脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『東部ニューギニア戦線〜地獄の戦場を生きた一軍医の記録』

奈良の大仏は創建当時こんな色だった : watch@2チャンネル
京都なんぞに住んでると洗脳されかけますが、日本人本来の美意識は安土桃山の絢爛やバブルのケバケバしさにこそあるはずです。貧乏くさい侘び寂びなんて脱ぎ捨ててかつての栄光を取り戻そうではありませんか。まあその路線で行くと一生かかっても大陸の方々の足元にも及ばなそうなのが問題ですが。


 職場の同僚(私以外一回り以上上の女性ばかり)と一緒に焼肉に行きました。焼肉ってあんなに優雅で金のかかる食い物だとは知りませんでした。


SRWZ進捗

  • スペシャルモード第16話「交差する決意」新地球連邦軍と遭遇。トップエース:セツコ=オハラ@バルゴラ(1号機)。

東部ニューギニア戦線―地獄の戦場を生きた一軍医の記録

東部ニューギニア戦線―地獄の戦場を生きた一軍医の記録

遥けき御空宮城を伏し拝みつつ勇士等が

 大東亜の聖戦の美名の下、現世に顕現した餓鬼界三所。餓島、インパール、そしてニューギニア。愚かなる大本営の下策の犠牲に20万の勇士が送り込まれた魔界。そこを生き抜いた軍医の戦いと敗北の軌跡。


 ザ・実録従軍記。軍医さんのの体験記なので、華々しい武勲や壮烈な玉砕とは無縁の泥に塗れた敗走記って感じで、飢えと戦傷と風土病にのたうちながら歩を進める敗残兵の物語が書き綴られます。文筆を生業とするお方ではないので、お世辞にも美麗で緻密な文章とはいいがたいのですが、芸のない朴訥な語り口が実にいい味を出してます。目を覆わんばかりの悲惨な地獄絵図なはずなのに、どこか漂うのどかさは必見。どんな悪夢の中にも「日常」はあるのだと再確認させてくれます。個人的に印象深かったのは、平時であれば、血清さえあれば、簡単に治せたはずの患者を見殺すしかできなかったことの無念さの描写。戦場にあっても飽くまでこの人は医者だったんだなと感じさせられました。

任務はすでに果たせども再び降る大命に

 広島に生を受けた所為で、戦争体験語りというとどうしても斜に構えてしまう癖のついてしまった私ですが、語り部に妙な政治的下心さえなければ、これほどリアルで胸を打つ物語はないのだと改めて。爺様方が言わずもがなの「自慢」をしたくなる気も分かる気がします。後期高齢者の皆様、難しく辛いことかも知れませんが、恍惚に入る前に、できるだけ多くの自慢と主張を除いた生のあの時代の体験を残してください。我々世代が責任持ってそれを平家や忠臣蔵に勝るとも劣らぬ鎮魂歌に仕立て上げますから。

帰ってきた今日の一行知識

パプワニューギニアの原住民は「黒い天使」と呼ばれ連合軍に重用された
落ち武者狩りは戦場の華とはよく言うものの、日本軍にとっては正に黒い悪魔だった模様。こんな遭わない為にももう二度と敗北の憂き目には見えたくないですね。