堕胎率性犯罪の増加は目を覆わんばかりの模様です。ユートピア蓋を開ければディストピアというのはSFの定番ですが、次にターゲットにされるのはどの国でしょう。ちなみにかなりどうでもいい話ですが、一昔前のあちら製の本気でやばいビデオは、東欧の貧乏な女性を生贄に、規制のゆるい北欧で撮影というのが一つの定番だったようで、そこら辺からもかの国が病んでいるのがうかがえます。

せめて、男らしく

 最後にジェンダーフリーについて個人的見解を。意図的に為されているセックスとジェンダーの混同は論外ですが、ジェンダーも社会生活を営むには必要不可欠なものだと考えます。もしそれをなくせば損をするのは圧倒的に女性です。男が家族のために真面目に働くのは幼少より刷り込まれた「男」の矜持と義務感故であり、それを失えば、女性は育児と家計の確立を「独り」でこなさねばならなくなります。男としては種を数箇所に蒔いとけば一つくらいは無事育つだろうって打算が成り立っちゃいますからね。女尊男卑を推進する女傑はその覚悟はおありなのでしょうか。私の好きな浅田次郎の台詞に「女は生まれたときから女だが、男は「俺は男だ」と虚勢を張り続けてようやく「男」になれる」というものがあります。出産という「単純」な行為でアイデンティティーを確認できる女性と違い、男は自己確立のために文化という補助器具が必要なのです。かくも男は弱くて脆い生き物なのです、女性諸氏はあんまりいぢめないで下さい。女々しく泣いちゃいますよ。
 元男子校生の妄想と笑わば笑え。全ての女性に聡明で清らかな手弱女であって欲しい、というのが偽らざる本音です。 

今日の一行知識

 セーラー服のモデルは軍服
 有名な話ですが水兵さんの制服が元なんですよね。ある意味フェミニズムの極致?

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